こんにちは、編集長の福田です。
「太陽光発電って付けた方が良いですか?」
「ソーラー標準装備の会社と、そうじゃない会社、どっちが良いの?」
というご質問がありました。
目的によりけりです。
今回は、太陽光発電を付ける良い面と悪い面を考えていきましょう。
太陽光発電の金銭的なメリット、デメリット
まず、金銭的に損か得かを考えていきましょう。
正直、今の状況ですと、なんとも言えません。
得になるかもしれませんが、損になる可能性もかなりあります。
正直、昨今はデメリットも多いです。
ポイントは5つです。
1.売電価格は安くなっている
2.補助金があるか?
3.昼に家にだれかいるか?
4.一般的な見解としては、「金銭的には得にはなりにくい」が増えている
1.売電価格は安くなっている
まず、売電価格から見ていきます。
発電して、自宅で使いきれなかった電気は、売ることになります。
この金額が売電価格です。
ソーラーで得になる電気=自家消費+売電
という形になります。
問題なのが、この売電の金額が、昔よりもかなり安くなっているということです。
H24年の際には1kWhで42円でしたが、
2022年では1kWhで17円です。
(※家庭用10kw以下の金額)
そう、以前と比較して半額以下です。
背景としては、ソーラーを増やしたいという国の方針で、
高めの売電価格だったのですが、
昨今は十分にソーラーが増えたこともあり、
「そんなに売電価格は高くなくても良いんじゃない?」
ということで、今はこんなに安くなってしまっているんですね。
半額以下になってしまった、今の価格でも、
ソーラーを乗せて金銭的なメリットがあるかというと、ちょっと微妙になりつつあります。
2.補助金があるか?
売電価格と同様に、以前は、普及を促進していたため、プラスで補助金がもらえる場合もありました。
しかし、今はそういう補助金は減りつつあります。
市町村などで、ソーラーの補助金があるか確認してみると良いでしょう。
3.日中に電気を使うか?
ソーラーは日中に発電します。
そして、自宅で使い切れなくて余った電気は売電されます。(溜めておくには、蓄電池が必要ですが、蓄電池は現状、非常に高額)
そして、売電価格は安くなっていますので、日中にあまり使わない場合、金銭的なメリットはガクッと落ちてしまいます。
4.一般的な見解としては、「金銭的には得にはなりにくい」が増えている
以上のような理由から、一般的な見解としては、金銭的には得とは言いにくいという人が増えています。
↓コメンテーター(?)のひろゆき氏と、クオホームの本田さんも話していますね。
まあ、ひろゆきさんは極論が多いですし、クオホームの本田さんは有名YouTuberではありますが、言うなればただの工務店のおじさんで、別に学者というわけではないですし、そもそも電気の専門家ではないですので、全部を信じるわけにもいきませんが。
そもそも、そんなに難しい知識がなくても、結構簡単な理屈で、本当にソーラーがそんなに儲かるなら、サハラ砂漠にメガソーラーを作ったり、農家なんかみんな農業をやめてもっとソーラー畑が増えたり、もっといっぱいソーラーがあるはずです。
(補助金がたくさん出た時代や、売電価格が高かった時代には、ソーラー投資が流行った時期はありました)
そういったことを考えても、令和の時代にソーラーが金銭的に得になるかというと、ちょっと難しい面が多いのが現状です。
5.でも、電気代は上がっているし、ソーラーパネルの単価は昔より安くなった
それでは、太陽光発電を付けると、金銭的にはダメかというと、良い面もあります。
昨今は買う電気代が上がっているので、ソーラーを付けて、自家消費できる電気が多い人は、メリットも多いです。
また、最初の設置コストについては、ソーラーパネルを作る技術力が上がって、安価で良いパネルが増えているので、昔よりも最初の設置コストは安くなっていると言えます。
太陽光発電を設置するお金以外のメリット
金銭的にはデメリットが多かったのですが、金銭的な面以外でのメリットもあります。
1.停電時の非常電源としての太陽光発電
停電時の非常電源として考えると太陽光発電はメリットがあると言えます。
近年増える災害のことを考えると、非常用電源を確保できるのはありがたいです。
非常電源として、家庭用の発電機などもありますが、どうしても音の問題があります。ガソリンで発電するものは、オートバイのエンジン音のような爆音がします。カセットガスタイプは、時間が短く、また冬の寒さで発電できない場合があります。
また、使わない時に保管しておく場所の問題もあります。
そういうことを考えると、太陽光発電があれば、安心できる面は多いです。
家庭用蓄電池と組み合わせると、より安心ですが、コストの問題もあります。
何日も停電になるリスクはゼロではありませんが、確率で言えば、さほど高いものではありませんので、災害のためだけに高価な家庭用蓄電池を導入するのはハードルが高いです。
太陽光発電だけであれば、金銭的メリットは少ないとは言っても、大きく損をするというものではないので、災害に備えるという意味で、もっとも手軽に導入しやすいものとも言えます。
ただし、晴れた日しか使えないというデメリットもあります。
2. 子どもの環境教育として
子どもの環境教育として、太陽光発電を設置するのも良いでしょう。
これからの時代、エネルギー問題はより深刻になっていきます。
その中で、自宅にソーラーパネルがついていて、太陽光発電をしているというのは、子どもの教育に良い面もあるかもしれません。
3. EV(電気自動車)とバッテリー、マイクログリッドなどの将来性
将来的にEV(電気自動車)へのシフトが進んでいきそうです。
太陽光発電でEVを充電できれば、実質、車の燃料費ゼロ円が実現します。
また、EVが増えれば、バッテリーの需要供給が激変しますので、高性能で安価なバッテリーの開発の可能性も高いです。
そうなると、家庭用蓄電池が増える可能性や、
あるいは、ある程度のエリア内で大きなバッテリーを設置して、
そのエリア内の太陽光発電の電力を充電して、
エリア内で使う「マイクログリッド」が実現する可能性もあります。
そういった将来的な可能性を考えると、太陽光のメリットは今よりも増えてくる可能性もあります。
初期費用0円のソーラーは?
初期費用0円のタイプのソーラーも増えています。
住宅ローンの金額的に、ソーラーを載せるのはちょっと難しいという場合には有効です。
予算的に、余裕があれば、普通に買うタイプの方がトータルのプラスマイナスではお得になりやすい傾向にあります。
内容としては、
0円でソーラーを設置する代わりに、最初の10年間、ソーラーで得になるであろうお金(自家消費分+売電分)を支払って下さい、といったものが多いです。
例えばですが、無料で○kwのパネルを設置するので、最初の10年間だけ毎月5000円支払って下さいね、といったものです。
ソーラーのメリット(売電、自家消費)は一回お客様が手に入れて、そこから月額の金額を払うタイプです。
有名なところだとlooopソーラーなどが、このタイプです。
もう一つのタイプは、0円で設置してくれて、その会社の電気を使うタイプです。
このタイプは最初の10年はソーラーのメリット(売電、自家消費)は入って来ません。
代わりに月額の料金はかからなかったり、かかったとしても安い場合が多いです。
有名なところだと、京セラ関電のちゃんとGoodです。
長野県ですと鈴与の0円ソーラーもあります。
細かい部分で違いはありますが、いずれもトータルの内容としては似たようなものです。
ソーラーパネル標準装備は?
住宅会社によっては、
「ソーラーパネル標準装備」
という会社もあります。
ソーラーパネルを載せたいという人の場合は問題ないのですが、そうじゃない場合は、不必要な勝手な追加装備とも言えます。
住宅会社としては、売上が増えるので嬉しいですが、お客様にとっては自分たちが必要な量のソーラーを乗せられるほうが良いんじゃないでしょうか。
また、初期費用0円の太陽光発電を選びたい人もいるでしょう。
ソーラーパネルはここまで見てきたように、メリットもデメリットもありますので、標準装備だと困ってしまう人も多いかもしれません。
ソーラーにお金をかけるよりは断熱にお金をかける方がコスパは良い?
もう一つ知っておきたいのが、ソーラーにお金をかけるよりは、断熱性能にお金をかけた方が光熱費を減らせて、コスパが良い場合もあります。
これは、ケースバイケースです。
あまり過度な断熱は逆にコスパが悪くなりやすいです。
あくまで目安ですが、断熱等級5(Zeh基準)ぐらいまでは、断熱にお金をかける方が優先度は高いと言えるでしょう。
それ以上の断熱性能(等級6以上)を出そうと思うと、逆にコストがかさむ可能性もありますので、この場合には太陽光発電の方が効果があるという場合もあります。
まとめ。太陽光発電は響きの良さだけで判断しない。
太陽光発電は、なんとなく響きが良いです。
エコで、電気代が安くなって、地球にもお財布にも優しい。
そんな感じがあります。
でも、実際にはメリットもデメリットもあります。
人によって向き、不向きがあります。
絶対にどっちが良いということはありませんのんで、自分たちのライフスタイルと合わせて導入をよく検討しましょう。