Ua値、Q値とエアコンの畳数。高断熱の家に最適なエアコンは?

住宅

こんにちは、編集長の福田です。
家のエアコンを選ぶときに何畳用のものを選べば良いかご存知でしょうか?
実はエアコンのカタログなどで○畳用と表示されているのは、大昔の古い寒い家の基準なんです。
昨今の高断熱UA値Q値、C値の優れた家の場合、メーカーの表示しているサイズ通りを選ぶとオーバースペックになってしまいます

今回は高断熱住宅のための正しいエアコンの選び方について考えてみましょう。

オーバースペックのデメリット

まずエアコンのスペックですが、オーバースペックになると効率が悪くなってしまいます
車で考えると分かりやすいですが、遅すぎず速すぎずの速度で走るのが一番燃費が良いです。
そして、オーバースペックのエアコンはエアコン本体の金額も高くなります。
あまりハイパワーすぎる物を入れると、もったいないんです。

逆にパワーの足りないものを入れるとどうなるかというと、部屋を暖めるよりも、熱が外に逃げてしまう方が速く、全然部屋が暖かく(涼しく)ならないということが起きてしまいます。

特にパワーの差が出るのが立ち上がりです。
容量の大きいものはパワーがあるので、早く室温を暖かく(涼しく)出来ます。

しかし、逆を言えば、高断熱の家の場合、弱運転でずっと連続運転で使う方が効率が良いので、あまり立ち上がりの速さは気にしなくても良いと言えるでしょう。

Q値、UA値とエアコンの畳数の関係

さて、断熱のことを考える時には必ずQ値、UA値が重要になります。
エアコンメーカーの畳数表示は1964年に制定された基準での表示になっています。

エアコンの〇畳用というのはほぼ無断熱の家を前提としています。

これに対して昨今の家はかなり断熱に力を入れています。
参考までにエルハウスの家ですと、ノーマルでUA値0.56超高断熱タイプで0.43となっています。昨今はこだわり派の人はさらに外貼りの負荷断熱を追加して、UA値0.4を切るように建築することもあります。
ノーマルの方でも、昔の家と比べると遥かに高断熱の仕様となっています。

実際には詳しい計算をしないといけませんが、20帖のLDKでも6帖用エアコンでも大丈夫という場合も少なくありません。

簡単なエアコンの畳数の計算方法

まず一番簡単な計算方法として電力中央研究所のサイトが非常に簡単で分かりやすいです。

ASST

長野県ですと3地域のエリアもありますので、地域は盛岡で選びます。

次に断熱等級ですが、エルハウスと同等の断熱の家なら次世代省エネ基準で選んで下さい。エルハウスの超高断熱タイプ(エコ住宅)はこれよりもはるかに上ですが、選択肢がないのでシミュレーション上はこれでOKです。

リビングの場合は地上階、南向き、18帖(あるいは20帖)で選びます。

冷房、暖房は任意の温度で入力します。
時間は連続運転を前提にするか、切ったり入れたりを前提にするかでも違いますが、エルハウスの超高断熱タイプのエコ住宅なら連続運転で使用するのがオススメです。

連続運転の場合は立ち上がりは気にしなくても良いので、省CO2、省コストを優先して選びます。
(省コストは最初のエアコン本体の金額とその後の電気代などのトータルコストです)

YouTubeで見られる家づくり勉強会

こうして選んでいくと、18帖のリビングでも2.5kwのものがオススメと出てきます。
2.5kwというと6〜8帖用の数字です。

エアコンメーカーのカタログには大きく○畳用と書いてありますが、「能力2.5kw」という数字が書いてあります。

一般的にエアコンは冷房よりも暖房の方がパワーが高いです。
長野県の場合、冷房よりも暖房の方を気にする方が多いでしょうから、暖房を優先的に見ると良いでしょう。

実際には次世代省エネ基準よりも高断熱の家の場合には、これでも余裕があるという数値になります。

具体的なエアコンの畳数の計算方法

実際に具体的に計算する場合には、UA値、Q値、C値などから計算が可能です。

UA値=Q値×0.37-0.13
必要暖房能力=(Q値+C値/10)×部屋の面積×温度差

エルハウスのエコ住宅で見てみると、
UA値0.43
C値0.5 (C値は家の大きさなどで前後しますので平均です)
温度差30度 (寒い年はもう少し温度差ありますが)
必要暖房能力=1.292kw
という数値になり、20帖のリビングでも6畳用のエアコンでも十分お釣りが来るという計算になります。

33坪(66帖)の家全体でも、計算すると4.38kwとなり、14帖用のエアコンでも家全体を暖められる計算になります。

まとめ。高断熱の家ならそんなに大きい畳数のエアコンは必要ない

実際に計算しないでいると、
「そんなに小さいエアコンじゃ無理でしょ」
と思われる方も多いのですが、今の高断熱タイプの家ですと、エアコンメーカーの畳数の3分の1以下の容量でもお釣りが来るほどに冷暖房って出来てしまうんですね。
吹き抜けがあってシーリングファンがあれば、一階と二階を一台のエアコンで暖めることも可能です。

扉を閉めていると、向こうの部屋は暖かくならない?という質問も多いですが、扉があっても連続運伝で使っていれば、扉程度の薄さであれば問題なく暖かさは伝わります。
もちろん、扉を開けておく方が暖かさが伝わるのは速いですが。扉には断熱材などは入っていませんので、きちんと熱は伝わっていきます

全館空調システム床暖房も人気がありますが、高断熱の家の場合、普通のエアコンだけでも問題なく全室を暖められます。
全館空調システム、床暖房にお金をかけるよりも断熱にお金をかけた方が良いと言われるのはそういう理由です。

もちろん、床暖房やパネルヒーターはじんわりとした自然な暖かさがあるというメリットもありますので、ここは好みの問題でしょう。
また、長野県ですと薪ストーブも人気があります。高級感と炎の癒しが最高ですね。

ただ、金銭的な面ではエアコンが圧倒的に有利です。

全館空調システムについては、メンテナンスなどのコストもありますので、高断熱の住宅だとメリットよりもデメリットの方が多くなってしまう可能性もあります。

エアコンの正しいサイズを知って、適切なものを使うと、無駄な出費なく暖かい家になります。

松本諏訪地域で良い家をコスパ良く建てるならエルハウス
タイトルとURLをコピーしました