住宅の断熱性能を示すUa値、Q値、C値とは?

住宅

こんにちは、長野県の工務店エルハウスの滝沢です。
私たちがお家づくりをお手伝いしている長野県は冬場の寒さが厳しい地域です。そのため、お客さまに「どのようなお家を希望されますか?」とお聞きすると、「暖かいお家が欲しい!」という答えが多いです。

昨今、多くの住宅会社で断熱性能に力を入れた高断熱住宅を提供しています。断熱性能を表す指標は多々ありますが、代表的なものと言えばU a値、Q値、C値あたりでしょうか。

チラシやパンフレットなどで目にする機会もあるかと思いますが、イマイチよく分からないとお困りの方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回はそれぞれの数値が何を意味するのかを簡単にまとめたいと思います。皆さまのお家づくりにお役立ていただければ幸いです。

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住宅の断熱性能とは?

断熱性能の高い住宅は、外部温度の影響を受けにくいため、快適な室内環境で過ごすことができます。
建物の内部と外部との間で熱が出入りするのは、外壁屋根サッシなどの開口部(これらをまとめて外皮と呼びます)です。特に、開口部での熱の出入りが多く、冬場は約50%夏場に至っては約70%にものぼると言われています。

では、断熱性能を高くするにはどうすれば良いのでしょうか?それは、性能の高い部材(窓や断熱材)を使用すること。そして、それらを正しい方法で施工すること。こちらがとても重要です。いくら良い部材を用いても、施工がいい加減では意味がありませんからね。言葉で書くのは簡単ですが、適切な施工が出来ていない業者も多いと聞きます。

断熱性能を示すUa値、Q値、C値

それでは、断熱性能の良し悪しはどのように判断すればよいのでしょうか?性能ですから、程度を表す指標がいくつかあります。「私たちがつくる住宅は暖かいですよ~」と感覚的なことを言われるより、数値で示される方が説得力がありますよね。代表的な指標ですと、Ua値、Q値、C値があります。

住宅も性能で評価される時代です。各社、パンフレットやチラシに「Ua値:〇〇、C値:〇〇」などと記載していますね。
比較する立場としては数値で示してもらえると、分かりやすくて良いです。ただ、数値はある意味いくらでも誤魔化しがきくので、鵜呑みにするのは危険です。というのも、実際には注文住宅の場合、家によって間取り、窓の大きさ、数もすべて違うので、すべての家で同じ性能値は出ません。
最終的には数値よりも自分がどれだけ暖かく、快適に感じるかの感覚が重要ですね。
とは言っても感覚だけで判断するのも難しいのも事実です。数値はあくまで目安として、実際のモデルハウスや見学会に足を運んで判断するのが良いですね。

Ua値とは?

断熱性能を示す指標の一つとして、Ua値(外皮平均貫流率)があります。ざっくり言うと「住宅内部からどれだけの熱量が逃げるか」を表す指標で、次の計算式で求められます。

Ua値[W/㎡・K]=(各部の熱損失量の合計[W/K])/(延べ外皮面積[㎡])
※外皮とは屋根・壁・床・窓などのお家の内側と外側の隔たり部分のこと

各部の熱損失量は、部材(物質)固有の熱伝導率使用する厚さから決まる熱貫流率面積部位毎の係数により求めます。(計算は少し複雑ですが、意味合いさえ理解できれば十分です)
Ua値は数値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。

省エネ基準として、日本全国を8つの地域に区分(北海道(Ⅰ地域)〜沖縄(Ⅷ地域))し、地域によってUa値の基準値が設けられています。私たちがお家づくりをお手伝いしている長野県の諏訪・松本地区は3〜4地域に該当し、比較的に断熱性能を求められる地域です。そのため、断熱性能を高める術を心得ています。

Q値とは?

 Q値は熱損失係数と言われ「住宅内部からどれだけの熱量が逃げるか」を表す指標です。
あれ?何か見覚えがありませんか?
そうです、Q値はUa値と非常に似ており、次の計算式で求められます。

YouTubeで見られる家づくり勉強会

Q値[W/㎡・K]=(各部の熱損失量の合計[W/K])/(延べ床面積[㎡])

Q値も当然、数値が小さい方が良いです。

Ua値との違いは、大きく2点あります。
一つは、分母が延べ外皮面積では無く、述べ床面積である点。そのため、建物の形状が考慮されません。つまり、延べ床面積が同じ場合、単純な形状(熱損失が少ない)の建物が有利になります。(同じ形状の建物ならば、延べ床面積が大きいと有利。)

Ua値は立体的な壁の形まで考えていて、Q値は単純な床面積だけで考えるということです。
一昔前までは断熱性能=Q値でしたが、上記の理由もあり、平成25年の省エネ基準改正時にUa値へと変わりました

もう1つの違いは、Q値の計算では換気部分の熱損失も考慮しています。
この点を考えると、Ua値よりもQ値の方が現実的という考え方もあります。

どちらも一長一短ですね。

C値とは?

そして、最後に紹介するのはC値です。
こちらは相当隙間面積と言われ、「住宅にどれだけの隙間があるか」を表す指標です。イメージしやすいですね。次の計算式で求められます。

C値=(住宅全体の隙間の合計面積[㎠])/(延床面積[㎡])

断熱性能と言うより気密性能と言った方が正確かもしれません。当然、数値が小さい(隙間が少ない)ほど性能が良いと言うことになります。

いくら断熱性能が高い魔法瓶でも、蓋が空いていれば当然そこから熱が逃げて冷めてしまいますよね?
逆に隙間が無くても、熱が伝わり易い入れ物では直ぐに冷めてしまいます。(冬場のホット缶コーヒーなどがまさにそうですね。)

ですので、暖かい家を作るには断熱性能と気密性能のどちらも高めることが重要なのです。

Ua値、Q値、C値、どれを見れば良いの?

さて、ここまでに住宅の断熱性能を表す指標として、Ua値、Q値、C値の3つを紹介しました。結局、これらの内どれを見れば良いのでしょうか?

まず、C値は間違いなくチェックすべき項目ですね。隙間だらけの住宅では、快適な暮らしは難しいでしょう。

では、Ua値とQ値はどうか?これは意見が割れるところかと思いますが、どちらか一方に決める必要もないと思います。それぞれの意味を理解した上で、どちらもチェックすべきでしょう。

まとめ

今回は住宅の断熱性能の指標として、Ua値、Q値、C値を紹介いたしました。
お家づくりは、住宅会社に言われるがまま進めてはいけません。インターネットで調べれば、なんでも分かる時代です。
ご自身でも住宅のことをしっかりと学び、満足のいくお家づくりをしましょう。皆さまのお役に立てれば幸いです。

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