標高と凍結深度と基礎と金額の関係。諏訪地域では原村は注意!

住宅

こんにちは、長野県の工務店エルハウスのふくだです。
長野県の冬は寒いですね。特に寒いのが、標高の高いエリア。エルハウスの近くですと原村、茅野市の蓼科方面ですね。八ヶ岳が美しく、別荘地としても人気がありますが、とにかく冬が寒いです。原村から下った茅野に住んでいても、原村に行くと寒さが肌に突き刺さるように感じることがあるほどです。

さて、こういった標高の高い寒い地域で家を建てる時に注意したいのが凍結深度です。
凍結深度とは地面の凍る深さのことなのですが、これが深いと基礎を深くしなくてはいけなくなり、通常のエリアで家を建てるよりも予算が多くかかってしまいます。
今回は凍結深度基礎の関係について書いてみようと思います。

凍結深度とは? 基礎と関係あるの?

まずは凍結深度とは?ということからですね。
響きは難しそうですが、読んで字の通り、地面が凍る深さのことを言います。

これは、地方自治体で公表しているところが多いので、「茅野市 凍結深度」「松本 凍結深度」「原村 凍結深度」といった調べ方でググると出てきます。

たとえば長野県長野市は『45cm以上、ただし、標高800mを越えるところは60cm以上とします』となっています。
話題になっている原村の場合、水道の設置する深さについても明確に規定が出ていますね。宅地内は80センチ以上、道路などは120センチ以上深くしましょうとなっています。
余談ですが、日本国内でも凍結震度が決まっているのは、寒冷地だけです。筆者の生まれた鳥取県は凍結震度を定めていないようですね。鳥取も随分雪は積もるんですけどね。実際に鳥取県で家を建てたことはないので、詳しいことは分からないのですが、凍結震度が何十センチもある長野県って本当に寒いのだなと改めて思います。

どうして、地面が凍るとまずいのか?と言いますと、凍ると水って体積が増えます。ものの本によれば9%ほど増えるそうです。9%と言いますと多いか少ないか分かりにくいかもしれませんが、水が凍る力ってものすごいです。
なので、基礎が凍るよりも浅いところにあると、基礎がぐいっと持ち上げられたり、割れたりしてしまう可能性があるんですね。
凍み上がりなどとも言います。

凍結震度の大きい原村は基礎の金額が高くなる?

そして、話題に出ている原村ですね。
原村茅野市と比べても凍結深度が深いです。(茅野市でも別荘地などの標高の高いところは凍結深度が深いですが)
なので、深く地面を掘って、凍結震度より低い位置に基礎を設置しないといけません。
深く掘って基礎のコンクリートを流すとなると、コンクリートがたくさん必要になります。その骨組みの鉄筋もたくさん必要です。
鉄筋コンクリートって高いんですよ。
なので、通常よりもお客様から多く金額を頂かないといけなくなります。

少し話はそれますが、諏訪地域は諏訪湖の軟弱地盤での地盤改良もありますし、基礎関係にお金がかかることがちょくちょくありますね(笑)いえ、笑い事ではないのですが。寒い地域って、家の断熱性も欲しいですし、車なんかも4WDが欲しいですし、何かとお金がかかって困ります。
でも、景色、自然は抜群に良いですよね。
少し余談ですが、筆者は若い頃、自転車で世界を放浪しましたが、その中でも長野県って本当に美しくて良い土地だなと思っています。

ちなみに地盤改良の話としては、諏訪湖周辺は地盤が弱いので出やすいですが、水から遠い高台は比較的地盤は強くて、地盤改良は出にくいです。
ただ、出るときは出ます。
寒い地域でも快適に暮らせる家を作るのって、大変なんですね。

凍結震度の深い地域ではどのくらい基礎の金額は高くなる?

さて、気になるお値段の話ですね。
これは、一概には言えません。

というのも、我々エルハウスの場合、茅野の工務店ですから、茅野で建てる家が標準、つまり基準はそこそこ寒いエリアなんです。
なので、標準仕様=寒冷地仕様になっています。

これに対して、東京の工務店さんなら東京で建てるのを標準仕様とします。
茅野だって、凍結深度が設定されている寒冷地ですから、東京よりは深く掘って基礎を打たないといけません。
標準の深さよりどの程度深くなるかで金額は変わります
なので、実際に建てる会社に金額は問い合わる必要があります。

基礎を標準より深くすることを深基礎などと呼びますが、値段設定は会社によります。
エルハウスの場合は、基礎の面積に標準よりどの程度深く掘るかで金額を決めています。
今回、話題になっている原村の場合ですと、30坪の平屋なら、99平方メートルで、あくまで目安ですが80万円程度となります。そうなんです、結構、良いお値段します。
平屋じゃなく二階建てなら面積は半分で良いですので15坪で40万円という計算ですね。

凍結震度の深い地域では基礎が多い平屋は値段が高くなってしまいがちです。
ただ、原村は広い土地が比較的リーズナブルに手に入りますので、平屋の人気、需要が多い地域でもあります。

※金額はあくまで目安ですので、詳細はお問い合わせ下さい。茅野市でも標高の高いエリアでは深基礎が必要になることもあります。また、原村でも標高1000m以下の払沢などは深基礎じゃない通常の基礎で出来るエリアもあります。

凍結震度の深い地域での建築

凍結深度の深い地域=寒い地域です。
暖かい地域で建てるよりも、基礎も高くなる場合もありますし、それ以外にもデメリットがあります。

まず、断熱性と灯油代があります。
北海道などはものすごく寒いです。ただ、北海道の家って暖かいんですよね。外は平気でマイナス20度とかになるのですが、家の中はTシャツで過ごせるくらい暖かいというのが北海道の家です。
というか、そういう風に家を作らないと本当に命の危険がありますからね。

北海道の家の暖かさは家の断熱性能と灯油代にあります。
まず、灯油代がものすごいです。本州で暮らしていると、間違っているんじゃないかっていう金額が灯油代だけでかかります。灯油だけで1万円越えるのは当たり前です。長野県でもそのくらいかかる家はあるかもしれませんが。
寒冷地対応エアコンやエコキュートの床暖房など、昨今は電気を使った省エネの暖房も増えていますが、やはり寒冷地では灯油ストーブが強いです。本体の価格が安いので壊れた時も買い替えが楽ですし、暖かくなるまでが速いです。

断熱性能については、省エネ基準での断熱等級というものがあり、2020年現在はまだ義務ではなく努力しましょうという程度の数字ではありますが、北海道は1〜3長野県は3〜4、筆者の実家のある岡山県は6。数字が小さいほど寒くて、家の断熱性能が高くないといけません
住宅についてはまだ義務ではないですが、やはり暖かい家の方が住んでいて快適です。

原村のように寒いエリアは高断熱高気密

北海道の寒さもこたえますが、長野の寒さもこたえますね。
「こたえる」という言葉がぴったり来ますね。特に諏訪地域は雪が少ない分、乾いた寒さが刺さりますね。
そんな寒い長野県の中でも寒い原村では、薪ストーブも人気がありますね。
薪ストーブは暖かいですね。
ただ、薪って拾えばゼロ円ですが、買うと高いんですよね。原村の場合、上手くツテが出来れば安く薪を手に入れられる場合もあるようです。工務店や木工所の廃材や林業の人とのツテとかですね。
また、薪ストーブは燃料代以外にも煙突のメンテナンスなども必要になります

やっぱり出来るだけ暖房費がかからないって大事です。

高気密高断熱の家って決して安くないと思います。実際、建築していても、材料費や職人さんの手間を考えても、高断熱の家を作るのって大変ですし、コストがかかります。
電気代が年間◯◯円安くなるということを考えても、20年程度住まないとペイできません。
各メーカー、いろんな言葉でメリットを説明はしますが、やっぱり安くはないです。
ただ、灯油代にせよ、電気代にせよ、高くなっていく可能性が高いです。
地球の温暖化もどんどん進んでいると言われています。
そういうことを考えると、今の時点から高断熱高気密の家、限りある資源を大切に使える家を作るってとても大事なことだと思いますし、建築の仕事に携わる人間として、高断熱の家を誰でも買いやすいように提供出来る様にならないといけないと私は考えます。

まとめ。寒い地域は凍結深度と基礎の金額に気を付けて

後半は断熱性の話にもなりましたが、寒い地域では基礎のために余分の予算をみておかないといけないというお話でした。
寒い地域はデメリットも多いですが、原村はすごく自然が美しくて、静かで良い場所です。星の美しさも驚くほど素晴らしいです。
寒い地域で余計にかかる予算を理解して、家づくりを計画できると良いですね。