家づくりの順番シリーズ、3番目はいよいよ住宅会社を絞っていきます。
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いつから始めればいい?家づくりを成功させる正しい手順と期間
家づくりの中でも一番大変なのが、この住宅会社を絞るところかもしれません。
というのも、世の中にはいっぱい住宅会社がありますし、家の構造などは難しいので、どういう基準で選んでいけばいいのか分かりにくいです。
さらに、この住宅会社の選び方によって家の金額もまったく変わってきますし、内装など出来ることなども違ってきます。
必ず土地より先に住宅会社を絞る
まずポイントになることが、土地を先に買ってしまわないということです。
いくつか理由はあるのですが、土地を先行して決めてしまうと、予算オーバーの原因になりやすいです。
まずは、住宅会社を絞って、家の予算をしっかり決めて、その上で土地の予算を一緒に考えていきます。
また、住宅会社が違うと、家の予算が変わる場合も多いので、土地にかけられる予算も変わってきます。
土地の予算が分からないと土地探しは難航します。
土地探しは順番とコツがありますので、土地探しが上手い住宅会社とタッグを組んで土地を探していくのがオススメです。
また、土地の支払いに住宅ローンを使う場合には、原則として、土地と家をセットで住宅ローンを申し込む場合が多いです。先に住宅会社の目星をつけて、住宅ローンの事前審査などの準備を済ませた状態で土地探しをしていく方が上手くいきやすいです。
設計事務所、ハウスメーカー、工務店?
住宅会社と一口に言っても様々なタイプの会社があります。
例外もあるのですが、大きく分けると次のようなタイプの会社があります。
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ハウスメーカーとかフランチャイズとか地域工務店。金額の違いは?
全国展開している大手ハウスメーカー(積水ハウスなど)
まず一つ目が全国展開している大手ハウスメーカーさんです。
会社の規模が大きくテレビCMなどもしているので、一般の人でも名前を聞いたことのある会社さんです。
大手ならではの安心感とブランド力がメリットです。
また、自社実験施設などを持っているなど、独自の製品開発などを行っているのも特徴です。
デメリットは価格です。
実際の工事はその地域の下請けの工務店やその地域の大工さんに委ねていますので、下請けの中間マージンなどのコストがかさみます。また、CMやモデルハウスなどの広告宣伝費、人件費がかさむなどが一番のデメリットです。
地域の工務店(エルハウスなど)
工務店と一口に言っても、大きく分けると、
・ハウスメーカーからの下請けメインの工務店
・直接お客様から受注して、間取りやプラン、図面を起こすこと、家を建てるすべてを自社でおこなう工務店
に分かれます。
ここでは、直接お客様から受注できるタイプの地域の工務店のこと言います。
特徴としては、それぞれの工務店ごとに味がありますが、共通して言えるのは、大手ハウスメーカーと比較すると仲介する業者が減るので中間マージンが少ないことや、モデルハウスやそこに常駐するスタッフがいなくて広告宣伝費を削減できるので金額的にリーズナブルな場合が多いです。
ただ、中には、この後出てくる設計事務所に近いような徹底的にこだわりの素材を使う高級路線の工務店もあります。
余談ですが一条工務店さんは『工務店』という名前ですが、大手ハウスメーカーです。
設計事務所
間取りやプランニング、図面など設計のみを行って、実際の工事などは下請けの工務店にお願いするのが設計事務所です。
ですので、設計のみで金額が発生します。
ハウスメーカー、工務店などは設計費用も建物の金額に含まれている場合もありますが、設計事務所は設計のみでビジネスをしていますので、設計費用は決して安くはありませんし、もちろん、工事の費用は工事の費用で別途でかかってきます。
設計だけでお金が発生するので金額は高いですが、普通の家とは一味違うデザインのかっこいい家などが欲しい人には向いているでぇそう。
ただし、設計事務所と言う名前でも、実際は、中身は工務店のように自社で現場監理を行う会社もあります。長野県ですとサンプロ設計事務所さんがそうですね。名前は設計事務所ですが、実際には工務店に近いと言えます。
フランチャイズ、パワービルダー
工務店などで、自社では宣伝などが苦手な会社はフランチャイズに加盟する場合もあります。
イメージとしては、マクドナルドやセブンイレブンです。
会社の看板を借りて、ノウハウを教えてもらい、CMなどの広報は本部が行うというタイプの会社です。
また、複数の店で一括仕入れを出来るので、コストダウンなども得意です。
特にすでに決まっている標準仕様の中で建てるとリーズナブルに建てられる場合が多いです。
フランチャイズとは少し違うのですが、工務店とハウスメーカーの中間の立ち位置であるパワービルダーと呼ばれる会社も、イメージ的にはフランチャイズの会社と似ていると言えるでしょう。
建物の構造の種類と特徴
住宅会社ごとに建物の構造も違います。また、構造ごとに特徴があります。
木造以外、鉄骨造、鉄筋コンクリート造
まず木造以外です。
長野県で建てる一般住宅の場合、木造が一番割合が多いのですが、鉄骨や鉄筋コンクリートなども一部あります。
大空間を作りやすいというメリットがあるので、ショッピングセンターや美術館のような大きい建物の場合、鉄骨や鉄筋コンクリートが多いです。一般住宅の大きさですと、コスト的なメリットのある木造が割合的には多いです。
特に鉄筋コンクリートの家=高級住宅ですね。
住宅では割合が少ないので本記事では詳しい内容は省略させて頂きます。
木造在来軸組工法
木造の中でも、昔ながらの伝統的な工法が在来軸組工法です。
在来は昔ながらという意味ですね。
軸組は骨組みで構造を取っているということです。縦の柱と横の梁、そしてななめの筋交いという木材で構造を取ります。
日本国内の半分以上の住宅がこの工法です。
構造的に間取りやデザイン面での自由度が高く、リフォームもしやすいといったメリットがあります。
比較的、大工さんの腕に左右されやすい工法でもあります。
木造 枠組壁工法(ツーバイフォー、ツーバイシックス)
元々アメリカで生まれた工法です。
軸ではなく、面で構造を取ります。ツーバイフォーという木材と合板を組み合わせた面を組み合わせて箱を作って行くようなイメージですね。
元々輸入された工法なので、マニュアルがしっかりとあり、施工する会社によっての差が少ないのがメリットです。安定して、高気密高断熱の家を作りやすいです。
工務店よりも大手ハウスメーカーなどの方が多い工法です。
プレハブ工法
工場である程度まで形を作って現場に持ってきて、クレーン車で積み木のように家を作って行くというイメージです。
木造より鉄骨造などで多いですね。
お金の面をきちんと寄り添ってくれるか
住宅会社を決める際に重要なのが『お金』です。
しかし、単純に安いから良いというわけでもないのが家です。
人生の3大支出は『住宅』『教育』『老後』と言われています。
住宅にかける金額は人生の全体に大きく影響が出ます。
見栄と贅沢だけで『住宅』に無理な金額をかければ、『教育』『老後』は必然的に節約しなくてはいけません。
家族でどんな人生を過ごしたいか、その中で家はどういう立ち位置にあるのか、どんな住まいでどんな風に生きていきたいのか。
そういった部分と合わせて月々の住宅ローンの金額などをじっくり相談出来るような住宅会社であることが重要です。
担当者が分からないことを分からないと言ってくれるか
住宅会社を選ぶときに重要なことの一つに、分からないことを分からないと言ってくれるかは重要です。
特に住宅に関する専門的な知識で、分からない部分が出てきたときに、うやむやにしたり、「できます!頑張ります!」と元気だけで乗り越えようとする担当者は困ります。
分からないことは、きちんと「分かりません。分かるものに確認します」と言ってくれる誠実な人かというのは重要です。
もちろん、分からないことだらけというのも問題です。
誠実で正直ということと、きちんと知識があって勉強している人か、担当者をしっかり見極めるのは重要です。
建てた後の修理、メンテナンスは?保証は?
家はずっと長く暮らすもの。
家を建てた後の修理やメンテナンス、保証なども非常に重要なポイントになります。
地域工務店は本社が近くにある分、後の修理などについても相談しやすい、ちょっと見に来てもらうなどがしやすいというのがメリットです。またその地域の同じ職人さんで工事している場合が多いので、修理なども早く対応してもらいやすいです。
逆にハウスメーカーは本社が遠く、建築の工事をするのも下請けの大工さんなので、同じ職人さんに修理を頼んだりするのは難しい場合が多いです。
その代わりに保証などを仕組みとして作ることや、24時間対応のコールセンターを作るなどの工夫があります。
100万円以上の値引きのある会社は注意!!
住宅会社によっては最後の最後で100万円以上の値引きを提案してくれる会社もありますが、そういう会社はちょっと注意が必要です。
言うなれば最初から、値引きできるようにあらかじめ金額を多めに言っているということです。
なので、値引きせずに買ってくれるAさんには高く売って、値引きしないと買ってくれないBさんには大幅値引きをして、という商売をしています。
そういう商売もあると言ってしまえばそうなのですが。
筆者は、人によって100万円値引きしたり、高くしたりというのは、不誠実かな、と思います。
少し余談になりますが、普通の買い物と違って、新築の注文住宅は売れ残りはないので、大幅な値引きやセールをする必要はないのです。
建売や分譲地などは一区画だけ売れ残りが出ることもあるので、大幅に安くなることもあります。
まとめ。家本体以外のところも。
住宅会社を決めるのは本当に難しい部分です。
特に昨今は住宅会社の数も種類も増えました。また、建築の専門的な部分も難しいです。
担当者の人柄だけで信頼するのも問題ですが、担当者は大きいです。
その会社が信頼できるか。
ちゃんとした建物を作ってくれるか。
家の性能はきちんとしているか。
特に長野県の場合、寒さ対策は大丈夫か。
自分たちの希望や要望をきちんと取り入れてくれるか。
家を建てた後のメンテナンスも安心して頼めるか。
家本体の性能だけじゃなく、担当者や建築会社が信頼できるかをしっかりと見極めるのが大事ですね。