ベタ基礎と布基礎の違いは?比較するとどっちが良いの?

住宅

こんにちは、長野県の工務店エルハウスのふくだです。
家を建てる上で大事なのが基礎です。地面の上に直接柱を立てて家を建てようとしても、雨で地面が濡れたりして簡単に家が傾くと困りますからね。鉄筋コンクリートで基礎を作ってあげて、その上に家を建てるわけです。
さて、その基礎の中でも住宅の場合、ベタ基礎布基礎というものがあります。
比較するとどっちが良いの?」と聞かれることもあります。
今回はベタ基礎と布基礎の違いを書いてみましょう。

ベタ基礎と布基礎の違いは?比較するとどっちが良いの?

ベタ基礎と布基礎、比較するものではない

まず、一番最初に結論から言うと、どちらが良いかと比較するものではないんです。
ベタ基礎というのは、家の下を全て鉄筋コンクリートで基礎を打ちます。言うなれば面で基礎を打ちます。
対して、布基礎柱の部分を線でつなぐように基礎を打ちます。
一般住宅では基本的には使われませんが、独立基礎というものは柱の下だけ島のように点で基礎を打ちます。

いっぱい鉄筋コンクリートを使っていそうだから、ベタ基礎が強そう!
と思う人も多いかもしれません。中には住宅業界の人でもそう思っている人もいるようですが、実際には鉄骨系のハウスメーカーは布基礎を使うことが多いです。業界最大手の積水ハウスは布基礎ですね。ちなみに積水ハイムはベタ基礎ですね。

また、住宅ではなく、商業施設などの大きな建物は基本的に独立基礎です。

一見、一番強そうに見えるベタ基礎木造住宅で使われることが多いです。
大きな建物、鉄骨系の住宅よりも軽い木造住宅ベタ基礎というのは意外と感じる人も多いかもしれませんね。

それぞれの基礎に特徴があるので、そういう使い分けになっています。

重い鉄骨系はベタ基礎じゃなくて布基礎?!

木造住宅より重い鉄骨系のハウスメーカーが布基礎を使うのは、簡単に言えば布基礎の方が深く、重い荷重には有利な構造なんですね。
布基礎の方が上からの大きい荷重を支えるのは得意という側面があります。
鉄骨系のハウスメーカーでもベタ基礎を使う会社もあります。
先ほども出ましたが、大手の代表である積水ハウスは布基礎ですが、積水ハイムはベタ基礎を使います。ちなみに鉄骨系の構造でベタ基礎を使うところは珍しいです。もちろん、鉄骨でベタ基礎を使う場合には、普通の木造住宅と同じベタ基礎では重い鉄骨を支えられないので、積水ハイムはベタ基礎でも鉄骨用に深くしていますね。
積水の基礎はどちらも変わった形状をしていますので、気になる人は調べてみると良いですね。さすがは国内最大手、基礎もこだわっています。

昔の布基礎は、布基礎以外の家の床下がすぐに地面だったので、シロアリやムカデなどの害虫が家に入るという問題がありました。床を開けると、すぐに地面が見えるという家ですね。しかし、今の布基礎は基本的には防湿コンクリートを床下全面に打ちますので、そういった心配はなくなりました。また、知らずに遠くから見るとベタ基礎のように見えます。
今でもごくまれに昔のような地面が見える布基礎をする小さい工務店もあるようですが、それはさすがによろしくないですね。シロアリのことを考えると、すぐに地面という昔の布基礎はよろしくないです。

木造住宅はベタ基礎が多数派

ベタ基礎で家を支えます。布基礎で家を支えるようなイメージですね。
重量の重い鉄骨系の家は柱部分に大きい力がかかるので、そこをしっかり支えやすい布基礎が有利でしたが、木造住宅の場合、重量が軽いので面で支えるベタ基礎が多数派になります。
ベタ基礎一番のメリット面で支えるので、地面との接地面積が広く地盤がゆるいところでも安定するというのがメリットですね。

家を建てる前には必ず地盤調査をしてから、必要であれば地盤改良をしてから基礎を打つのですが。
布基礎よりもベタ基礎の方が、弱い地盤でもOKという場合があります。
イメージとしては、
・ある程度以上地盤が弱いところ→地盤補強が必要
・ちょっと地盤が弱いところ→布基礎はダメ。ベタ基礎OK。
・地盤が強いところ→布基礎もベタ基礎もOK。
という具合です。
この部分が一人歩きして、「ベタ基礎の方が強い」という風説がはびこっています。確かにベタ基礎ならOKだけど、布基礎だと地盤改良をしないといけないという場合があるのは事実です。だからといって、どちらが強いということはないです。
ただ、確かに地盤改良は金額が高いので、出来るだけナシで建てたいですよね。

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地盤改良の詳細はこちらの記事も

ベタ基礎のデメリットはコンクリートがたくさん必要なので、コストが上がりやすいということです。
例えば、一条工務店などは、標準は布基礎だけど、地盤によってはオプションでベタ基礎に変更になるのですが、そこそこ良い金額がプラスされます。木造住宅なら最初からベタ基礎を標準仕様にしとけば良いのにとは思いますが。布基礎標準仕様っていうのは珍しいですね。

ただ、ベタ基礎の方が作業としてはシンプルで楽になりやすいという面もあります。
材料代はあがりますが、手間としてはベタ基礎の方が楽です。人件費って一番高いので、コンクリートの値段としてはベタ基礎の方が高いですが、トータルの金額では布基礎よりプラス数十万円くらいで収まるというイメージでしょうか。(会社によります。そもそも、木造はベタ基礎が標準という会社が多数派なので、オプションでプラスいくらっていう会社の方が珍しいでしょう)
基礎は打つ回数が多くなると、乾くまでの時間を待たないといけないので厄介なんですね。

ベタ基礎か布基礎かの比較じゃなく、それぞれの中で良し悪しがある

布基礎かベタ基礎かとついつい比較したくなりますが、基礎の種類が全く違うので比較するものではないですね。
むしろ、比較すべきなのは、ベタ基礎の会社同士で比較した方が良いかもしれません。

鉄筋の径ピッチ、基礎の深さなどですね。鉄筋の径というと、基礎の鉄筋コンクリートの中に通っている鉄筋の太さですね。ピッチとは鉄筋の間隔ですね。
ただ、鉄筋の径が太くて、ピッチが狭ければ良いというわけでもないんです。
鉄筋コンクリートとは鉄筋のメリットとコンクリのメリットを組み合わせているからこそ強いんですね。
極端な例ですが、鉄筋ばかりでコンクリートが少ないと、コンクリートの長所が発揮されなくなってしまいますよね。もっと極端に考えると、コンクリートが一切ないただの鉄板で基礎を作るとなると、コンクリートの特性がゼロになってしまいますよね。
お客様に分かりやすくアピールするために、
「当社の基礎は径が太くて、ピッチが狭いので頑丈です!」
というセールストークをよく聞きますが、大事なのはバランスです。
建築基準法通りの最低限で基礎を作っている会社もありますが、それぞれの住宅会社が鉄筋の径やピッチ、形状を考えています。
言葉では説明しにくいですが、耐震性を上げるためにハンチという構造を取り入れているメーカーもありますね。

耐震性、耐震等級などの詳細はこちら

しかし、バランスを考える上でもう一つ大事なことに金額もあります。
昨今は性能にこだわっている住宅会社が多いですが、オーバースペックというのも考えものです。
もちろん、専門的な視点で考えると「きちんと性能は上がっている!オーバースペックということはない!」という考え方もありますが、「基礎にお金をかけすぎて、他のところにお金がかけられない」というのは、やっぱり現実的に家を買うという時にはちょっと問題です。

とは言っても、基礎はとても大事です。

まとめ。ベタ基礎、布基礎、独立基礎、みんな違ってみんな良い。

ベタ基礎の方が強いんでしょ? 布基礎は弱いんでしょ?」という質問は多いですが、実際にはそれぞれにメリットがあります。
ただ、確かに今の木造の一般住宅ではベタ基礎が多数派ですね。
シロアリ、ムカデなどの被害を防ぎやすいということや、地盤が弱くて布基礎では建てられない場所でもベタ基礎でも建てられるということもあって、ベタ基礎が採用されることが多いですね。
建物の構造が鉄骨などの場合は、重量に強い布基礎も多いです。
また商業施設などの大きい建物は独立基礎も使います。
ベタ基礎、布基礎、独立基礎、それぞれに長所があるということですね。

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