グラスウールと発泡ウレタン、断熱材の違いとは?

住宅

こんにちは、長野県の工務店エルハウスの滝沢です。
お家づくりを検討されている皆さまは、断熱材って聞いたことはありますか?
断熱材はお家の断熱性能を決める重要なポイントの一つです。
特に、わたしたちの生活している長野県は、冬場の寒さがとても厳しい地域ですので、お家づくりを検討されている方も断熱性能を気にされる方も多いです。
一言に断熱材といっても様々な種類がありますので、よく分からないのではないでしょうか?
その中でもよく比較されるのが「発泡ウレタン」「グラスウール」です。
どっちが良いの?とお困りの方も多いと思いますので、今回は、それぞれのメリット・デメリットを整理してみます。
皆さまのお家づくりにお役立ていただければ幸いです。

発泡ウレタン?グラスウール?そもそも断熱材って何?

完成見学会や個別の相談会などに参加したことがある方は、「我社は断熱材に〇〇を使っています。」なんてセールストークを聞いたことがあるかもしれませんね。
暖かいお家をつくるためには、断熱材が重要なんだな、と何となく分かっても、断熱材ってどういうもの?どういう原理なの?という声もよくお聞きします。
ここでは、そんな疑問にお答えしたいと思います。

断熱材とは読んで字の如く、「熱」を「断つ」ための「素材」です。そのままですね(笑)部屋の中と外部との間で、熱が移動するのを防ぐ(弱める)ために天井や床下、壁の中に使用しています。

勿論、冬場だけでなく茹だるような暑さの夏にも断熱材は大活躍してくれます。
断熱材は外部気温の影響をできるだけ抑え、季節を問わず快適な室内空間を実現するための必須アイテムです。

断熱材の仕組みを知る前に熱の伝わり方を学ぼう

断熱材の仕組みについてお話しする前に、どのようにして熱は伝わるのかをお伝えしておきます。熱が何によって運ばれるかで大きく3つのパターンがあります。

「伝導」:物質により熱が運ばれる現象。物質により熱の伝わりやすさ(熱伝導率)が異なり、気体<液体<固体の順に大きくなる。鍋を火にかけると熱くなったり、氷を入れたコップが冷たくなったりするのも(熱)伝導によるものです。

「対流」:温度差によって生じた流体(液体や気体)により熱が運ばれる現象。お風呂を沸かすと上の方が温かく、下の方が冷たいが次第に全体が温まるのも対流によるものです。

「輻射」:放射線により熱が運ばれる現象。焚火やハロゲンヒーターが暖かいのは周りの空気を温めているのではなく、輻射熱が直接体に届いているためです。

熱は高温側から低温側に伝わり、両者の温度が等しくなるまで続きます。これを熱平衡といいます。

断熱材の仕組みは?

さて、これらも踏まえて、断熱材はどのようにして断熱効果を得ているのかを見ていきましょう。「断熱材を壁や天井に隙間なく詰め込めば良いんでしょ?」と思っている方、それはちょっと違います。実は、断熱材自体で断熱性能を取るのではなく、空気の断熱性能を利用しています。

【室温付近での熱伝導率[W/(m・K)]】
・アルミニウム 236
・木材 0.15-0.25
・空気 0.0241

YouTubeで見られる家づくり勉強会

ピンとこないと思いますが、空気はとても熱を伝えにくい物質なのです。ちなみに、一般的には建築用途の断熱材としては、熱伝導率が0.1W/(m・K)より小さいものを使います。

自然界に存在する高断熱性能の空気を有効利用するために断熱材は使われています。皆さんご存知のように、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に動きます。先ほど紹介した対流が起こるのです。そこで、断熱材の登場です。断熱材の役割は断熱性能の高い(熱伝導率が低い)空気をその場にとどめ、動かないようにすることなのです。

断熱材の内部には空気をとどめておくための小さな空間が無数に存在しています。グレードが高い断熱材は密度が高いので、さらに小さく部屋をより多く作ることができますので、断熱性能がさらに高まります。

断熱材には、「繊維系」、「発泡プラスチック系」、「天然素材系」と様々な種類のものがあります。その中でも良く比較される断熱材に「グラスウール(繊維系)」「発泡ウレタン(発泡プラスチック系)」があります。それぞれの断熱材についてのメリット・デメリットをご紹介いたします。

断熱材の種類①「グラスウール」のメリット・デメリット

断熱材業界の巨匠といえば…そう、グラスウールです。グラスウールはガラス繊維で作られた綿状の素材です。住宅業界で今、最も普及している断熱材です。

メリットとしては、安全性・耐久性・耐火性が高いことが知られています。そして、コストパフォーマンスにも優れています。「同じ断熱性能を得るために必要なコスト」を他の断熱材と比較すると圧倒的にグラスウールが安くなります。また、原料となるガラスはリサイクルされていることもあり、地球に優しいエコな断熱材でもあります。

デメリットとしては、防水性が低いことが挙げられます。それと関連してか、結露を起こしやすいと言われることもありますが、それは少し語弊があります。結露が起こるのはグラスウールだからではなく、正しい施工が出来ていないことがほとんどです。ここは施工する職人の腕が大きく関わってきます。

断熱材の種類②「発泡ウレタン」のメリット・デメリット

グラスウールとよく比較される断熱材として、発泡ウレタンがあります。初めから、板状に加工されたタイプ吹き付けてからモコモコと膨れ上がる充填式があり、充填式は1液性と2液性があります。1液性はホームセンターなどでもスプレータイプのものが売られていますので、個人の方でも気軽に利用ができます。その一方、2液性のものは専用の資格を持った職人さんでないと扱うことができません。

メリットとしては防水性・断熱性能が高いことが挙げられます。グラスウールと違って、多少の水濡れでも性能は落ちません(そもそも断熱材が濡れること自体が問題ではありますが…)。また、グレードにもよりますが、一般的に同じ厚みのグラスウールに比べ、断熱性能が高いです。また、壁の隙間を発泡ウレタンで埋めるので、多少の防音効果も期待できます。

デメリット価格が高い・耐火性が低いことが挙げられます。また、施工環境の管理も重要になってきます。極端に暑い日や寒い日など、温度や湿度をしっかり管理していないと施工不良に繋がります。

先ほど紹介したグラスウールにも言えることですが、やはり施工する職人の腕によって断熱性能は大きく変わってしまいます。

「発泡ウレタン」と「グラスウール」はどちらが良いの?

結局、どちらの断熱材が優れているの?それは、その人が何を重視するかによると思います(はい、ずるいですね笑)。発泡ウレタンにせよ、グラスウールにせよ、どちらもメリット・デメリットあります。それらを理解した上で、満足いくお家づくりを進めていただければと思います。
残念ながら、ハウスメーカーや工務店で使用する断熱材は決まっていますので、どうしてもこの断熱材が良い!と考えている方は、その断熱材を使っているハウスメーカーや工務店を探しましょう。
ちなみに、エルハウスは安全性、コストパフォーマンスの高さ、施工性の良さからグラスウールを採用しています。

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