ダブル断熱は本当に効果がある?プロの視点で考えてみたメリットとデメリット

住宅

こんにちは、松本、諏訪地域の工務店エルハウスのふくだです。
時々、お客様からダブル断熱って暖かいの?っていう話を聞かれました。
はい、暖かいです。ダブル断熱とは、家の壁の断熱材を内側外側のダブルに貼ることでとっても暖かいよ、というものです。
今回はそんなダブル断熱のメリット、デメリットのお話です。

ダブル断熱とは?

まずはダブル断熱とは?ということから説明していきます。
家の壁には断熱材というものが入っています。昔の家には断熱材がちゃんと入っていなかったので、冬になると寒くてどうしようもないという状態になりましたが、今の家は断熱材をしっかり入れているので、しばらく暖房を入れておけば、あとは暖かさが逃げなくて快適になります。

この断熱材ですが、壁の内部に入れるもの(内断熱)と、壁の外側から貼るタイプのもの(外断熱)があるのですが、これをダブルで両方するのがダブル断熱です。
ダブルで入っているので暖かいですが、単純に断熱材の値段もダブルです。
(厳密に言うと、外断熱の方が高い場合もありますが)

結果として、家全体の金額が高額になりやすいので、オプション扱いの住宅会社が多いですが、一条工務店など断熱性能にこだわる住宅会社では標準装備で採用されているところもあります。
また北海道などものすごく寒い地域でも採用されていることがあります。

ダブル断熱のデメリット

ダブル断熱のデメリットとしては価格面ですね。
断熱材を2倍使うので、価格が高くなります。
価格面で折り合いさえ付けばダブル断熱は暖かくて良いですね。

ダブル断熱にすることでUA値が良くなっても、体感できるほど暖かい?

ダブル断熱はその価格に見合うほど、体感できるレベルで家の中が暖かくなるかという点が難しいポイントです。

住宅の断熱性能を表す数値として、UA値というものがあります。
UA値は低くなるほど断熱性が高い、暖かい家という数字です。

私どもエルハウスの高断熱タイプの住宅では標準は内断熱のみとなっていますが、UA値0.43となっています。
これをダブル断熱にしたり、トリプルガラスを入れたりすると、0.40を切るように作ることも可能です。

しかし、ここのUA値を良くするためのコストアップに対して、実際に室内で体感する暖かさが大きく変わるかというと難しいところです。
エルハウスのUA値0.43の家でも、エアコンだけで家全体が十分暖かいです。
私の体感だけでなく、実際に見学会を開催して、来場して頂いたお客様がみなさん、
「エアコンだけでもこんなに暖かいんですね」
と言ってもらえます。

もちろん、ダブル断熱にすることで、UA値が上がれば、より少ない電気代で室内を暖かく保てます。
ただ、コストアップと節約できる電気代のことを考えると、ちょっと微妙なところではあります。

YouTubeで見られる家づくり勉強会

ダブル断熱にせずに、豪華なウッドデッキを付ける?

現実的には断熱以外でもお金をかけたいポイントはあるでしょう。広いウッドデッキを付けたい、庭をきれいに仕上げたいグレードが上のキッチンを入れたい。断熱だけにそこまでお金をかけて良いかどうかというのが、考えるポイントになります。

住宅の熱が外に出るのは窓が一番多いです。窓と比べると、ダブル断熱にしない普通の壁でも、ある程度しっかり断熱は取れているというのが事実です。窓を少なくする方が、断熱としての効果は見込める場合もあります。
もちろん、ダブル断熱は効果があります暖かいです。しかし、価格のことを考えると、そこまで必要かというところがポイントになります。
そして、寒さについては人によって感じ方も違うというのが難しいところです。

実際にダブル断熱じゃない家を体感してみる

ここのデメリットをどう判断するかの基準は、ダブル断熱じゃない家に冬に遊びに行くというのが、一番でしょう。友人の家でも良いでしょうし、メーカーのモデルハウスや完成見学会などなどでも良いでしょう。寒い時期に行ってみるのが大事です。
ダブル断熱の家は行かなくても暖かいことは分かりますので、「ダブル断熱じゃない家は寒くて困るだろうか」というポイントを確認するのが大事です。

ダブル断熱以外の断熱も考える

ダブル断熱以外で家を暖かくする方法として、窓のグレードを上げるという方法があります。
多くの住宅会社の標準仕様の窓はペアガラス(二重ガラス)ですが、これをトリプルガラスにしたり、二重窓にするという方法もあります。窓は熱が多く逃げる場所でもありますので、効果が期待できます。
大きい窓ほど熱が逃げますので、リビングの大きい窓だけでもグレードアップするというのも良いでしょう。

床で断熱しているか基礎断熱か?

また、壁の断熱だけじゃなく、床の断熱も大事なポイントです。
床で断熱を取っているか、基礎で断熱を取る基礎断熱かによって、床の冷たさは変わります。
床の断熱については単品でのグレードアップというより、その会社が基礎断熱を採用しているかどうかの違いですので、問い合わせてみると良いですね。

筆者の所属するエルハウスでは、ノーマルの住宅は床で断熱を取っていますが、高断熱のラインナップでは基礎断熱を採用しています。
冬場に行くと分かりますが、基礎断熱の家は足の裏がひんやりしません
床暖房のようにポカポカするというイメージじゃなく、床が冷えない、室温と同じで自然な温度というイメージですね。床暖房は電気代がかかりますが、基礎断熱は単純に断熱の違いなので電気代がかからないというのも良いポイントです。

床が冷たくないと、部屋の中で寒さを感じにくいので、床で断熱しているか基礎断熱になっているかも大事ですね。

断熱材だけじゃなく気密性も

また、断熱材にばかり気を取られていると忘れがちなのですが、気密性が低いと空気自体がもれてしまうので、一緒に暖かい空気も抜けてしまいますよね。
「ダブル断熱=最高!」というわけではなく、気密性も併せてトータルで考えないといけません。
(一般的にはダブル断熱の家ですと暖かさにこだわっている家なので、気密性も高い場合が多いですが)
断熱に限らず、家はバランスが重要です。

まとめ。ダブル断熱はコスパが良いか?

ダブル断熱ってどうなの?というお話でした。
暖かいという点では良いのですが、金額面で考えると、人によって価値観が分かれるところでしょう。
ダブル断熱が暖かいのは間違いないのですが、それだけの金額を出す価値があるかは、その人の価値観次第です。その程度の金額で暖かさが手に入るならコスパが良いと感じる人もいるでしょうし、そうじゃない人もいるでしょう。
どの程度まで断熱が必要かは人によって違います。自分たちにとって何が本当に大事か?優先順位をよく考えるのが大事ですね。

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