こんにちは、松本、諏訪地域の工務店エルハウスのふくだです。
「注文住宅と建て売りって、やっぱり注文住宅の方がオーダーできる分高くなるんですか?」
そんな質問って多いですよね。
確かに普通の商品の場合、オーダー品って高くて、既製品って安いですからね。住宅の場合、どうでしょう?
今回は注文住宅と建て売り住宅、どっちが安いか考えてみましょう。
建て売りが安いかどうかの価値基準を決める
どっちが安いかを見てみる前に、『家にとって安い』とは何かの基準を考えてみましょう。
服なんかの場合でもそうですが、安いの基準って人によってかなり違います。
「ユニクロって安いよね」と思う人と「いや、ユニクロで使い捨てみたいな服買うなら、ちょっと値段出してしっかりした服を買った方が長く使えるから、結果的に安いよね」と言った具合で人によって『安い』の基準って違います。
ちなみに筆者個人としてはユニクロは安いですけど、プライベートで着るアウターとかはユニクロはあまり使いません。特にダウンなんかは倍の値段出してもモンベルなんかのアウトドアブランドで買った方が長持ちする気もしますし、暖かい気もしますし、何より単純に好みとして好きです。
でも、ヒートテックなんかは安くて良いですよね。島村の肌着も安くて良いですよね。ワークマンの肌着は耐久性もあって良いですよね。
はい、そんな具合で価値基準って人によって様々です。
ただ、服と違って住宅の場合、何回も買うものじゃないので、価値基準ってほとんどの人が持っていません。価値基準とは経験値の積み重ねから得られるものです。特に失敗する経験の数で人間は学ぶものです。
住宅の場合、失敗すると悔やむに悔やみきれませんよね。
どんな家を建てたいか、家に求めるものは何なのかのイメージを膨らませることがとても大事になります。
建て売りより注文住宅の方が安いって本当?
注文住宅は高価なイメージがある人もいますが、どこの会社で建てるかでかなり変わってきます。
大手ハウスメーカーの建て売りと、地域の工務店の注文住宅やローコスト系の注文住宅だと、ローコスト系の注文住宅の方が安いです。
これが昨今、世にはびこる『注文住宅の方が安く建てられた』というフレーズの正体です。
全く同じ条件、大手ハウスメーカーで建て売りを買うか、大手ハウスメーカーで注文住宅を建てるかという話になると、建て売りの方が安い場合も多いですね。
実際には全く同じ土地って無いですので、全く同じ条件で建てることは無理なので比較することは難しいのですが。
建て売りが安くなる要素と言いますと、その分譲地の中で規格を揃えてしまって、ロットで注文をかける分、いくらか安くなるといったところです。
ただ、服などの普通の商品と違い、住宅の材料って元々業者間でしか取引がないので、「まとめて買ったから半額になった!」ということは起きません。いくらか安くなる程度の話です。
また、施工する大工さんもまとめて数件やるから半額にしますよ、っていうわけにもいきません。
それでも、いくらかは安くなるのは事実です。
ただ、いくらか安くなった分が、実際の販売価格に反映されるとは限りません。浮いた分を利益として取るか、お客様に還元するかどうかは、その会社の判断次第ですからね。
逆に建て売りは売れ残るリスクがありますので、その分も計算して価格設定しないといけません。
また売れるまでの間は会社の在庫として持つことになるので、そのリスクも計算する必要があります。
なので、建て売りだからものすごく安いとは限らないんですね。
建て売りのメリットは安いよりも
「じゃあ、建て売りってあまりメリットがないの?」
と聞かれますと、そういうわけでもありません。
建て売りは買う前に現物が見られるので安心です。
そして、金額も分かりやすいです。
土地の価格はもちろん、駐車場などのコンクリートを打つ工事や塀などの工事を外構工事と言いますが、そういうのも全て完成した状態で見られて、値段も明示されているのでとても分かりやすいです。
また、何軒かの家をまとめて分譲地として企画するので、その区画内でちょっとした公園があったり、緑化されていたりなどのメリットがあることも。
特に昨今の建て売りはそういう面に力を入れていますね。
車の入れやすさについても考慮して区画の割り方、道路整備されていることが多いですね。
安いというメリットでいうと、最後の売れ残りがあれば安くなることがありますね。
北側なので他の物件と比較するとちょっと日当たりが良くないなど。
単品で見ると気にならないことでも、同程度の価格で同じような家が並んでいると、どうしても比較してしまうので条件の悪い物件は残ってしまいます。
残ると安くなります。
あるいは、残りそうな物件は最初から先着1名様限定などと銘打ってキャンペーン価格になって出たりします。
「◯◯円〜。好評分譲中!」と言った具合で宣伝にも使いやすいですからね。
余談ですが、筆者の実家は分譲マンションのキャンペーン価格の商品でしたので、驚く程安かったですね。(私じゃなくて両親が買ったのですが)
大規模なマンションや分譲地では、目玉商品が出ることも少なくないので、安さを求める人はしっかりチェックしとくと良いですね。
そういう物件を狙えば建て売りは比較的、安く買えるというメリットがあります。
ただし、大手ハウスメーカーなどの物件ですと元が高いので、安くなったと言っても、地域の工務店やローコストビルダーなどの物件の方が安いということもあります。
注文住宅って本当に安いの?
注文住宅って本当に安いの?
という問題ですが、会社によりますが、安く建てられる会社もあるというイメージですね。
間取りなどが完全に決まっている規格住宅の方が安いです。建て売りと違って、間取りなどだけが決まっているので、土地などは自分たちで決めて建てられます。
注文住宅は間取りが自由に組めます。
スキップフロアや吹き抜けなどの特殊なことでも基本的に自由に配置できます。構造上どうしても柱が必要な場所などでいくらか制約はありますが、基本は要望通りに家をデザインできます。
また、断熱材や床暖房などの家の性能に関しても全て指定が可能です。
そういうことを考えると、注文住宅は価値があります。
やっぱり自分たちが一生住む家ですので、自分たちでオーダーメイドで作れるっていうのは価値あることです。
なおかつ、大手ハウスメーカーじゃない、地域の工務店やローコストビルダーなどでお願いすると、大手メーカーの建て売りよりも安く買えるのですから良いことだらけですね。
大手メーカーで注文住宅を建てると高いけど
もちろん、大手メーカーで注文住宅を建てれば高いです。
ただ、大手メーカーの良いところは、親族なんかが安心しやすいということじゃないでしょうか。
家を建てる時に、今の若い世代の人の場合、大手メーカーのネームバリューとかってあまり気にしない人も多いですが、そのご両親となると、
「そんな名前も聞いたことがないところで建てるより、積水みたいな有名なところで建てた方が安心じゃないの? その分のお金だったら援助してあげるよ」
というのはよくある話ですね。
実際には大手メーカーの家も、結局工事をするのは下請の地域の工務店だったり、地域の大工さんという場合が多いので、値段は随分違うのに中身は大して変わらないという場合も多いのですが。
そういうのって業界の人間じゃないと分かりませんからね。
それでも、家を建てる時に『安心』というのも大事な要素です。
家族や親類の理解は重要です。資金を援助してもらう場合はもちろんですが、そうじゃなくても、やはり一生の買い物ですからね。
周囲の人の理解と自分たちの要望がきちんと合致するというのはとても大事ですね。
注文住宅は建てる会社をきちんと選ぶというのが一番大事です。
金額としては一番安いローコストの規格住宅
注文住宅に対して、規格住宅というものもあります。
これは間取りなどは決まっていて、一部だけオプションで変更できるというタイプのものです。
金額が分かりやすいということ、モデルハウスを見て実物がイメージできるという点では建て売りに似ていますね。
注文が確定してから建築するという意味では注文住宅と同じですね。
また、オプションを選ぶことで注文住宅ほどではないですが、カスタムが出来るというのもメリットです。
そして、昨今の規格住宅はとにかく安いところが増えています。
カタログなんかで見ると、「お、これは凄いな」という価格ですよね。
実際にはオプションを付けていくと、ある程度の価格にはなるのですが、それでも十分安いですね。
なおかつ、有名建築士にデザインを頼むなどして、外観などに気を配っている会社も増えてきていますね。
ローコストの注文住宅メーカーよりさらにもう少し安いというイメージで良いでしょう。
規格住宅にすると、打ち合わせの回数が減らせますし、設計の手間も無くせます。
注文から完成までが早いのはメリットですね。
さらに大工さんも同じ工程で慣れてきますので、後期短縮、マニュアル化もしやすいです。
まさに合理化ですね。
ただ、やはり自分で間取りを作れないということが規格住宅のデメリットですね。
人生で一回きりの買い物ですので、自分の好みで家を作れるというのはとても重要です。
まとめ。建て売りのメリットは安さよりも分かりやすさ
建て売りと注文住宅、そして規格住宅についても書いてみました。
オーダーメイド=高いというイメージがありますが、住宅の場合、意外とそうでもないんですよね。
建て売りの最大のメリットは分かりやすさと、すぐに買えるということでしょう。
注文住宅にせよ規格住宅にせよ、土地から選んでいくので時間もかかりますし、大変でもあります。建て売りは土地まで全て決まっているので、普通の買い物みたいに、現物を自分の目で見て買えます。
注文住宅は、そういう意味では一番大変ですが、プロとじっくり相談しながら作っていく家は感動がありますね。