こんにちは、編集長の福田です。
先日、ご相談で、
「A社とB社、どっちの方が、高性能で良いものを使っているんですか?」
というご質問を頂きました。
でも、実は標準仕様が高性能だったり良いものというのは必ずしも良いこととは言えないのです。
どうしてなのか?
今回は、標準仕様の考え方についてのお話です。
セットでポテトとコーラはいかがでしょうか?
なぜ標準仕様が高性能だったり良いもの過ぎると問題かというと、どんな買い物でも共通なのですが、自分達が本当に必要じゃないものは買わない方が良いからです。
例えば分かりやすいのが、マクドナルドです。
単品で本当に自分の必要なものだけ選んで、
「テリヤキバーガーとコーラ下さい」
って注文する人って少ないですよね。
多くの方がテリヤキバーガーセット下さい、とセットで頼みます。
マクドナルドは非常によく考えられたシステムでこれを実現しています。
マクドナルドってメニューがレジのところにしかないですよね。
そして、だいたい列が出来ている。
自分の番が来る。後ろには次の人が待っている。
メニューの細かいところを見て、単品で選ぶゆとりがないので、
「じゃあ、これのセット下さい」
と一言で注文することになるのです。
もちろん、セットの方がいくらか安いですし、店としても、セットで注文してもらうために、一番満足感の多い量、味のバランスとなるように作っています。
さらに、セット化することで、店の作業効率も上がるので、より短時間で多くのお客様を対応できるので、利益が増えるので、より安く、より良いものを提供できるようになるとも言えます。
なので、両者にとってメリットが多いシステムとも言えます。
ただ、本当のところは、不必要なものは買わない方が良いはずなのです。
特に食事は、食べれば消えてしまうもの。目の前にあれば、特別多すぎない限りは全て食べ切るもの。
腹八分目とも良いますが、自分が食べたいなと思ったものだけ選んで注文する方が良いはずです。
標準仕様というのは、言うなればセットです。
本当に自分達が必要なものであれば、セットで買うべきですが、過度に良いものがついている場合は、外してもらった方が良いです。
ただ、標準仕様は標準なので、マイナスにするのは難しいといわれることもあるでしょう。
だから、標準があまりに良過ぎるというのは、ちょっと考えものなのです。
魔法は存在しない?
また、この手のお話には必ず、
「同じ金額なら、出来るだけ良いものを買いたい」
という消費者心理があります。
ただ、同じ方法で家を作れば、良いものが標準で付いていれば金額は高くなります。
いかに安く作るかが、住宅会社の工夫です。
例えば、広告宣伝費を削ったり、不要なショールームを作りすぎないなどの方法があります。
全国展開しているブランド力のある会社は、そういう部分がお高いです。
ただ、そうじゃない、地域の会社の場合は、その辺りは大きな差はありません。
もちろん、小さいところもコツコツ削減する努力をしている会社の方が良いですが、大手メーカーとの価格差ほどのものは生まれません。
ですので、標準装備が良い=金額が高くなります。
あるいは、金額が同じなのに、標準装備でいいものが付いている=別のどこかが安くなっているという可能性があります。
例えば、キッチンが良いものが付いていたら、その分、断熱は安いものが付いているだったり、最後見えなくなる部分の作業を一つ省略することで、金額を合わせているなどの可能性があるかもしれません。
とにかく魔法ではないので、同じ金額なのに、標準ですごく良いものが付いているという場合は、少々注意が必要です。
樹脂ペアガラスが良いか? 樹脂トリプルガラスが良いか?
ぱっと聞くと標準装備がトリプルガラスの方が良いように聞こえます。
ただ、やはり魔法はありません。
同じ金額の会社の場合、樹脂ペアガラスの会社を強くオススメします。
というのも、トリプルガラスは金額の割に性能差が大きくないからです。
高価なトリプルガラスにするために別の部分を安くしているはずなので、総合的に家全体で見た時に、バランスが悪くなっている場合があります。
とは言え、最終的には全体の価格にもよります。
高価格帯の住宅になれば、窓もトリプルガラスが入っている方が良いでしょう。
ただ、高価格帯でなければ、窓は樹脂のペアガラスまでが良いと思います。
トリプルガラスはもう少し値段が下がらないと、高価格帯以外では、ちょっと難しいかなというのが今の時代の実情ではないでしょうか。
ハイグレードなキッチンが標準で選べます!
キッチン周りも注意が必要な部分です。
特にキッチンは目で見て分かりやすいですし、奥様のハートを掴む部分です。
キッチンが標準でいいものが選べるから、この会社に決めたという人もいるかもしれません。
ただ、当然ですが、良いキッチンの金額の分、どこかを安くしている可能性もあります。
あんまり標準にこだわらず、本当に欲しいキッチンはお金を出してアップグレードするというのも良いと思います。
標準仕様で見るよりは実際に完成した家を見るのが一番良い
標準仕様がいいものか、高性能なものが付いているかを見るよりも、実際に完成した家を見るのがとても大事です。
というのも、特に注文住宅の場合、標準仕様で建てる必要はないのです。
こだわりたい部分は自分の好きなものを選んだ方が良いです。
実際に完成した家は、標準以外のものも多かれ少なかれ入っているはずです。
その会社で実際に建てた家、標準以外のこだわりも入れて完成した家の雰囲気が良いかどうか。
それは、その会社の「家づくり」が総合的に見て、上手かどうかが分かります。
逆に言えば、どんなに標準仕様が良かろうと、完成した家に魅力を感じられない会社は、相性が悪い可能性があります。
もちろん、見学した家が偶然、自分達の好みじゃなかったという可能性もあるので、即断してはいけませんが。
それでも、やはり完成した家こそ全てです。
完成した家を見せてもらって、その会社で建てたいと感じるかどうか。
あまり細かいカタログスペックなどの囚われすぎないのが大事です。