太陽光発電で損してしまう4つのパターン。得する3つのパターン。

編集長の福田です。
2023年、電気代の高騰に伴って、太陽光発電の需要が増えてきています。
しかし、太陽光発電って、本当に得なの??というのは実のところ、かなり難しい話です。
中には逆に損してしまう人もいるのが事実です。
今回は太陽光発電を乗せたほうが得になる人、逆に損する人についてです。

YouTubeで太陽光発電で損する4つのパターンをチェックする方はこちらからどうぞ

太陽光発電を乗せると損する4つのパターン

太陽光発電を乗せると電気代が安くなるからお得と考える人は多いです。
しかし、実は、太陽光発電を買う金額と最後の処分費、パワコンの買い替え、ローンの利息などを考えると損する人も多いです。

太陽光発電は、金額の面では、設置コストを回収しきれなくて損になる可能性もあることは知っておくことが重要です。

ポイントは、売電収入と、自宅で消費できる分のバランスを考えることが重要です。

発電しても使えなかった電気は売ることになります。
この金額が昔よりもかなり安くなっています。
なので、売る電気が多い人は得しない場合が多いです。

逆に、自宅で消費できると、買う電気を減らせます
買う電気の金額は近年上がってきていますので、買う電気を大きく削減できれば、得になる可能性は高くなります。

損するパターン1 夫婦共働き

太陽光発電で損する可能性が高いのは、夫婦共働きの家庭です。
太陽光発電が電気を作る日中に家に誰もいない=太陽光発電の電気を自宅で使えない=売る電気の比率が多くなり損しやすいです。

損するパターン2 断熱性能の低い家+ソーラー

断熱性能の低い家にソーラーを載せる人が時々いますが、断熱性能とソーラーの場合、優先順位は断熱です。
(ただし、G3を狙うなど過度な断熱は逆にコスパは悪いですが)
断熱は24時間効果があります。断熱が良ければ冷暖房を減らせて、電気代を減らせます
ソーラーは晴れた日の日中にしか使えません
昔は売電が高かったので、日中に発電して使い切れなかったものもしっかり収入にできましたが、売電が安く、買う電気代が高くなっているので、夜間の冷暖房の電気代が厳しくなっています。

断熱性能が低くてソーラーを載せている家は昼の冷暖房についてはソーラーの恩恵が受けられますが、夜は恩恵がありません。
特に長野県の場合、冬の夜の暖房費は馬鹿になりません。
断熱性能が低いとたくさん冷暖房を動かさないといけないため、トータルで見ると損になりやすいです。

ソーラーにお金を使うなら断熱性能にお金を使う方がメリットが大きい場合もあります。
ただ、過度に断熱にお金をかけすぎると、得になる光熱費よりも最初のコストが高くなってしまうこともあります。

損するパターン3 周辺に背の高い建物があったり平屋だったり

太陽光発電は一部でも影になると、発電量がガクッと落ちます
影になっていない部分だけで発電してくれるわけではありません。
パネル何枚かがセットになっていて、その一部が影になると、セットのパネルの発電が止まってしまうのです。
また、一日中、日陰になることはなくても、一日の二時間ほど日陰になる場合にも、発電ロスが大きく、元の設置コストをペイできなくなる可能性が高いです。

平屋や、周辺に背の高い建物がある場合には注意が必要です。

損するパターン4 住宅ローンの金利がかかる

この部分を見落としている人は多いのですが、ソーラーでいくらか利益が出たとしてもローンの金利の方が高くなってしまう人は多いです。
住宅ローンで太陽光を乗せると、当然ですが住宅ローンの金利がかかります。

YouTubeで見られる家づくり勉強会

今は金利が安いですが、そうはいっても35年もの長期間、複利で金利がかかりますので、それなりの金額になります。

例えばですが、100万円を金利1%で35年返済すると利息は18万円程度かかります。
ソーラーでそこまでの利益が出るのは多くありません。

ローンの金額を増やしてまでソーラーを載せるのはリスクが大きいと言えます。

ソーラーで得になりやすい人

売電が安くなっているのでソーラーで得になる人は減りつつありますが、それでも、得になりやすいケースもあります。

得になりやすい1 日中に家にいる パートタイムや在宅勤務

ソーラーの恩恵が大きいのは日中に家にいて電気を使う人です。
奥様がフルタイムじゃなくて、週に何日かだけパートに行くような家庭や、リモートワーク、在宅勤務の人もそうでしょう。また、お仕事を引退されている場合も日中に家にいて、ソーラーの電気を有効活用できるケースが多いでしょう。

得になりやすい2 高断熱+24時間連続冷暖房

高断熱住宅では、エアコンを24時間つけっぱなしで使うのが効果的な家も多いです。
24時間連続でエアコンを使うなら、お昼の時間にソーラーで発電していると相性が良いです。

特に全館暖房の場合、24時間、使っていない部屋まで暖房するとかなりの電気を使いますので、ソーラーは相性が良いと言えます。

得になりやすい3 家庭用蓄電池や電気自動車との併用

昨今は災害時に備えて家庭用蓄電池を設置する家も増えてきました。
まだ蓄電池の金額が高いため、金銭的なメリットは少ないですが、災害が増えているので、需要は増えてきています。

蓄電池を付けるなら、ソーラーは付けた方が良いでしょう。
ソーラーを付けたから蓄電池も付けるは損になりやすいですが。
繰り返しますが、蓄電池で金銭的なメリットを作るのは今の蓄電池の価格を考えると難しいでしょう。
あくまで災害時の対策として設置するものです。

電気自動車についても、今はまだ高価ですが、これからぐっと増えてきて価格も安定する可能性があります。
日中に電気自動車を充電できそうでしたら、ソーラーとの相性はバッチリです。
(※日中、仕事などで外出していて充電できない場合はソーラーとは相性は悪いです)
実質、燃料費ゼロ円を実現できる可能性もあります。

まとめ。損になる可能性があれば後から付ける判断も

太陽光発電が損になるかもしれない、というお話でした。
ポイントとしては、無理して急いで設置する必要はないということです。
ソーラーは後からでも設置できます。
新築の時だからといって、劇的に安く設置できるんけでもありません。
新築時にセットで乗せる必要性はないのです。

実際に、住宅の屋根を見ても、ソーラーを乗せていない家は多いですよね。
もし、仮にソーラーが得になるとしたら、すべての家の屋根にソーラーがあるはずです。

ソーラーは災害時の発電や、石油エネルギーへの依存からの脱却などメリットも多いです。
ただ、やはり火力発電と比較して、金銭的なメリットは多くないのが実情です。
(ソーラーが火力発電より金銭的なメリットが多ければ、国内の火力発電所がもっと減って太陽光発電所がもっと増えている)

自分たちのライフスタイルと合わせて、本当にソーラーがメリットがあるかどうか考えてから、設置を検討するのが大事です。

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