こんにちは、編集長の福田です。
「エアコンって一日中付けっぱなしにしている方が安いんですか?」
というご質問を頂きました。
特に長野県は寒いので、暖房を、いかにして安くできるかというのは注目したいところです。
特に高断熱の家ではどうでしょう?ということもあわせて、今回は考えていきましょう。
使い方によってはエアコン付けっぱなしの方が高くなる場合も
このエアコンは付けっぱなしの方が安いかという質問はかなり昔からあるもので、諸説あります。
実際に実験している情報も中にはありますね。
↓エアコンメーカーのダイキンさんの情報
https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05/page02
↓割と分かりやすくまとめてくれているのがこちらのページ
https://www.toell.co.jp/blog/?p=6022
ダイキンの実験の結論から言いますと、こまめにオンオフし過ぎると逆に高くなりますが、上手にオンオフするのが一番安くなるようです。
実験的に30分ごとにオン、オフを繰り返すと、付けっぱなしよりも高くなるようです。
つまり、
「暖かくなったら消して、寒くなったら付ける」
という使い方は一番電気代を使ってしまいます。
寝ている間、昼外出している間は消すというように、長時間消す+オンオフの回数も少ない場合は、安くなる場合もあるようです。
ただ、これも、どの程度の時間、電源を切るかによっても変わってくるでしょう。
長野県のような寒冷地の場合は、また違った結果になる可能性も高いでしょう。
寒冷地では霜取り運転(屋外機を暖めて霜を取る運転)も必要なので、どうしても電気代は高くなります。
設定温度や使い方によっても違いはあるので、一概に「付けっぱなし=安い」とは言えません。
同程度の電気代なら付けっぱなしで暖かい室内?
使い方によっても違うので、エアコンは付けっぱなしの方が安いか、ということに対しては確実な結論は出せませんが。
ただ、付けっぱなしでも、ものすごく高いわけではないということを考えると、
「それなら、付けっぱなしの方が家の中が快適だから、付けっぱなしが良いな」
という考え方もあります。
おそらくですが、「付けっぱなしの方が安い」説は、
「ちょっとした電気代の差で、家の中が快適なら、安い! 価値がある!」
ということじゃないでしょうか。
それが、人づてに話が伝わるに従って、
噂に尾ひれがついて、付けっぱなしの方が安いという噂になってしまったものじゃないかと推測できます。
ただし、エアコンの使い方によっては、付けっぱなしにすると、ものすごく電気代がかかる場合もありますので、注意は必要です。
高断熱の家はエアコンつけっぱなしが良い?
さて、さらに考えていくポイントとしては、昨今の高断熱の家の場合です。
高断熱の家の基準としては、断熱等級5(Zeh基準)クリアと想定します。
高断熱の家とは、暖かさを閉じ込めることが得意な家ということです。
なので、暖房を切っても、そこまで急激に室温が低くなりにくいのです。
そう考えると、エアコンを切ってしまっても良いんじゃないかとも思うのですが、付けっぱなしにしておいても、家の保温力が高いので、さほど電気代がかからないので、付けっぱなしにして、家の中を快適に保っておくという使い方も可能です。
付けっぱなしと、オンオフを繰り返すことによる電気代の差は、前述のとおりですので、高断熱の家では、付けっぱなしにしておく方が、トータルでの満足度は高いと言えるでしょう。
逆に高断熱ではない家の場合は、熱が逃げていくのが早いため、エアコンで暖房し続けていると、かなり電気代がかかる可能性があります。
しかし、エアコンを切ると、家の温度が下がりやすく、それをまた暖めるにはかなりの電力が必要になります。
家の断熱性能次第ですが、エアコンつけっぱなしでどの程度電気代がかかるか観察しながら、〇時間以上の外出の時には切るというような使い方も検討してみるのも良いでしょう。
エアコンを完全に切らずに設定温度を下げる
付けっぱなしにしていても、さほど電気代は変わらないとは言っても、やっぱり抵抗感のある方は多いのではないでしょうか。
そういう場合には、完全に切らずに設定温度を下げるという方法もあります。
部屋に人がいる時は、自分たちにちょうどいい温度に設定して、
寝るときや、外出時には、少し温度を下げるといった使い方です。
(ただし、これもあんまりこまめにやり過ぎると逆効果になります)
エアコンを完全に切ってしまうと、温度が下がり過ぎて、それを暖め直すのに電気も使いますし、温まるまで待つのも難儀です。
かといって、誰もいないのに、あんまりしっかり運転させるのもちょっと・・・というのはその通りなのです。
設定温度を下げれば、人がいない間の無駄な電気代も減らせますし、完全に切ってしまうほど温度が下がりませんので、快適性もそこまで落ちません。暖め直すための電気代も少なくて済みます。
太陽光発電がある家は晴れた昼にはしっかりとエアコンを使う
また、太陽光発電を搭載している場合は、晴れた昼間にしっかりと家を暖めるのも有効です。
太陽光がしっかり発電している間は、無料で電気を使えるので、昼間は外出中でもエアコンはつけっぱなしにしておいても良いでしょう。
夜、寝る間は切ってしまって、また、昼にしっかり家を暖めるという使い方も考えられます。
ただ、夜間、エアコンを消したら、かなり寒くなるということであれば、トイレに行く際などにヒートショックを起こす原因にもなりますので、あまり寒くなるようでしたら、付けっぱなしにする方が良いかもしれません。
また、太陽光発電の場合、夜間電力の安いプランを採用している場合も多いので、夜も、あまり気にせず付けっぱなしにするのも良いかもしれません。
エアコンと灯油ストーブと併用する
エアコンの使い方も付けっぱなしと、オンオフするなど実際にいろいろ試してみたけれど、やはり夜と、昼の外出中はエアコンはオフにした方が安くなる家庭もあるでしょう。
(家の断熱性や、全員が留守の時間の長さ、エアコンの設定温度などの要因が考えられます)
ただ、温度が落ちてしまったのとエアコンで急激に暖め直すのはかなり電気を使います。
エアコンは、そこそこの暖かさをちょっとずつ出すのは得意ですが、ストーブなどのように急激に高温を作ることは苦手な暖房器具だからです。
ですので、エアコンをオフにして、家が寒くなってしまい、早く暖め直す必要がある場合には灯油ストーブも使うと効率よく暖められます。
また、エアコンで20度以上に室温をキープしても、ストーブ特有の熱源の近くの暖かさの快適性が欲しいと感じる人も多いですので、ストーブも併用して使うことで、より快適に、金額もリーズナブルに暖房できます。
高気密の住宅では灯油ストーブはダメ??
灯油ストーブの話については、時々、プロの人でも間違えている人がいますが、
高気密の住宅では灯油ストーブは使ってはいけないと思っている人もいます。
高気密の家でも、きちんと24時間換気が動いていれば、灯油ストーブを使っても大丈夫です。
そうじゃないと、高気密の家ではキッチンでガス火を使えなくなってしまいます。
高気密の家では、ストーブを使わなくてもエアコンだけで十分暖かくなるように高断熱高気密で作られている家が多いので、
「ストーブを使わなくても、エアコンで暖房すれば十分ですので。空気が汚れにくいエアコンを使うことを推奨します」
というのが正確だと言えるでしょう。
でも、実際には高気密の家でも、問題なく灯油ストーブは使えます。
ただし、24時間換気は切らないことと、通常の住宅と同様に灯油ストーブを使う際は、定期的に窓を開けて換気を行うようにしてください。
まとめ。「エアコンは付けっぱなしの方が安い」は嘘ではないけれど。
エアコンの付けっぱなしの方が安いにまつわるお話でした。
ダイキンさんの実験が、数値も明確に出ていて、非常に参考になります。
ダイキンさんの実験通りだったら、エアコン付けっぱなしでも、快適性を考えると十分に安いと言えそうです。
しかし、長野県の場合、非常に寒いので、全く同じ結果にはならない可能性も高いです。
そもそも、長野県の場合、断熱性の低いアパートなんかだと、エアコンを付けていても、外に逃げる熱の方が多くて、部屋の中が暖まりません。
ある程度の断熱性能がないと、エアコンで暖房するのは難しいとも言えます。
家の断熱性能以外にも、昼に全員留守にしている時間が長いかなど、ライフスタイルでも変わります。ストーブを併用したり、エアコンを完全にオフにせず設定温度を下げるなども組み合わせてみるのも試してみて、電気代と快適さのバランスの良いところを探していくのが大事ですね。