こんにちは、松本、諏訪、伊那地域の工務店エルハウスの福田です。
今回は昨今増えて来ている無料、0円で設置できる太陽光発電、ソーラーパネルのお話と合わせて太陽光発電のことを考えてみましょう。
また、最近、お客様と話していて、
「太陽光と蓄電池を載せたら、その分で得できるので、実質、支払うローンとかなりの金額を相殺できますって聞いたんですけど。太陽光発電って載せたら、そんなに得になるんですか?蓄電池も組み合わせるともっとお得になるって言われたんですけど。。。」
という相談も受けましたので、その辺りも一緒に考えられたらと思います。
▽ゼロ円のソーラーパネルのメリット、デメリットの解説動画も良ければご覧ください。
0円ソーラー、無料の太陽光発電って何?
0円ソーラー、無料の太陽光発電とは、文字通り、無料でソーラーが取り付けられますよ、というサービスです。
大きく分けると2種類あります。
どちらも、設置費用は無料が多いです。
最初の10年はソーラーの会社に収益が行って、その後はソーラーパネルがもらえるタイプ
最近、流行ってきているのは、最初の10年はソーラーの会社に収益が行くけど、10年後には自分のものになるというタイプですね。
・ソーラー設置費用→ソーラーの会社負担(お客様0円)
・最初の10年の電気の収入→ソーラーの会社がもらう(一部お客様がもらえるものも)
・10年後以降→お客様のもの
有名なところですと、
・京セラ関電の「ちゃんとGood!」
・鈴与の「新築0円ソーラー」
・looop
などがこのタイプになります。
厳密なには、サービスによって最初の10年間の契約内容が少々違いますが、設置の10年後にはソーラーパネルがお客様のものになるというタイプのサービスです。
屋根を貸している分の家賃収入が入るタイプ
最近は少し勢いがなくなってきましたが、以前からある無料のソーラーというと、屋根貸しタイプと呼ばれるものがあります。
自宅の屋根を貸して、ソーラーの会社に太陽光発電を設置させてあげることで、屋根の面積の家賃収入が入るというタイプです。
このタイプはあくまでソーラーパネルはソーラーの会社のものです。
このタイプは屋根の家賃収入は少なく、ソーラーが最終的にもらえるわけでもないので、比較すると人気が落ちて来ていますので、今回の記事では、こちらの屋根貸しタイプについての詳しいことは省略させて頂きます。
0円、無料のソーラーが得か?FITの10年と売電価格を理解する
一番最初の動画でシンプルに解説していますが、特に0円ソーラー、無料の太陽光発電については、FITの10年と売電というものについて理解することが大事です。
太陽光発電は損ではないけど
まず、通常の普通にお金を出すソーラーにせよ、0円ソーラーにせよ、太陽光発電は乗せる方が得か損かという話だけでいうと、乗せる方が計算上、お得になることは事実です。
実際、長野県は太陽光発電をするには国内でも日照や平均気温などの環境が非常に良いです。
ただ、住宅ローンの支払いを大幅に軽減できるほど得になるか?という話になると、これはかなり難しい問題になります。
特に長野県は気温や日照など、ソーラーには良い環境です。
詳しくはこちらの記事もどうぞ。
太陽光が大幅に得になるのはFITの最初の10年だけ?
太陽光の売電収入で大幅に得が出来るのはFIT、固定買取価格が適用される最初の10年だけです。
FITとは、簡単に言うと、最初の10年は太陽光発電の電気って高く買い取ってもらえるのですが、その後はぐっと価格が下がります。
こうなると、売却してもあまり収益にならなくなってしまうんですね。
ですので、最初の10年の間に設置費用を回収出来るように計算して太陽光発電は乗せないといけませんし、実際、多くの会社がそういう試算のもと、太陽光発電を設置しています。
エルハウスでは9年前後で費用を回収出来るようシミュレーションして載せています。
FITの10年を過ぎても太陽光の自家消費を高くすればOK
FITの10年が過ぎたら売電価格が下がって、太陽光発電の電気は売っても儲からなくなるので、可能な限り自分の家で消費してあげるようにします。
ですので、もし仮に昼も誰かが家にいて、エアコンなど電気を使ったりして、自家消費出来る場合には10年を過ぎても、かなり効果はあると言えます。
この場合は、「太陽光発電を乗せれば、大幅に得できる」という理論は成立します。
逆に、問題は実際には日中、留守にしている家の場合ですと、昼にいっぱい発電しても、自宅ではほとんど使えず安い金額で売電してしまい、夜には普通の金額で電気を購入することになります。
こうなると、『太陽光発電で大きく得する』というのは嘘になってしまいます。
そうは言っても、昼間でも冷蔵庫などは動いていますし、昨今の高断熱住宅では、冷暖房を一日中動かす連続空調も増えていますので、お昼に太陽光の電気が使えるのは便利です。
太陽光発電は10年後より先は、とにかく自家消費がたくさんできるかがポイントです。
太陽光+蓄電池を使うとメリットはあるのか?
さて、蓄電池です。
蓄電池があれば日中発電したものを貯めておけば、夜に使って自家消費率をぐっとあげられます。
これは原則として、FIT終了後、売電価格が落ちた時に対策として有効です。売電価格が落ちても、自家消費できるようにすれば、電気代は大幅に得できます。
しかし、新築時にはあまり有効じゃありません。
新築で最初の10年については、売電すれば良いだけなので、蓄電池を付けて自家消費しても金銭的メリットはありません。明らかに蓄電池の価格の方が高くて、損しかしないと言ってしまっても良いでしょう。
※ただし、完全にオフグリッドの家(電気は完全に自給自足する家)にしたいなどのこだわりがあれば話は別です。
蓄電池は災害時に安心?
また、蓄電池を使えば災害時に安心ということもあります。
たしかに太陽光発電と蓄電池があれば、停電してもしばらくのあいだなんとかやっていけます。
しかし、日本でそんなに長期間停電することって少ないです。もちろん、大地震が来たりすると、長期間の停電の可能性もあります。
停電時に蓄電池がきちんと作動するように、停電時の設定が手動切り替えになっているか、自動切り替えになっているか。手動切り替えの場合は、家族がだれでも手動で使う方法を理解しておくなど、通常時に確認しておくことも大事です。
蓄電池の価格は決して安くないので、停電のためだけ、にそこまでの金額を出すかということがポイントになってきます。
他にも、電池は充電放電を繰り返すと劣化していくといったデメリットを考えると、やはり新築の時に蓄電池を取り付けるのは、メリットが少ない場合が多いです。
FITの10年間が終わって、日中、家に誰もいなくて、安い価格で売電してしまっている人は、蓄電池を使うのも良いかもしれません。
無料の太陽光発電、0円ソーラーパネルは?
さて、やっと0円、無料の太陽光発電の話です。
0円ソーラーと呼ばれるものにも、いくつか形態はあるのですが、
・設置費用は0円
・その代わりに、発電した電気をもらいますよ
・10年経ったら、つまり、FIT期間の売電の利益を回収し終わったら、ソーラーパネルはプレゼントしますよ。
というものです。
最初の儲かる10年分の売電利益と引き換えに、ソーラーパネルをプレゼントしてくれるわけです。
よく考えられた方式で、ユーザーは自己負担0円というメリットがありますし、ソーラーの会社はソーラーパネルを販売できます(ソーラーパネルの代金は売電利益から得られる)、電力会社も自社の電気で契約してもらえるというメリットがあります。
この方式が成り立つのは、ソーラーパネルの会社は原価でパネルを取り付けられるというのもミソです。
一般人が普通にソーラーを設置すると9年前後で回収可能というシミュレーションが多いですが、ソーラー会社が原価でパネルを取り付ければ、もっと短期間で設置費用を回収できて、後は利益になるということです。
FITの10年での太陽光の利益とローンの金利を考える
一般の人が通常の自分で買うソーラーを付けても、FITの期間中に得られる売電の利益は、最初の8~9年は最初の設置費用分に消えるので、実質的には1~2年分となってしまいます。
最初のFITの10年に限定して収益を考えると、9年で原価を払って1年が利益であれば、約11%が利益になります。これを多いと考えるかどうかがポイントになります。
仮にソーラーパネルを100万円で設置して、9年で初期費用を回収できるという状態を仮定します。
一年あたりの売電利益=100万÷9年=111,111円です。
このソーラーパネル100万円を年利1%の住宅ローンで借りたとします。100万円の年利1%で10年で払うとしたら、単純計算で約51,000円の利息がかかってしまいます。35年ローンであれば、利息の支払い総額は185,000円です。
※これは単純計算ですので、実際にはもう少し複雑な計算になります。(実際の金利や、住宅ローン減税のことや、繰り上げ返済なども考慮する必要があるでしょう)
最初のFITの10年限定で考えた場合、長期の住宅ローンを使って太陽光を設置すると、電気の収入があってもローンの金利と合わせて考えるとちょっと微妙ということも起こる場合もあります。
それでも、自分でお金を出して設置すれば、10年より早く費用を回収できた分、利益を得られます。特に早く回収できた場合には、利益が大きくなります。
これに対し、0円ソーラーは10年待ってからなので、売電収入は期待できませんので、昼間の自家消費分がお得になるというイメージです。
0円ソーラーは設置費用がかからない分、損になるリスクがほとんど無いということが特徴です。
長野県、松本、諏訪、伊那で0円ソーラーができる会社
しかし、0円ソーラーには唯一デメリットがありました。
それは、0円ソーラーが可能な会社が多くないということです。
0円ソーラーは、
・お客様→設置費用0円
・ソーラーパネルメーカー→ソーラーを販売できる
・電力会社→自社の電気を契約してもらえる
と3者が得する素晴らしいサービスに見えます。
しかし、問題になるのは家を新築する住宅会社です。
通常のソーラーの場合、家を新築する住宅会社にも利益がありますので、多くの住宅会社が太陽光発電をしています。
しかし、0円ソーラーをすると、太陽光で得られるはずの住宅会社の利益がなくなってしまいます。
ですので、新築住宅で0円、無料のソーラーをする会社はこれまで少なかったのです。
特に長野県は東京などと比べると地方ですので、0円ソーラーをする会社は少なかったです。
エルハウスは鈴与の新築0円ソーラーに対応しています。
新築で無料で太陽光を載せたいという方は、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
まとめ。無料の太陽光発電、0円ソーラーはデメリットは少ない
まとめです。
設置費用が無料の新築0円ソーラー。
「0円なんてうさんくさい、本当に大丈夫?」
と心配な方もいるかもしれません。
デメリットとしては、
・売電価格の高いFITの最初の10年の収入がもらえないこと
・指定の電力会社と契約しないといけない
と言ったことがあるでしょう。
しかし、それ以外は、デメリットはほとんどないと言えます。
メリットとしては、とにかく設置費用0円ということです。
以前は、
「最初の予算だとちょっと厳しいから、ソーラーは家を建てて何年かして余裕があれば付けようかな」
という方も多かったですが、0円ソーラーなら無料です。
「太陽光、興味はあるけど、我が家の予算だと、太陽光の100万円を捻出するのは難しい。。。」
という方は、無料で設置できる0円太陽光も選択肢の一つですね。