こんにちは、編集長のふくだです。
住宅の外観の印象は外壁でかなり変わります。その中でも昨今人気があるのがガルバリウム。
そもそもガルバリウムって何? メリットは? デメリットは?
今回は住宅の外壁の中でもガルバリウムについて書いてみようと思います。
そもそもガルバリウム外壁とは?
ガルバリウム鋼板、住宅以外で滅多に聞くことのないフレーズですよね。
ガルバリウムとは何かと言いますと、鋼板という文字からも想像できるように金属の板の種類だと思って下さい。
これを外壁に貼るのがガルバリウム外壁ですね。屋根にもよく使われます。
ガルバリウム以外にも鋼板はあります。
だれでも聞いたことのあるものですと、ブリキやトタンがありますね。
ガルバリウムもブリキやトタンの仲間です。
どれも鉄の板です。そもそも鋼板とは鉄の板のことです。
〇〇鋼板とは、それを何でメッキしているかの違いなんですね。
ブリキは錫(すず)でメッキしています。
トタンは亜鉛ですね。
ガルバリウムは亜鉛とアルミとシリコンです。
SGLという鋼板はさらにマグネシウムを加えます。
クロムは、文字通りクロムでメッキします。
鉄だけだと、どんどん表面が錆びてしまうので、こういったメッキを施すことで、耐久性を持たせるんですね。
ガルバリウムのメリット、特性は?①
さて、ブリキ、トタン、ガルバリウム、SGLと様々な鋼板がありますが、ガルバリウムのメリット、特性とは何なのでしょうか?
一口に言うと、ガルバリウムはサビに強いんですね。雨や風にさらされても長期間耐久できます。
また、金属らしい、独特な外観の美しさがあるので、シャープな建物をデザインする上で人気があります。
また、黒を選べるというのもメリットです。黒の外壁って他の素材だと難しいんです。
メッキされていないただの鉄の板は安くて入手も楽ですが、簡単に錆びてしまいます。錆びてしまうと、一気に弱くなってしまいます。
その問題を解決するために現れたのがブリキです。サビに強い錫(すず)をメッキするとブリキですね。錫は溶接やハンダも簡単ということもメリットの一つです。塗装の色が付けやすい、金属特有の光沢という見た目が美しいということもブリキのメリットですね。
今でもブリキのおもちゃが存在するのはそういった見た目の美しさも一つの理由でしょう。
しかし、ブリキは柔らかいので、外から石がぶつかったり衝撃があると、簡単に鉄がむき出しになってしまい、そこからサビてしまいます。
また、錫(すず)って値段が高いんですよね。
ガルバリウムのメリット、特性は?②
トタンは亜鉛でメッキします。
錫は高かったですが、亜鉛は高くないですのでコスト的なメリットがあります。
建材としてコストはとても大事な要素です。特に工場などでは、いかに安くコストを抑えるかはとても重要です。
耐久性としても、トタンには「犠牲防食」という特性があります。
鉄が溶ける前に、亜鉛が犠牲になって先に溶けてくれることで、鉄を守ってくれます。
ただ、トタンは酸性、アルカリ性のどちらかになると、弱くなってしまうんですね。
酸性雨に対してとても弱いです。
そこで現れたのがガルバリウムです。
使用環境にもよりますが、20年以上塗り替えなどのメンテナンスなしで使えるという耐久性の高さが特徴です。
トタンにもあった「犠牲防食」がガルバリウムにもあります。
「不動態皮膜」もあります。ステンレスが有名ですが、瞬時に表面に薄い被膜を作って鉄をガードしてくれる特性です。
サビに強くて、長期間耐久してくれるのがガルバリウムなんですね。
ガルバリウム外壁は地震にも強い?
またガルバリウムのメリットとして、地震に強いということもあります。
特に屋根材としては地震に有利です。家の上に乗るものは軽い方が住宅に負荷がかかりません。
屋根じゃなくても、住宅の上部に重いものが来ることは地震に対して不利ですから、外壁材も出来れば軽いものの方がいいです。
レゴブロックや積み木なんかで、上を大きく重たくしてみて下さい。不安定ですよね。上部が重いと揺れに弱くなってしまいます。
瓦は重いですね。特に日本の和瓦は重厚で美しいですが、重いです。
対してガルバリウムは軽いんですね。
サイディングの外壁よりもガルバリウムの方が軽いですね。
外壁としてのガルバリウムのメリット、デメリットは?
外壁として優れているための条件とは、
・外観が美しいか?
・耐久性があって、塗り替えなどのコストを抑えられるか?
・コストが安いか?
と言ったことがありますが、ガルバリウムはどうでしょうか。
コストについては、外壁としてはガルバリウムは安くないですね。
一般的によく使われるサイディングの方が安く済む場合が多いです。
それでも、耐久性、塗り替えまでの期間を考えると、ガルバリウムの方が長いですので、長期的に考えるとお得とも言えます。
ただ、ガルバリウムも耐久性が高いとは言っても、永続的にメンテナンスフリーというわけではありません。
さらに、ガルバリウムは非常に塗装が難しいですので、値段が高くなりやすいです。
金額面、コスト面で考えると、デメリットが多いですね。
外観については、金属特有のシャープな雰囲気が好きという方には良いですね。
逆にトタン板みたい、プレハブみたいで安っぽいと感じる方もいます。
ガルバリウムを縦に貼るか、横に貼るかでもかなり雰囲気が変わります。
家の全体の形と合わせて考えないといけないので一概には言えませんが、ガルバリウムでしか出来ない家の雰囲気というのはありますね。
まとめ。近代的でシャープな雰囲気ならガルバリウム!
ガルバリウムについて考えてみました。いかがだったでしょうか。
屋根としては、耐久性の高さ、重量の軽さからガルバリウムは非常に人気があります。瓦などと比較してもコストも抑えやすいです。
外壁としては、一般的にはサイディングの方がコストを抑えやすく、好みの柄を選びやすいということもあるので、ガルバリウムよりもサイディングの家の方が多いですね。
やはりガルバリウムのデメリットは値段ですね。
それでも、金属系の外壁は独特の雰囲気があります。
近代的、シャープな雰囲気、そういった外観が欲しい人にはオススメです。