調湿性のある壁?珪藻土の塗り壁、エコカラットって?

住宅

こんにちは、長野県の工務店エルハウスのふくだです。
部屋の壁を何にしようかと考えたとき、普通のクロスの壁紙ではなく、調湿性(湿気を吸ったり吐いたりして、湿度をコントロールしてくれる)などのある素材が昨今人気が出てきています。
特に人気なのが珪藻土の塗り壁ですね。あとはリクシルから出ているエコカラットというタイルのような製品も人気があります。
今回はクロスと珪藻土の塗り壁、エコカラットなどについて書いてみようと思います。

珪藻土の塗り壁のメリットとお値段

珪藻土の塗り壁は昨今人気がありますね。
おそらくですが、珪藻土のお風呂マットのおかげじゃないでしょうか。あれは便利ですよね。我が家でもお風呂マットはニトリの珪藻土マットを使っていますが、洗濯しなくて良いですし、すぐ乾くので本当に便利です。
逆に洗濯しないと雑菌なんかが繁殖するんじゃないの? と心配される方もいますが、雑菌が繁殖する原因は湿度、水分です。珪藻土マットはすぐに乾くので雑菌などが繁殖しにくいんですね。
ただ、子供がおもらししたりすると、洗えないので捨てることになるのですが、不燃ゴミや粗大ゴミになるので、この点では不便です。数少ないデメリットと言っても良いんじゃないでしょうか。

そんな珪藻土ですので、それを壁一面に貼ると、水分を吸ってくれそうですよね。

また、珪藻土が水を吸ったり吐いたりしてくれるのは、小さい穴があるからなのですが、これが匂いなんかも吸収してくれるんですね。備長炭の消臭剤なんかと原理は同じですね。

そんな素敵な珪藻土ですが、塗り壁で使うと普通のクロスの2倍程度の値段になってしまいます。

珪藻土の塗り壁のデメリット

デメリットというわけではないですが、過度な期待をすると意外とそうでもないと言われることもあります。
特にお風呂のバスマットをイメージして珪藻土の塗り壁にすると、なかなかバスマットのようにはいきませんね。
塗り壁として珪藻土を使う場合、珪藻土以外のものも混ぜます。
この混ぜるものによっては、調湿効果が落ちてしまうものもあります。

また元々がお風呂のマットのように水浸しになることを想定してはいませんので、ものすごい量の湿度を吸ったり吐いたりしてくれるというわけでもないのです。

もちろん、ある程度の調湿効果はありますが、お風呂マットのイメージで過度な期待をすると裏切られたと感じる人もいるので、過度な期待は禁物です。
そうは言っても、調湿効果もいくらかはあります。

リクシルのエコカラットって?

珪藻土の塗り壁のように調湿、消臭効果をうたっているのがリクシルエコカラットです。
室内用のタイルのようなイメージですね。
珪藻土よりも性能値は高いです。実際、霧吹きで水をかけると、お風呂マットのように水が吸収されますのでちょっと感動します。

ただ、塗り壁と違って部屋全体の壁に塗るには値段が張りすぎます
また、タイルのような外見ですので、部屋全体に使うと、部屋の雰囲気が重くなってしまうかもしれません。
お店などであれば、おしゃれな雰囲気で良いかもしれませんが、一般住宅の場合はワンポイントのアクセントとして貼るという使い方が一般的です。
玄関の入ったところの壁だったり、キッチンの周辺テレビの後ろの壁などに使うとおしゃれな雰囲気が出ます。
柄、パターンも何種類かあり、自分の好みの雰囲気を演出できます。

エコカラットならすごく調湿してくれる?

珪藻土よりも調湿性が高いなら、すごく調湿してくれるの?と思う人もいるでしょう。
しかし、塗り壁と同様、性能面で過度な期待を持つと、実際に住むと体感しにくいという人もいます。
たとえば、『エコカラットを貼ったから加湿器はいらなくなるかもしれない!』というほどの期待をすると、なかなかそうはいきませんね。
ただ、確かに乾いている時期はエコカラットに霧吹きで水をかけといてやると加湿効果はあるかもしれません。
そうは言っても、やはり加湿器は加湿器で用意した方が良いでしょう。

珪藻土エコカラットもいくらか調湿、消臭効果はありますが、エアコンの除湿や加湿器のような効果を求めてしまうとガッカリしてしまいやすいです。
確かに効果はあるんですよ。けれど、メインは部屋の雰囲気を楽しむためのものというイメージの方が間違いないですね。
どの程度から体感できる効果か?というのが人によって違うので少々難しいところではありますが、性能についてはオマケくらいで考えておいた方が、後からがっかりしにくいですね。

珪藻土以外の塗り壁は?

珪藻土以外の塗り壁ですと、昨今はシラスがあります。火山灰なんかの一種ですね。
自然素材ということで人気があります。珪藻土も自然素材ですが、混ぜ物が自然素材じゃないということもあります。シラスは今のところ混ぜ物まですべて完全自然素材という製品しか出ていませんね。(私の知らないだけで、もしかするとそうじゃないものも出ているかもしれませんが)
シラスは珪藻土よりもさらにお値段が高いですね。

日本の昔からある壁として、漆喰の塗り壁もありますね。
こちらもやはり調湿効果があります。
珪藻土やシラスはザラザラした表面ですが、漆喰はツルッと仕上げられます。ただ、ツルッと仕上げるには技術が必要です。
昔は左官屋さんって、キッチンのタイルお風呂のタイルなどたくさん仕事があったので、腕の良い左官屋さんも多かったのですが、昨今はキッチンもお風呂もタイルを使わないものが主流になってきています。ましてや漆喰を塗るという場所はほとんどありません。綺麗に漆喰を仕上げられる左官屋さんにお願い出来ると良いですが、だんだん難しくなりつつありますね。
もちろん、ツルッと仕上げず、表面にパターンを付けることも可能です。
漆喰はシラスよりもさらにお高いです。

塗り壁のデメリットは?

塗り壁のデメリット価格の高さと、メンテナンス性ですね。
クロスの壁紙だと、張り替えるだけです。比較的手間もかかりませんし、金額も抑えられます
塗り壁の場合、割れてくると全面塗り替えるのにかなりの金額になってしまいます。クロスの場合、一部だけ張り替えることもできますし、全面変えても塗り壁に比べれば安くすみます。
また、昨今はクロスでも調湿性のあるものも出ていますし、自然素材の紙のクロスというものも出ています。
また、クロスはとにかくパターンが豊富です。「こんなクロスあるのか」とビックリするようなものまでありますね。部屋の中全部を変わったクロスにすると、家具なんかとケンカしてしまうかもしれませんが、一面だけ派手な面白いクロスを思い切って使ったりするのも良いと思います。
また、クロスは張り替えも比較的しやすい壁材ですので、アクセントは思い切ってみても良いのかなと思います。

塗り壁はどちらかというと雰囲気を楽しむということをメインに考えるのがいいでしょう。
コスパなどで考えると、ちょっと割に合わない壁材ではあります。
ただ、木を多く使った家などではやはり相性が良いですね。

また、板張りも昨今は人気がありますね。
全面板張りにするとコストがかかってしまいますが、腰壁くらいの高さにすればコストも抑えられます。

まとめ。珪藻土の塗り壁はコストを理解する

珪藻土の塗り壁リクシルのエコカラットなど、調湿性や消臭効果のある壁材の話でした。
実際、どの程度の調湿性があれば体感できるというのが難しいところではありますが、性能面での過度な期待は持たない方が良いでしょう。もちろん、いくらか効果はあります。
「金額は倍になるんだから、性能もさぞかし良いだろう」と思うと失敗することもありますので注意が必要です。
それよりはフローリングにこだわったりするのも良いかもしれません。フローリングは無垢材にしても倍の値段まではしませんので。壁は面積もありますし、価格の上がり幅が大きいので、グレードアップするには悩むポイントですね。
フローリング裸足で歩くと体感できます。また、檜などを使うと香りが素晴らしいですね。
部屋のワンポイントという意味ではエコカラットは良い意味で目立ってくれますし、部屋の雰囲気がぐっとオシャレに変わりますのでオススメです。