こんにちは、編集長の福田です。
今回は二世帯住宅を建てるときに注意したいポイントを考えていきましょう。
普通の一世帯の住宅よりも良い面もありますが、難しいポイントも多いので、しっかり抑えて良いおうちを作っていきましょう!
二世帯住宅のメリットデメリット
二世帯住宅のメリットは、家を二件建てるよりも安いという経済的なメリットがあげられます。
また、育児を手伝ってもらいやすい、逆に将来的に介護などの手伝いがしやすいなど、親子間での協力が出来るのもメリットです。
また、庭なども共有で作れるので、広い庭が作りやすいのも良い点です。
両世帯で共有できる大きなウッドデッキがあるような家は非常にゆったりして気持ちの良い空間が作れます。
デメリットとしては、広い土地が必要ということや、親子間でもお金の問題、嫁姑問題など、様々な問題にも直面しないといけません。
需要が少ないので売却などの処分もしにくく、親世帯が亡くなった後どうするか、あるいは子世帯が転勤で引っ越さないいけなくなった際など難しい面もあります。
ただ、コスト的に安いから二世帯住宅というのは、リスクも多いので注意したいところです。
1.お金と所有権は親子でも明確に!誰がいくら出して所有権は?贈与税の問題は?
まず早い段階で解決しておきたいのがお金の問題です。
二世帯住宅を建てるお金は誰がどの割合出して、どういう割合で所有権を持つのか、そして、固定資産税は誰がいくら払うか、水道や電気のお金はどうするかという問題です。
子ども世帯が30坪、親世帯が20坪という二世帯住宅の場合を考えてみましょう。
面積の割合で、お金も3:2で出すという考えの家庭もあるでしょう。
でも、親世帯の土地に建てる場合はどうでしょう?
親世帯は土地を出している分、建物の金額は少ないとすることもありえるでしょう。
この辺りは年齢にもよります。
例えば、子世帯が20代のように若い場合は、親世帯の方が多く資金面で出す場合もあります。
逆に親世帯が高齢で年金以外の収入がないという場合には、子世帯が親孝行として建てる場合もあるでしょう。
また、同居しない方の親から資金援助が出た場合はどうでしょう?
また、所有権と贈与税の問題もあります。
子ども世帯か親世帯どちらかが単独で所有権を持つようにするか、共有で持つか、区分所有として登記するかの選択肢があります。
単独で登記すると、建築資金を贈与したとして、贈与税の対象になる場合がありますので、そういう部分も注意が必要です。
2.親世帯は高級ハウスメーカー、大きな坪数が良いって言うけれど
また、親世帯は高級なハウスメーカーでの建築を希望しているけれど、子ども世帯はリーズナブルな地元工務店で建てたいというように方向性が割れてしまうこともあります。
特に二世帯住宅は家の規模が大きいので、会社による金額差も大きくなりやすいです。
また部屋の大きさなどについても、今の若い世代の方は、子供部屋は小さくても良いと言う方が多いですが、親世帯は昔の家の大きさのイメージが強く、ゆったり建てたいと意見が割れることもあります。
価値観の問題もありますが、子ども世帯と親世帯で金銭感覚が違うというのも問題としてあるでしょう。
これから子育てをしていく、まだ若くて貯蓄も多くない、収入も高くない、家にそこまでのお金を掛けたくないという現役世代に対して、ある程度貯蓄も出来ていて、子世帯、孫も住む家ということでしっかり良い家を建ててあげたいおじいちゃん、おばあちゃん。
価値観が分かれてしまうことがあります。
このように多岐にわたって問題が出てきます。
家族間とは言えど、大きいお金の話なので、しっかり話し合いが必要です。
3.どこまで共有するか?玄関、水回り、家族間の距離を考える
玄関、お風呂、キッチンを別々で作るか、両方の家族で共有で使うかも慎重に話し合いが必要な部分です。
松本市で二世帯住宅の費用を安く抑える方法は?共有、分離で考える。
↑共有と分離についてはこちらの記事も参考にして下さい
コスト的には、できるだけ共有する方が安く抑えられます。
玄関ドアだけでも、一つで何十万円もするので、玄関は一つで家の中で分かれるというスタイルの方が安くなります。キッチン、お風呂なども共有できればかなり金額的には安くなります。
さらに、最初の建築コストはもちろん、その後の生活のコストについても、電気代、水道代など、できるだけ共有する方が安く抑えられます。
また、家事についても協力してできるので楽になるという面もあります。
しかし、キッチンは料理や皿洗いの仕方などが流儀が違ったりするとトラブルになりやすいです。
お風呂の入る時間など気を使わないといけない面も出てきます。
お金の面だけじゃなく、家族の中での距離感と暮らし方をしっかり検討する必要があります。
4.親世帯が亡くなったあとのこと、転勤時の売却
二世帯住宅の難しさの一つにどちらかの世帯が住まなくなった後のことがあります。
親世帯が亡くなったあとの問題は、縁起でもない話ではありますが、避けては通れない問題といえます。
どうしても二世帯住宅の場合、親世帯が先に亡くなる場合が多いです。
また、逆のパターンとして子ども世帯が転勤などで移る場合もあります。
その場合にも、やはり家の処分の問題が難しい課題になりやすいです。
同じ建物として作ってしまう二世帯住宅の場合、売却しづらいです。
賃貸として貸すにしても、建物がくっついていると難しい場合があります。
将来的な処分のしやすさという面では、別々の建物で建てる方が有利な面も多いです。
また、リビングなどを共有で建てる方が、どちらかの世帯が使わなくなった場合でも、広い家として使いやすいとも考えられます。
完全分離型の二世帯住宅は、片方の世帯が使わなくなった際に、持て余すリスクは理解する必要があるでしょう。
5.敷地、土地の問題
特に市街地で広い土地が出にくいエリアで、新規に土地を購入しての二世帯住宅は難しい場合も多いです。
その場合は無理に二世帯住宅にこだわらず、近い土地で二件建てる方が上手く行く場合もあるかもしれません。
最初のコスト面では高くなりやすいですが、将来の売却や、家族間の距離を取りたい場合には、間違いない方法と言えます。
また、二世帯住宅を建てることが可能な敷地の広さでも、どちらかの世帯は日当たりがいいけれど、どちらかは日当たりが悪いという場合もあり、間取りの工夫が必要です。
まとめ。家族間の距離、具体的なライフスタイルを考える。
二世帯住宅はとにかく家族間の距離をどう取るかが重要です。
金額的な麺で考えると、別々に二件建てるよりも二世帯住宅の方がコストを抑えることができます。
キッチンやリビングを共有できれば、さらにコストは抑えられます。
また、リビングなどを共有する場合、二世帯で使える広々したスペースを作りやすく、非常にゆったりした豪華な住宅を作れます。
また、メインのリビングは共有して使えて、子ども世帯だけでテレビが見れるセカンドリビングを二階に作るなどの方法もあります。
ただ、家族間の距離がやはり難しいと感じる方は多いです。
人によっては玄関や水回りなどを全て分離で作ったとしても、同じ敷地内に親の家があるのは嫌だと感じる人も少なくありません。
逆を言えば、完全分離にしたいと感じるくらいなら、思い切って別々の建物で建てた方が音のトラブルなどもなく、長期的な視点で見ると良い場合もあるでしょう。
ご家族によりますが、奥様のご両親との二世帯住宅の場合、キッチン共有というご家庭も多いです。
直接の親子は気を使わなくても、配偶者の両親との同居はかなり繊細な問題です。
親世帯、子世帯の協力も大事です。
また、意見が割れた時にどちらの意向を優先するかということもあらかじめ家族内で決めておくのも重要です。
二世帯住宅は大変な面も多いですが、しっかり家族会議が出来て乗り越えられたらメリットも多いです。一族でしっかり話し合うこと、信頼できるプロのアドバイスを聞くことが重要です。