こんにちは、編集長の福田です。
「とりあえず、ざっくりの金額が分かるようにプランと見積もり下さい」
という話がありました。
「とりあえず下さいと言われても、暮らしのご希望など伺わないと適当にプランを描くわけにもいかないです。。。」
というと、
「じゃあ、いいです。御社は検討しません」
ということがありました。
どうして、福田はプランを描かなかったのか。
答えは簡単で「とりあえず」では良いプランを描けないからです。
そして、良くないプラン、絶対に建てないプランなら貰わない方が良いです。
適当にプランを描いてもらって、なんとなくの金額を知りたいというのは、家づくりの失敗の第一歩ともいえます。
意外と、この失敗をしている方は多いので、解説します。
ファーストプランはとても大事
ファーストプランというのはとても大事です。
単純に、私が忙しくて、真剣に検討していない人にプランを書く手間と時間を惜しんだというわけではないのです。
ファーストプランから実際に建築するプランまで検討、変更を重ねて変わっていきます。
それでも、打ち合わせを重ねた結果、ファーストプランに近いところに戻る方もいます。
というのも、注文住宅のファーストプランというのは、それなりにプランナーがしっかり練っているものだからです。
どこの会社でもそうでしょう。
プランを描くのって、それなりに時間もかかります。
さらに、お客様に提案するのですから、それなりに資料を準備するのにも時間はかかります。
そして、ファーストプランを見て、お客様はそこの会社で建てるかどうかの判断材料にします。
つまりファーストプランというのは、ファーストではあるものの、決して適当なものではなく、お客様の希望をヒアリングした上で提案している、練られたプランなのです。
なので、これはあくまで経験上ですが、ファーストプランに戻る方の家は良い家が多いとも感じます。あんまり意見しすぎて、ファーストプランから離れすぎる場合には、完全にゼロから描いてもらう方が良いでしょう。
何にせよ、きちんとしたヒアリングができていないと良いファーストプランは出てきません。
何社も回ってプランをもらう=浅く無意味なプランが増えてしまう?
そんなわけで、もしあなたがファーストプランをもらうなら、出来るだけ質の高いものをもらうことをオススメします。
重要なのは、
・実際に建築する可能性のある会社さんにしっかりヒアリングしてもらうこと。
・出来るだけたくさんの見学会など実際の家を見てみること。
・自分達の予算を明確にする
この3つが重要です。
予算を明確にするという点に関しては一番簡単で一番大事でしょう。
予算が漠然として分からないという方は多いのですが、それは問題です。
自分達が35年先まで払う住宅ローンですから、どんなに高くても月にいくら以内の支払いにしたいということは明確にしておかないといけません。
予算については自分たちで決めないといけません。
普通の買い物の場合、ウィンドウショッピングしていて衝動買いするのも良いかもしれませんが。家は一生住むものです。漠然と間取りを眺めて、何となく良さそうだから、予算を高くして買うというのは問題です。
ある程度の予算は自分達で決めないといけません。
この部分は大変ですが、最後は自分達で決めないといけない部分です。
予算が決まっていないのに、
「だいたいの金額を知りたいので、プランと予算を書いて下さい」
というのは難しいです。
お金についても、家本体に含まれているお金とプラスになるお金もあります。
やはり、お金のことだけじゃなく、ある程度の打ち合わせをしないことには、家の希望を伝えるのは難しいです。
そういうことを考えていくと、何社もたくさん回って、薄く多く聞いて回るほど、良いファーストプランからは離れて行ってしまうとも言えます。
良い家づくりは、自分たちの家に対する考えを明確にすること
良い家づくりとは何か?
良い間取り??
それも正解ですが、どちらかいうとそれは結果なのです。結果の前に根本が重要です。
根本として、その人の人生の中で家や住まいというものがどういう意味を持っているか、というのが明確になって、それを反映した家づくりというのが重要なのです。
その中でもお金は一般の人にも分かりやすい切り口です。
・いくらか無理をしてでも高級なものが欲しいのか。
・安ければ安いほど良いのか。
・安いだけでも困る。代わりにそんなに広い家じゃなくても良い。
お金一つとっても考え方は様々です。
例えば、昨今の流行りで天井や壁の板張りというものがあります。
ビニールクロスだけで内装を作っていくと、どうしても温かみに欠けたり、アパートっぽい雰囲気になりがちなので、天井や壁に無垢材を張って空間をオシャレにするというものです。
これが「金額が高いので諦めます」という人が多いのです。
でも、実際にはソファを買う程度の金額です。(広さにもよりますが)
「その程度の金額で家族が一生使うリビングがぐっと気持ち良い空間になるなら高くない」と感じる人と。
「別に天井は木じゃなくても生きていく上で差し支えない、その金額があればソファを買うのに使いたい」という人に分かれます。
これはどちらが正解ということではなく、家、リビングという空間に何を求めているか、という違いです。
天井の板張りだけでなく、リビングの広さを16畳にするか20畳にするか。
吹き抜けがあった方が良いか。
キッチンは標準のグレードのもので良いのか、100万円くらいならプラスになっても良いから高級なものにしたいのか。
自分達が大事だと思う部分にお金は使うべき
お金があったらお金があるだけお金をかける?
そういうわけにもいかないでしょう。
その人が価値を感じているもの大事にしているものにお金を使うのが重要です。
でも、そのことをきちんと考えないで、自分達が大事にしていないものにお金を使ってしまう人はたくさんいるのです。
自分達の人生の中で、家とはどういうものであるべきか。
そうは言っても、一般の人だけではそういうことを考えるのは難しいです。
プロと打ち合わせを重ねることで、そういう部分が明確になってきて、潜在的に自分達が求めている住宅が完成していく。それが注文住宅です。
繰り返しになりますが、浅く広くいくつもプランをもらっても意味がないのです。
何となく間取りを見たい、金額を知りたいなら規格住宅
そうは言っても、何となくの間取りをたくさん見たい、家のざっくりの金額を知りたいという気持ちもよく分かります。
そういう場合は、注文住宅からではなく、規格住宅専門の会社の資料を請求してみるのも一つの方法です。規格住宅を考えていない人でも、規格住宅の間取り集は役に立つので欲しいという人は多いです。
規格住宅の場合、間取りと金額は明確に決まっていますし、何よりもたくさん間取りが見れるので、間取り集を見ているだけでも楽しいでしょう。
(ただし、実際には、間取り集に載っている金額だけじゃなく、プラスでお金がかかる会社もあるようですので、金額はあくまで目安程度で考えておくと良いでしょう。)
その中で、注文住宅じゃなくても良いかな、ということであれば、規格住宅の会社で建てるのも一つの選択肢です。
自分達の価値観にあった住宅を見つけるということが一番大事です。