住宅完成見学会で、素人の一般人が見るべきポイントってどんなものがありますか?

住宅

こんにちは、福田です。
今回は、
住宅完成見学会などで、素人の一般人が見るべきポイントってどんなものがありますか?」
というご質問頂きました。
完成見学会やモデルハウスなど、せっかく足を運ぶからには、その会社をしっかりチェックしたいですよね。また、おしゃれな部分は真似したいですね。
こういうところをチェックしておくと良いですよというポイントをまとめました。

見学会でチェックしなくて良いこと

まず、見学会やモデルハウスでチェックしなくても良いことから先に考えてみましょう。

見学会で聞かなくてもいいことは、ずばり、メールで聞けることです。
メールで聞けることを、せっかく対面で質問したり実物が見れるタイミングで質問すると、時間がもったいないです。
「標準の窓はペアガラスですか? トリプルガラスですか?」
「換気は一種換気ですか? 三種換気ですか?」
断熱の性能は?」
耐震は?」
「標準の外壁材は?」
「標準のキッチンはどこのメーカーですか?」
こういった質問をしてしまう人は多いですし、確かに住宅を考える上で大事なことでもありますが、この手のことは一覧にして検討している住宅会社にはコピペしてメールで送れば事足ります
また、こういう質問は、対面で口頭で説明されても分かりにくいです。
見学会の前にメールで聞いても良いでしょうし、見学会を見た後に改めて聞いても良いでしょう。

また、メールの質問に対するレスポンスや内容を見るのも大事だと思います。
対面ではニコニコしていて感じが良くても、メールをきちんと返さないなど、その人のマメさが見えます。

また、後から施工事例の写真や動画などで確認できることも、現地で意識してチェックしなくても大丈夫なことです。

見学会会場でしか見れないものをチェックするのが大事です。

大きく分けると2種類の見るポイント

見学会で見るべきポイントは大きく分けると2種類です。

1種類目が、家の参考資料を集めるというポイントです。
自分達の家を作る時に取り入れたいポイントを探すという視点で見るポイントです。
これはどこの会社の見学会に行っても、何かしら役に立つポイントが見つかるでしょう。

2つ目が、その会社で建築の相談をするかどうか判断するためのポイントです。
建築したいと思える会社であれば、具体的な相談をしてみると良いでしょう。

この2種類のポイントを見るのが重要です。

担当者の人柄。しゃべりやすいかどうか?

まず、見るべきポイントはたくさんあるのですが、注文住宅の場合、担当者が重要です。
その会社に依頼するかどうかを判断するためのポイントになります。

別に担当者が良い人である必要はないのですが、自分たちの話を聞いてくれて、話しやすい、相談しやすいというのが理想的です。
希望を上手に汲み取ってくれて、解釈してくれ、的確なアドバイスをくれる担当者がついてくれると最高ですね。

見学会をどう案内してくれるのか、しゃべりやすいか、ただロボットのように箇条書きで商品説明するような人では、これから住宅の相談をするには不安も残ります。

ものすごく性能の良い家を作っている会社だとしても、担当者が悪いと、自分たちの暮らしたい空間、住まいは完成しません
はたまた物凄く建築の知識が豊富な人でも、確かに世間一般で言う素晴らしい建築は作れるかもしれませんが、自分達の希望が反映された家が作れるかは別の問題です。

注文住宅は、かなり細かい部分までオーダーできるため、極端な話ですが、全く同じ家を作っても、Aさんにとっては最高の100点満点の家でも、Bさんにとっては住みにくく30点の家ということもありえます。
逆に、規格住宅や建売のように決まった間取りの家の場合は、できるだけ多くの人に80点以上をもらえる家が良い家です。完全にオーダーじゃないので、100点満点じゃなくて、多くの人の80点を目指す、クレームの出にくい家です。

一般住宅の場合、建築的なセンス、知識、スキルなども重要ですが、
実際に住む人の暮らしの希望、好み、そして予算の範囲内で実現する工夫など、
建築的なスキルよりも、カウンセリングやヒアリングに近いスキルも重要になります。
また、適正予算についてのファイナンスの知識、土地の交渉力などのスキルも欲しいところです。
そして、ただ売上を増やすためではなく誠実で良心的な仕事をしてくれるかという人間性の部分も重要になります。

特に重要だと思うのが、
「この人にだったら厳しいことを言われたとしても、納得できる」
と感じられるかどうかです。
ニコニコして良いことばかり言っているだけでは、良い家は完成しません。
時には率直に悪い部分を指摘してくれるというのも大事です。

とは言え、最初の見学会で、そこまで深い人柄は分かりません
ですので、見学会の段階では、
「この人となら、家づくりしていて楽しそうかな、話しやすいかな、ウマが合うかな」
という部分だけ見れたら良いでしょう。
それ以降の相談で、さらに、担当者が誠実な人か、嘘をつかない人かなど。
一生住む家を信頼して依頼できるパートナーか見極めることが重要です。

極端な話ですが、見学会では、担当者の人柄だけ見れたら、それ以外の部分は後から改めて相談して、確認させてもらっても良いでしょう。

広さ感覚を見る。広さの物差しを作る。

広さ感覚はどこの住宅会社の見学会でもチェックしておくと良いポイントです。

その見学会のリビングが何畳か見て、自分たちが建てる時に、それよりも広い方が良いか、同じくらいで良いか、もう少し小さくても良いかを見ておくと良いでしょう。
ダイニングテーブルやソファ、テレビなど家具のイメージもしながら見るとより良いですね。

自分達の中で広さの物差しが作れると間取りがうまくいきます。
間取りの失敗に、広さの物差しがズレていることです。
「リビングが狭かった」
「収納が余った」
「もうちょっと寝室は狭くても問題なかった」
実は上の三つは同じ意味なのです。

広さの物差しができていれば、リビングの適正な広さを確保するために、無駄に大きすぎる収納や寝室を削ることが出来たのです。

リビング以外にも寝室、子ども部屋も同様です。
特に昨今は子ども部屋をコンパクトに作ることも増えていますので、コンパクトな部屋のサイズ感を見ておくのも役に立ちます。

広さ感覚は実際の建物の中に入らないと分からないので、見学会に行った時には、意識して見て行くと間取りを考える時にうまくいきます。

実際に、どの家でも問題になるのが、
「リビングは何畳くらいあった方が良いんだろう?」
ということです。
リビングに限らず、寝室、子供部屋など、欲しい広さは人によって違います。
狭いより広い方が良いとは言っても、レストランをするわけじゃないので、適切な広さがあります。

↓広さについては別の動画でも解説しています

ただ、広さ感覚はやはり動画だと分からない部分ですし、文章や言葉での説明では分からないです。実際に現地で○畳のリビングはこのくらいの広さという部分を体感して、
「18畳あれば、あの時見学したお家と同じくらいだから、ちょうど良い広さになりそうだね!」
というように、広さの物差しを作れると良いですね。

そのお家のテーマ、ストーリー

注文住宅で重要なのが、住むご家族の希望がどれだけ反映できているかということです。
極端な話ですが、その家に住まない人にとって不便な家であっても、そこに住む人にとって素晴らしい家であれば良い家です。
いかに希望が反映されているか。理想の暮らしに導いてくれるような家になっているかが重要です。

特に完成見学会で、実際にお客様が建てた入居する前のお家を見学できる場合には、
その家に住むご家族は、どういう部分をこだわってその家を建てたのか。そのご家族が苦労した部分は? その家のどこの部分を一番大事にして建てているのかどうしてそういう工夫をしたのか?
そういった背景にあるストーリーの部分を聞いてみると良いでしょう。

注文住宅は、どの家も、ご家族は悩んで、一緒に間取りを練って完成しています。

もちろん、中にはプライバシーの関係でそういう事はお話しできない家もあるかもしれませんが、自分達の家づくりを、どんな形でサポートしてくれて、どういう部分にこだわった家を建ててくれるかが見えて来るかもしれません。

真似したい部分、真似したくない部分

住宅見学会で、
「この家はこの部分が良い、ここは悪い」
という評論をしてしまう方が時々いますが。
注文住宅の場合、ご家族によってこだわりが違うので、良い悪いで判断するのはあまり意味がありません

ただし、自分の建てる家でも真似したいなと思う部分を探したり、こういう部分は自分達の家では取り入れないなという視点で見るのは、後々の間取り作りや、仕様決めの時に役立つでしょう。

少しマニアックな話になりますが、窓を見るのもオススメです。
窓をこだわっている会社は建物にこだわっている会社が多い場合が多いからです。

専門的な話になってしまいますが、窓は
・外観はもちろん、
・家の中から外を見る景色、
・外とのつながりの気持ちよさ、
・採光
・通風
・断熱性能、気密性能
・日射取得
など多岐に渡って家に影響するので、建物をこだわって作っている会社は窓にこだわります。

窓の良し悪しを判断するのは難しいですが、普通の引違い窓ばかりの家はちょっと建物へのこだわりが少ないと言えます。
引違い窓だけではなく、細長い窓やハメ殺しの窓などが上手に使われている会社は、建物の設計にこだわりがある会社が多いです。

冬の暖かさとエアコンの風量

暖かさについては断熱性能の数値UA値などを聞けばある程度は分かりますが、冬に見学できる場合は実際の暖かさを体感するのも大事です。

エアコンだけでも暖かいか?
エアコンから離れた部屋も暖かいか?
またエアコンの風量を手をかざしてみるのも良いでしょう。
断熱性能が良くない家でも、エアコンを最高出力で回せば、それなりには暖かくなってしまいます。
見学会ではお客様を案内するので、家の中を暖かくしておくのは、どこの会社でも当たり前です。

理想は、暖かいのに、エアコンの近くに行ってもエアコンが稼働しているかどうか分からないくらい静かだったり、ちょっとした風が出ていないというのが良いです。
本当に暖かい家は少しのトロ火くらいの運転でも家の中が暖かいです。
本当に高断熱の家ですと、
「暑くなりすぎちゃってエアコン、少し止めてるんですよ」
ということもありえるかもしれません。

とは言え、案内する直前までいっぱい暖房していたかもしれませんし、
逆に直前に暖房をオンにしたので、暖まるまでの時間でエアコンがたくさん動いている可能性もありますので、あくまで参考程度ではありますが、少し意識して見ても面白いかもしれません。

床の色、キッチン周りの収納量

この部分は正直、そこまで見なくても良いことですが。

細かい部分で見ておくと後で役に立つとしたら、床の色です。
というのも、床の色は家の中で大きな面積比を持つので、床の色で家の印象は大きく変わります
壁の色は日本人の場合、おおむね白系でしょう。アクセントクロスを一部貼ることはあってもメインは白系、あるとしても薄い黄色くらいでしょう。
天井も同様です。

ただ、床は自然な木の色もあれば、黒っぽいもの、赤っぽい茶色、白系などフローリングでもかなりの色の種類があります。

そして、面積の広い床の色に合わせて扉や窓枠などの色などが決まる場合が多いです。

なので、自分たちの好きな床の色を知っておくと後々役に立つでしょう。

もうひとつがキッチン周りの収納です。
アパートのキッチンとは大きさも違うので、収納できる量もかなり違います。
昨今はパントリーも人気ですが、一軒家サイズの普通のキッチンとカップボードだけでもかなりの量が入ります

ただ、その辺りは、見学会の段階で見ておかなくても、後から改めて見せてもらっても良いので、見学会で急いでチェックしておかないといけないという重要度は高くはないです。

まとめ。一番は対応してくれる人が気が合いそうか、信頼できそうか

見学会で一般の人が見るべきポイントはというお話でした。
いろいろ見るポイントはあります。
見学会も5件くらい見てから家を建てるのがおすすめです。実例から学ぶことは圧倒的に多いです。一般の方に限らず、我々プロでも、やはり実例を見させて頂くというのは学ぶことが多いです。

それでも、一般人の方がまず意識してチェックする一番のポイントは、やはり担当者でしょう。
極端な話ですが、腕が良くて、気心知れた相性抜群のプロがパートナーになってくれれば、その人に聞けば良いわけですから。
とはいえ、住宅会社の案内してくれる人は営業のプロでもありますので、接客を受ければ、感じの良い人が多いでしょう。
なので、見学会で見た人柄だけで判断するのも難しいのも事実ではあります。

住宅会社を選ぶための基準としての見方と、
自分たちが間取りを作ったり、使用を決めるときの参考にするための勉強としての見方と、
両方の見方を持っていくのがオススメです。