こんにちは、長野県の工務店エルハウスの滝沢です。
ここ数年、日本でも地震や台風などによる自然災害が増えていますね。2019年には、長野県でも大きな台風災害が発生し、決して他人事ではないです。
せっかく手に入れたマイホームが、災害により被害を受けたときの精神的、そして金銭的なダメージは想像以上でしょう。そのため、住宅を購入する際には金銭的に負担を軽減してくれる火災保険に入るのが一般的です。今回はこの火災保険、そしてタイトルにもある地震との関係についてみていきましょう。
住宅の火災保険とは?
火災保険とは住宅の損害保険の一種です。その名の通り、火災による損害はもちろんのこと、落雷、風水害などの自然災害によって損害を受けたときに補償してくれる保険です。
また、泥棒に鍵や窓ガラスを壊された、家に車が突っ込んできた、などのケースにも対応してくれます。
意外と幅広い補償範囲です。契約内容によっても違うので、しっかり確認の上、契約をしましょう。
火災保険の対象は?
保証の対象は、「建物」と「家財」になります。
ここで言う「建物」とは、建物本体やそれに付属する門や物置、車庫などのことを言い、「建物本体に付属して動かせないもの」を指します。また、「家財」とは、家具や家電、衣類、カーテンなどの「建物の中にあり動かせるもの」のことです。
「建物のみ」、「家財のみ」、「建物+家財」の中から、ご自身で選ぶことができます。「家財のみ」を選ぶのは賃貸の方ぐらいですね。大家さんが建物の火災保険に入っているのが一般的ですので。持ち家の場合は、「建物のみ」もしくは「建物+家財」になるでしょう。
住宅の火災保険は必要?
総務省消防庁の発表によると平成30年の総出火件数は37,981件あったそうです。
なんと1日に100件もの火災が起きていることになります。その内の半数以上を建物火災が占めており20,764件も発生しています。
この数字を見てどう思いますか?私は、意外と多いんだなぁと感じました。世帯数が5,852万世帯ほどなので、火災に見舞われる確率としては0.03%程度でしょうか。こう見ると、「まぁ、自分たちは大丈夫かな」なんて思ってしまうかもしれません。
しかし、もし実際に火災に遭い建物や家財が損害を受けたらどうでしょう?新しい住まい(建て替える?賃貸に戻る?)を確保し、生活用品を揃えるだけの蓄えがある人は問題ありません。ただ、現実問題、そんな人はほとんどいないでしょう。考えただけでもゾッとしますね。もしもの時に備える保険はとても重要です。
隣家のもらい火は自己責任?
日本には、失火責任法という法律があります。初耳かもしれませんが、「失火」とは過失によって火災を起こすことをいいます。これはどのような法律かというと、「自分の家が火事になり、その火が隣家に燃え移ってしまっても、重大な過失がなければ、賠償しなくて良いですよ」というものです。これは、逆を言えば、お隣の家が火元で自分の家が火事になった場合でも補償してもらえない、つまり自費で自宅の修繕や建て直しをしなくてはいけないことを意味します。これを知ったら、やはり火災保険は必要だ!と思える方も多いでしょう。
火災保険では地震による火災は保証されない!?
そうなんです。実は、火災保険は地震を原因とする火災は保証してくれません。
地震による災害リスクに備えるには火災保険ではダメです。そこで登場するのが地震保険です。地震保険は、地震や噴火、津波による災害を保証してくれる保険です。この地震保険は単独では契約できないので、火災保険に付帯する形で加入することになります。実は、地震保険は保険会社と国が共同で運営する公共性の高い保険なのです。火災保険に入っている人のおよそ65%は地震保険に加入しています。
日本各地に、近いうちに大きな地震がくると言われている地域がありますね。いつ起きるか分からない地震です。そして、ひとたび起きれば甚大な被害を被る可能性があります。地震に備えたい方は地震保険も検討必須です。
地震保険の補償金額は?
地震保険の補償金額は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲です。また、建物は5,000万円まで、家財は1,000万円までと上限が設定されています。地震保険は、火災保険のように実際の損害額を補償するものではなく、「被災者の生活の安定」を目的としています。実際に建物や家財が受けた損害の程度によって、「全損」、「大半損」、「小半損」、「一部損」の4段階に分けられ認定を受けます。そして、地震保険の補償金額に対してそれぞれ100%、60%、30%、5%と決められた割合の額が支払われます。
(通常の火災保険と根本的な考え方が違うので、支払われる金額も違います。ここは注意が必要です)
地震の被害を受けたときに注意すべき点があります。それは、被害状況をカメラなどでしっかりと記録しておくことです。損害の程度が確認できないと保険金が支払われない可能性もあります。被害に遭われてすぐはなかなか余裕がないと思いますが、冷静に動けるように覚えておきましょう。
まとめ
今回は、住宅の火災保険について紹介してみました。火災保険は、自然災害に対してだけでなく、空き巣による盗難などの日常生活上での損害まで幅広く補償してくれます。ただし、地震を起因とする火災や津波などは補償対象外です。火災保険と地震保険は別物と認識してください。お引き渡し直前にバタバタしないように、火災保険は早めに検討しておくことをお勧めします。