こんにちは、長野県の住宅ライターふくだです。
新築で住宅を建てる時に気になることといえば価格のことがありますね。家電なんかを買う時には値引きができますが、住宅、一軒家を新築で買う時にも値引き交渉って出来るのでしょうか? 出来るとしたらどのくらいの金額が値引きしてもらえるのでしょうか?
今回は新築住宅の値引きの金額について考えてみようと思います。
新築住宅の金額の考え方①建て売り、企画住宅
住宅の値引きを狙う上で大事なのが、新築住宅の金額の考え方です。
住宅というのはとにかく金額が分かりにくいですよね。
これ、メーカーが意地悪で値段を隠しているというわけではないのです。業界の体質が古くていくらかは意図的に値段を隠している側面もあるのですが、それ以上に住宅というのは実際に注文が決まらないと金額を出すのが難しいという商品の性質上、金額が分かりにくくなっているんですね。
そういう分かりにくさをなくしたのが、パパまるハウスのようなローコストの企画住宅会社ですね。
すでに住宅の形、内容は決まっていて、一部分(壁紙の色など)だけ変更できるようにしたことで、低価格化と値段の明示を狙ったものです。
イメージ的には建て売り住宅に近いですね。建て売り住宅は先に建ててしまってから売るのに対して、企画住宅は注文をもらってからラインナップの商品を建てるという形です。
どちらも売るものがすでに決まっているので、値段が分かりやすいというのがメリットです。
まただれが住んでもそれなりに使いやすい、万人ウケする機能性、デザインなので失敗しにくいというのも特徴です。
デメリットとしては自分たちの好みの間取りを作れなかったり、近くでまるきり同じ家が建ってしまったり、土地が狭い場合などに土地の形に合わせて家を建てるといったことが難しいということになります。
新築住宅の金額の考え方②注文住宅
建て売り以外だと注文住宅で建てる場合が多いです。
注文住宅のメリットはオーダーメイドで自分の好みを反映させられるのが最大のメリットです。
大きな窓を入れたい、ウッドデッキを付けたい、この部分を吹き抜けにしたいなど、様々なことが出来ます。
意外に思われる方も多いですが、金額も建て売り住宅と比較しても大きく変わらない場合もあります。
むしろ、大手ハウスメーカーの建て売りと全く同じものを建てるなら、地域の工務店で注文住宅で建ててもらった方が中間マージンが少ない分安く建てられる場合も多いです。
注文住宅のデメリットは金額の分かりにくさですね。
というのも、建てる家ごとに掛かる費用が全く違うので、一概に金額を提示することが難しいんですね。
同じ間取りでも、屋根の形、床の材質、外壁の種類などで変わってしまいます。
また、土地が斜めの場所や寒冷地では基礎工事が高くなる場合もあります。
本当に一軒ごとに値段が違いますので、金額表示が難しいんですね。
それでも、昔よりは分かりやすくなってきて、「坪単価いくら」と明示する会社も増えました。
ただ、この「坪単価」というのも厄介なもので、会社によって何まで付いて来るかが違うんですね。
例えば照明やカーテンですね。私の働くエルハウスのコミコミ住宅というラインナップでは照明もカーテンも坪単価の中に含まれていますが、大半の会社ではカーテンは坪単価とは別料金になっている場合が多いですね。
また、設計料は別料金という会社もあります。
本当に会社によって様々なので、実際にかかる金額はいくらかということはきちんと聞いておかないといけません。
住宅の金額は値引き交渉が出来るか?
そんなわけで、実際の住宅の金額が分かってくるのは、ある程度の間取りなどが決まって見積もりが出ます。
何社か比較して決める場合には、このある程度の見積もりが出て、自分の要望にあった会社を選んで、さらに細かいところを詰めていって、さらに細かい金額が提示されるという流れになります。
ところで、住宅は交渉次第で値引きが出来るの?
はい、今回のブログのタイトルの問題ですね。
時々、住宅会社の方の都合、その月の営業ノルマなどの都合で値下げしてくることはありますが、基本的には住宅は値引きはありません。とは言っても、会社によっては値引きするのを前提に価格設定をしている会社も中にはあるので、そこが難しいところなのですが。
基本的には住宅は間取りや仕様が決まって材料費や職人さんの人件費などの目処が立ってから値段が確定します。
ですので、ここから値引き交渉をすると、困ったことになります。
特に困ったことになるのが、
「200万円値引きしてくれたら契約書にハンコを押しますよ」
という値引き交渉ですね。
これに関しては、きちんと断る会社の方が良心的です。
ただ、中には「今月のノルマのために無理してでも値下げして契約を取らなきゃ!」というところもありますよね。
さらに言えば、住宅の営業マンって一件のお客様にかなりの労力を注ぎますので、契約目前で断られるってすごく辛いんですよね。なので、無理をしてでも契約をしたくもなっちゃうんです。
しかし、現実問題として無理をすると、材料代や職人さんの給料を減らさないといけなくなります。工期を短くして、壁の中に隠れる部分なんかでコストカットしていくことになります。
そうなると、無理な工期に間に合わせるために職人さんも手を抜いて作業しなくてはいけなくなったりします。
住宅の金額を値下げする裏ワザ
そんなわけで、基本的には値下げはしない方が得策です。
でも、裏ワザもあります。
それは広告宣伝費を出してもらうという技です!
これは地域の工務店なんかで使える技です。
「広告宣伝費って何?」
『完成見学会』という言葉は聞いたことがない人もいるかもしれませんね。
モデルハウスを持たない地方の工務店や、最近は一部のハウスメーカーなどでもやっていますね。
『実際にお客様が建てた家を期間限定で公開して、見てもらう』というものです。
この完成見学会は、住宅会社のメリットとしては、モデルハウスを建てるコストがかからないですし、維持するコストもかかりません。
また、買う側のメリットとしては、豪華過ぎるモデルハウスじゃなくて、実際のお客さんが建てた『普通の家』を見ることが出来ます。
この『完成見学会』に自分の家を使ってもらうというのが、値引き交渉の裏ワザですね。
これは住宅会社にとって無理がありません。
むしろ、住宅会社にとってもすごくありがたい提案なんですね。
広告宣伝費って、住宅会社では一番金額がかかる部分です。特にモデルハウスの建築、維持の費用は莫大なものです。
『完成見学会』の代わりに値引きしてもらうというのは、双方にとってメリットがあるので無理のない値引き交渉が進められるということになります。
値下げの金額を大きくしたい場合は、
「モデルハウスとして半年くらい使って欲しい、その代わりに◯◯円値引きして欲しい」
という風に長期間使ってもらうよう交渉してみると良いでしょう。
半年間使えるモデルハウスって、住宅会社にとってもありがたいものです。
その他にも、会社によっては実際の家を訪問するツアーなどを開催しているところもありますので、そういうのに協力することで交渉してみると良いでしょう。
値引き交渉の裏技のメリットデメリット
完成見学会に使ってもらうことで値引きをするのは、お互いに無理なく値引きが出来るというのが一番のメリットですね。
ただし、完成見学会という裏技は使うのに条件もあります。
まずは立地ですね。他のお客様を案内しやすい場所じゃないといけないので、あまり田舎すぎる場所などでは出来ないという場合もあります。
また、見学会で他のお客様が羨ましいと思えるような家の方が良いですね。
見栄えが良いグレードが上のキッチンが入っていたりすると値引き交渉が上手くいきやすいかもしれません。
ただし、デメリットとしては、新築の家を自分が住む前に他の人が上がってしまうというのは心理的に嫌だと感じる人もいるでしょう。
もちろん、見学会が終わって引き渡しの時には綺麗にクリーニングしますし、万が一、見学会をしている時に壁紙が傷付いてしまったなどあれば新品に変えてくれるでしょう。
当然と言えば当然ですが、住宅会社は住宅のプロなので新品と同じように修理出来ますので、万が一のことは心配しなくても大丈夫でしょう。
ただ、やはり問題は心理的なところですね。物理的には新品状態で手に入るのですが、心理的にはやはり一番最初に自分たちが住みたいですからね。知らない誰かが入ったことがあるっていうのは嫌という人も多いです。
特に住宅は大きい買い物ですので、「引き渡しは大安に」など縁起を担ぐ人は多いです。
まとめ。住宅の金額は値引き出来ないけど、裏技を上手く使えば
今回は住宅って金額の値引き交渉が出来るかという話でした。
基本的には注文住宅は値引きは難しい、特に無理な値引きをしてしまうと、結局家の質が悪くなってしまうのでオススメしませんが、完成見学会などを協力することで無理がない良い値引きしてもらえる可能性はあります。
また、別の裏技としては、購入後、知人を紹介などすると紹介のお礼がもらえるというところもあります。
注文住宅じゃなく、建て売りの場合には、売れ残りを狙うと値引きしてもらえる可能性が高いです。というのも、住宅って完成してから1年以上経つと『新築』って言えなくなってしまうんです。こうなると値段も落ちてしまい、売りにくくなります。
あるいは、新築じゃなくなってしまった物件を狙うのも良いですね。
ただ、建売で最後まで売れ残っている家というのは、その分譲地の中で日当たりが悪かったり、土地の形が良くないだったり、道路側で車の音がするなどの条件の悪い家の場合が多いですので、そこは理解しとかないといけません。