エコキュートの電気代が高い?原因と対策は?

住宅

こんにちは、長野県の工務店エルハウスのふくだです。
光熱費が安くなるということで人気のエコキュート。ただ、「エコキュートにしたのに、電気代が高い!」という人も時々いらっしゃるんですよね。
実際のところエコキュートは光熱費が安くなるのでしょうか?
そして、電気代が高くなってしまうという人の理由、原因と対策など書いていこうと思います。

エコキュートにすると光熱費が安くなる理由①

エコキュートで光熱費が安くなる理由は2つあります。

まずはどうやってお湯を作るかという原理です。
エコキュートがお湯を作る方法はヒートポンプという原理を使っています。
ヒートポンプと言いますと、エアコンや冷蔵庫ですね。
空気は圧縮すると熱くなります。自転車などの空気入れで、ぐっと空気を入れる瞬間にポンプの部分を触ると温かいです。空気入れの場合、タイヤに空気が移ってしまうと、圧が落ちるのですぐに冷めてしまいますね。
逆に空気は膨張すると冷たくなります。
高校で物理を取っていた人ならボイルシャルルの法則というものを覚えているでしょうか。あの原理ですね。

電気で熱を作る場合、電熱線を暖める方法は電気代がかかります。安い電気ストーブって近くしか暖まらなくて、部屋全体が暖かくならないのに電気代は結構かかりますよね。
電気で直接熱を作るのは効率がよくないんです。
これに対して、電気でモーターを回して空気を圧縮するのはそこまで電気代はかかりません。圧縮して熱くなった空気の熱を家の中の空気に移してあげたらエアコンですね。家の外の空気から熱を取るか、家の中の空気から熱を取るかで暖房と冷房が変わるわけです。
冷蔵庫なら、冷蔵庫の中の空気の熱を外に逃してあげることで中を冷たくします。

エコキュートにすると光熱費が安くなる理由②

二つ目の理由は夜間電力を使えるというところにあります。

灯油は朝燃やしても、夜燃やしても同じ値段ですよね。
電気は違います。昼間は工場やオフィス、商業施設、電車など電気をたくさん使うものがたくさんあります。
しかし、夜はそういったものも休んでいるものが多いです。
つまり、夜は電気が溢れてしまっている状態なんですね。

電気は灯油やガスみたいに保存しておけません
電池は、電気を池のように貯めておけるのですが、電池は化学変化を利用しているのですが、回数に限りがあります
国民全員が使う量の電気を電池に貯めようとしたら、恐ろしい量の電池を消費しないといけません。なので、電気というのは余ってしまうと困るんですね。なので、夜間電力は安くなります。

ただ、昔はすごく夜間電力が安かったのですが、今は値上がりしています。
東日本大震災があってから、原子力発電所が止まったからですね。
原子力発電は一度発電し始めると基本的に止められません。詳しいことは難しくなりますが、核反応が連続することを利用しているからです。中性子をウランにぶつけて、核分裂させて、その時に発生する中性子が、またウランにぶつかって核分裂して、というのを繰り返すんですね。
なので、オール電化というのは、原子力発電を前提にした日本のエネルギー戦略の一つでもありました。

そうはいっても、原子力発電が少なくなりつつある現在でも夜間電力は安いです。以前と比べれば高くなったものの、夜間電力を安く使えるプランは今もありますね。
というのも、火力発電所にしても完全に止めてしまうと、再稼働させるのに物凄いエネルギーが必要になるから、夜間もある程度は発電し続ける必要があるんですね。地熱発電などもそうですね。
夜間電力が発生しない発電は水力発電、太陽光発電などがあります。水力発電については、逆に夜間電力を使って水を汲み上げて、昼に発電するという揚水式というものもありますね。

なんでエコキュートなのに電気代が高くなるの?!

エコキュートなのに電気代が高くなる理由は一つだけです。
昼にお湯を作ってしまっているからです。
「え?!それって故障じゃないの?!」
と思う人もいるでしょうが、故障ではないのです。

YouTubeで見られる家づくり勉強会

エコキュートは基本的には夜にお湯を作ります
それをタンクに貯めて使うのですが、作り過ぎると無駄になって勿体無いですよね。
ですので、お湯を作る量の設定があります。これを越えてしまっているとお湯が足りなくなって昼でもお湯を作ってしまうようになり、電気代が高くなってしまうわけです。

なので、夜にお風呂に入るのはエコキュートの電気代としてはOKなんです。深夜にお湯を作ってくれます。
しかし、朝にお風呂に入ってしまうと、お昼にお湯切れを起こしたりするわけです。

また、翌日にお客様が来て多くお湯を使いそうなら、設定湯量を増やしておきましょう。
もちろん、普段から作るお湯の量を多く設定すると、これも電気代の無駄になります。
昼間には自動沸き上げをオフにするというのも手です。
ただ、オフにしてしまうとオフが足りなくなるとお湯が出なくなるので注意が必要です。

電気代を節約するにはお風呂は保温、追い焚きじゃなくて足し湯

また、光熱費、電気代を節約する上で大事なことが、お風呂は追い焚き保温機能を使わずに、普通に水道からお湯を出して足し湯で温度を上げるというのもコツです。
追い焚き、保温は冷えてしまったお湯を戻してタンクのお湯の熱を使って温め直すのですが、効率が悪いんです。
ヒートポンプで直接水を温めるのと、ヒートポンプで温めた水でまた水を温めるというのを想像してもらうと分かりやすいと思います。直接温める方が効率は良いですよね。

お風呂が冷めてきたら、熱いお湯を足してあげるというのが節約のコツです。

追い炊きの方が水道の節約になりそうですが、水道代より光熱費の方が高いので、足し湯の方がコスパが良いんですね。

また、保温は電気代を使うので、お湯がさめる前にみんな早く入ってしまうようにするのが一番ですね。
でも、保温機能は便利ですからね。いろいろ難しいですよね。

太陽熱エコキュートというのもあるんです

エコキュートの電気代は本当に安いのか、そして、電気代が高い時の対策の話でした。
最後にエコキュートの裏技をもう一つ。
太陽熱エコキュートを使うということです。太陽光発電ではなく、太陽熱です。太陽の熱でお湯を温めるんですね。
太陽光発電で電気を作って、その電気を使ってお湯を温めるよりも、太陽熱で直接お湯を作るのはとても効率が良いんです。
昔の太陽熱給湯器と違って、今の太陽熱給湯器は良くなっています。ヨーロッパなどのエネルギー先進国では広く普及しているシステムです。何せ太陽の光を当てているだけでお湯が作れるんですからね。

ただ、太陽熱との相性だと、エコキュートは灯油やガスよりちょっと複雑になるので、少々不利です。
どうしても最初の機器代が高くなりますし、2020年現在、太陽熱とエコキュートを組み合わせた給湯器を作っているのは国内ですと長府矢崎くらいしかありません。
技術的に難しいといこともありますし、太陽光発電の方が国策として推し進めているという背景もあります。

何にせよ、エコキュートの電気代が高い時には、まずはお湯を使う時間と量を確認してみて下さい。

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