住宅ローンのつなぎ融資とは?普通の住宅ローンと金利が違う?

住宅

こんにちは、長野県の工務店エルハウスのふくだです。
家を建てるとなると、ほとんどの人が住宅ローンを借りますよね。さて、住宅ローンを借りるときに、「つなぎ融資」っていう言葉を聞いたことがある人もいるんじゃないでしょうか。「つなぎ融資って何? 普通の住宅ローンと違うの?」って思う方も多いんじゃないでしょうか。
今回は住宅ローンのつなぎ融資とは何かということと金利、手数料などの違いについてです。

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住宅ローンのつなぎ融資とは?いつ必要?

つなぎ融資とは何か。
新築の住宅を購入する時に使うことが多いですね。また、土地を買って家を建てる場合にも使います。
新築で住宅を購入しますと、購入を決定してから、契約、工事開始、完成、引き渡し、入居といった手順で家を手に入れることになります。

問題になるのが住宅のお金をいつ払うかという問題になります。
普通の買い物の場合、商品の引き渡しの時に全額支払うというのが一般的ですが、注文住宅の場合、一般的に契約時、工事着工時、工事の途中、引き渡し時などといった具合で数回に分けてお金を払うことが多いです。

住宅の場合、どうしても金額が大きいということ、住宅ローンとアパートの家賃を二重で払うと大変であること、また工事を始めるには大工さんや、材料屋さんに支払いが必要になるなどの理由から、着工金など、何分割かしてお金をやりとりする必要があるんですね。
住宅会社も、お客様もどちらも安心して家が建てられるようにするために必要なシステムなんですね。

また土地を購入する場合には、工事が始まる前には土地を購入しておかないといけないので、やはりこれも先に支払う必要がありますね。

建て売りやマンションなど完成物件の購入の場合はこういうことはありませんね。

住宅ローンのつなぎ融資とは一体何?

さて、物件を引き渡してもらう前に支払いが必要ということですが。

今住んでいるアパートとダブルで家賃がかかるのはしんどいんだけど

そうなんです、住宅ローンの支払いがアパートに住んでいるうちから始まると大変なんです。
なので、一般的には最終的な住宅ローンの実行は工事が完了して引き渡し前などになることが多いです。
現実問題として、そうじゃないと契約から家が完成するまでの半年近く、今住んでいるアパートの家賃と新築のローンがダブルでかかるなんてほとんどの人にとって厳しいですからね。

じゃあ、住宅ローンが実行される前の支払いはどうするのさ?
はい、それがつなぎ融資ですね。
イメージ的には住宅ローンの前借りみたいなもの、と考えると分かりやすいかもしれませんね。

普通の融資だと借りたら、次の月から返済しないといけませんよね。
でも、つなぎ融資は住宅ローンでまとめて返済するようになっていますので、新しいおうちを手に入れてから月々の支払いを始められるんですね。

つなぎ融資のおかげで、新築の家が手に入る前に土地を買ったり、着工金を払ったりということが出来るというわけです。

つなぎ融資の金利は普通の住宅ローンより高い?

住宅会社で資金計画をしてもらうと、「つなぎ融資金利」という言葉が出てくるかもしれません。

はい、便利なつなぎ融資なのですが、普通の住宅ローンよりも金利が高いんですね。
普通の住宅ローンの金利が0.5〜1.7程度だとしたら、つなぎ融資は3くらいというイメージですね。(金利の数字はあくまで目安です。金融機関、時期、金利の種類などで変わります)
場合にもよりますが6倍近い金利がかかる場合もあります。

つなぎ融資の金利は普通の住宅ローンと比較すると高く見えますが、実際には普通の住宅ローンが35年なのに対して、つなぎ融資は着工から4〜6ヶ月程度で引き渡しなので、だいたい半年程度ですので、
「6倍の金利?! つなぎ融資なんて借りられないよ!」
というほどの金額にはなりません。

例えばですが、総額で2800万円の借り入れでつなぎ融資の利子を3%として考えますと、
土地1000万円→つなぎ6か月=1000×6か月/12か月×0.03(金利3%)=15万円
着工金600万円→つなぎ4か月=600×4/12×0.03=6万円
中間金600万円→つなぎ3か月=600×3/12×0.03=4.5万円
完工、住宅ローン実行600万円→0か月=つなぎ融資じゃない
つなぎ融資利子合計=25.5万円
と行った具合で計算が出来ます。

実際には金融機関でつなぎ融資の利子を確認して計算してみて下さい。

それでも、やはり住宅ローンの利子と並べてみると、つなぎの利子は高く見えますね。
なので、利息のことを考えれば、つなぎの期間が一番長くなる土地についてはいくらかでも現金を出せると良いですね。

住宅ローンとつなぎ融資の金利以外の手数料

住宅ローン関係で厄介なのが金利だけじゃなくて、手数料、保証料というものが発生するということですね。

「え?金利以外にもまだお金がかかるの?!」

はい、金融機関とは貸し付けで利益を得ていますからね。銀行にお金を預ける時に、手数料って基本的にかかりませんよね。(コンビニのATMなんかで時間外で預け入れるとお金かかりますけど)
なので、お金を貸すときにはしっかり金額がかかります。

今回はつなぎ融資の話ですが、住宅ローンの手数料、保証料については本当に注意が必要です。金利だけで見ないように注意しましょう。金利が安いけど、手数料が高いということは多いです。

「つなぎ融資の方にも手数料ってあるの?」
これは銀行によります
必ずというわけじゃないですが、金利の安いインターネット系のところの方が手数料が掛かるところが多いですね。
普通の銀行は、自分のところで借りる住宅ローンのつなぎなら手数料はなしで、金利のみというところも多いですね。
もちろん、100%ではないですので、普通の銀行でも手数料などがかかる場合もあります。

つなぎ融資に対応していない銀行もある?

一番、気にして欲しいのが、つなぎ融資に対応していない銀行もあるということです。
たとえば、有名どころですと、auじぶん銀行ですね。ネット銀行で、住宅ローンの金利が安いのが特徴ですが、つなぎ融資をやっていません。
この場合、別の銀行でつなぎ融資だけしてもらうということになりますが、これは結構厄介なんです。というのも、一般的にはつなぎ融資と住宅ローンの本融資ってセット、同じ銀行でやるのが一般的です。
ですので、分かれてしまうと大変なんです。

低金利のネット銀行系ですと、楽天銀行、ARUHIなどがつなぎ融資に対応しています。
ただ、やはり先ほど出たようにネット系の金利の安いところはつなぎ融資で手数料がかかってしまうというのが弱点ではあります。
たとえばARUHIだと手数料で10万円、結構良い金額ですよね。(2020年現在の数字です)

それでも、ARUHIの保証型フラット35の金利はすさまじいですからね。
35年長期固定金利でこの利息でやっていけるの?!と心配になるほど安いです。

ある程度、自己資金が用意できて、そういう手続きが面倒じゃないという人の場合は、ネット系の金利の安い住宅ローンは良いですね。

ただ、やはり分かりやすい、間違いないという意味では、近くのいつも使っている銀行っていうのは良いですよね。
さらにあまり大きな声では言えませんが、こういう対人で交渉するタイプの銀行ですと、表に出ているよりも金利って安くなることもあります

この辺の交渉は工務店などに頼むと手伝ってくれる場合もあります。
大手メーカーの場合、営業=営業しかしないというところが多いですが。工務店の営業って結構何でもしますからね。現場に行って、現場監督さながら、ほうきで現場の掃除をしたり、資材の片付けなんかすることもあります。現地調査なども営業でやる場合もあります。
(ちなみにエルハウスは割とマルチにすべての仕事をする会社ですので、結構大変なんです笑 でも、様々な面からお客様のお役に立てると思います)
人件費削減のため、割とマルチに動くので、銀行なんかへの話もしに行くわけです。

こういう点では地域の工務店は融通が効くので良いですね。

まとめ。つなぎ融資は住宅ローンの前借りみたいなもの。

つなぎ融資のお話でした。
つなぎ融資とは住宅ローンの前借りみたいなものと考えてもらうと分かりやすいですね。
基本的には住宅ローンの本融資を受ける銀行でします。
どこで住宅ローンを借りるか決めるときには、表面の金利だけじゃなく、保証料、手数料、そしてつなぎ融資のこともチェックしておくのは大事ですね。