老後の終の棲家に平屋!メリットとデメリットは?

住宅

こんにちは、松本、諏訪地域の工務店エルハウスのふくだです。
人生100年時代ということで、定年退職を機に老後を快適に暮らすための終の住処として平屋を建てるという方も増えました。平屋は、若い人からも人気がありますが、老後の家としても階段がなくて楽なので人気があるのですね

今回は老後を快適に過ごすための平屋のメリットとデメリットについてです。

どうして老後の家?

そもそもに老後の家なんてどうして建てるの?今住んでいる家で良いじゃない。

そういう人も少なくないかもしれません。
もちろん、今の住まいが快適な場合、それが一番ですよね。

しかし、実際に老後の家を建てる人の理由として、
寒い
階段がしんどい
子どもが出た後は広すぎる
・今の家のリフォームやメンテナンスの費用などを考えると修理しながら住むのも微妙
・通勤などがなくなったので、通勤の便利の良い土地じゃなく、静かな郊外に住みたい
などがあります。

老後の平屋のメリット①階段がない

老後の家として平屋を建てる一番のメリット階段のことを言われる方が多いですね。
今は大丈夫でも、年を取るにつれて段差がしんどいという人は多いです。
また転倒によるケガのリスクもあります。

高齢者の転倒はそのまま寝たきりになってしまうリスクもあります。
高齢者の転倒する場所として、屋外よりも屋内の方が多く
・一番多いのはリビング、居間などのメインの生活スペース
・次に多いのが玄関の段差
・そして階段が来ます。
統計によって違いはあるものの、この3つの場所が室内での転倒の半数以上を占めます。

逆に昨今のバリアフリーの考え方として、日々、階段を上ることで足腰を鍛えるという考え方もあります。
ちょっとスパルタな感じもしますが、実際問題として、全然歩かないでいると若い人でも体がなまっていきますよね。生活の中で体を使うように仕組みを作るというのは、これからの高齢化社会では大事な考え方でしょう。

階段のように大きい段差よりも、リビングの扉の敷居などの数センチの小さい段差の方が転倒のリスクは高いんです。小さい段差は気付かないで転倒することがあるんですね。先ほどの転倒場所の準備でも階段よりもリビングなどのあまり段差のないところが上位に来ていますね。

ただ、階段のリスクは転倒したときには下まで落ちるので大きなケガにつながるということです。

なので、理想的な段差は、
・転倒のリスクがないように、分かりやすい段差であること。
無理なく登れるような段差であること。
手すりなど無理せず、登れる工夫があること。
というものでしょう。

やはり1階から2階までの上り下りって大変ですし、危ないです。
ちょっとした玄関の段差なら手すりなどを付ければむしろ足腰のトレーニングにも良いのですが、現実問題として子どもが出て行った後は2階の子どもの部屋は誰も使わないし、2階にはずっと行っていないという家も少なくないですよね。

老後の住居としてはやはり階段のない平屋は便利ですね。

老後の平屋のメリット②掃除も楽

最初のメリットの階段の話とも通じるところがありますが、住む人の数が少なくなればコンパクトな家の方が暮らすのに便利です。広い家は掃除も大変ですよね。
平屋のメリットルンバがあれば、基本的な掃除はルンバ任せにしやすいというところでしょう。
また、老後で改めて建てる家の場合、20~25坪程度とコンパクトに家を建てる方が多いですので、使わない部屋がなく掃除が楽です。もちろん、コンパクトに作る方が予算も抑えやすいです。
逆を言うと終の住処の間取りのコツ必要最低限にコンパクトに作るというのもポイントの一つになります。

老後の家のメリット③メンテナンス費用

老後の家と言うと、今まで賃貸や社宅に住んでいた人が買うイメージもあるかもしれませんが、実際にはすでに家を持っている人で買う人も多いです。

というのも、若い頃に建てた家が築30年を迎えるというタイミングにもなるからです。
築30年というのは住もうと思えば、まだまだ住めるものの、給湯器など設備外壁の塗り替えなど、メンテナンスが必要な場合が多いです。

新築費用メンテナンス費用ですと、もちろん、新築費用の方が高い場合が多いです。
しかし、若い頃中古で家を買ったという人の場合、築50年くらいとなると壁などをすべて外してのフルリフォームになる場合も多いですので、その場合は新築で建て替えても同じくらいか、フルリフォームの方が逆に高い金額になる場合もあります。

そういったことを考えると、建て替え、あるいは今の家を売却して少し郊外の土地が安く静かな地域、もしくはお父様、お母様が住んでいた家を建て替えして終の棲家を構えるという方も多いです。

今の築年数も大事ですが、20年先までのメンテナンス費用も考えると新築にするという方も多いです。
いったん新築すれば、とりあえず20年程度はそこまで大きなメンテナンスなしでも住んでいけますからね。

長野県の場合、寒いので老後の家

また、地域柄もありますが、筆者の住む長野県の場合、寒さ老後の家を建てる理由で上位に入ります。
昔の家と今の家って、いろいろなものが変わっていますが、暮らしの中で一番実感するのは寒さでしょう。

昔の家、特に2000年より前の家は断熱材の施工など、断熱関係についてあまり注目されていなかったこともあって暖かい家というのが少なかったのです。今は断熱はどこのメーカーも力を入れているポイントですので、暖かい家が増えました。
また、にについても今ではペアガラス(二重ガラス)は標準になっています。特に高断熱タイプの家だと、窓のフレームについても樹脂製のものを使ったりトリプルガラスを採用しているところもあります。
昔はそういった高性能な窓は価格が高かったですが、今は供給量も増え、価格も手ごろになりました。

長野県は寒いです。
そして、長野県の住宅で難しいのは、本州なのにこの寒さということです。
特に地域によっては標高がかなり高いため、同程度の緯度の県と比較すると飛びぬけて寒く東北などと同程度の寒さになります。私の住む茅野市も場所によっては標高1000m、冬はマイナス10度になるのも普通と、本州では驚くほどの寒さになります。

特に老後の生活では健康面を気にする方がほとんどです。
部屋と部屋の温度差による心臓麻痺などの疾患をヒートショックと呼びます。断熱性の良い家は家全体が暖かくヒートショックなどの病気を予防できます。また、ヒートショック以外にも温度差による体への負荷、ストレスが減らせるというメリットがあります。

老後の時間を趣味で過ごせる家

また、老後は時間が出来ます。孫が生まれて、その育児の手伝いなどで意外と忙しいという声もありますが、やはり子育て、仕事から離れると自由になる時間が出来ます。特に家で過ごす時間というのは増えます。
自由な時間を暇で苦痛と感じるか、趣味などの時間をゆったり過ごせて嬉しいと感じるか。
人によって価値観は様々ですが、若い頃は仕事が多忙で家は帰ってご飯を食べて眠るくらいだったという人も、家で過ごす時間が増えて、家の快適性心地良さを求めるようになる人も多いです。

若い頃の家は、「家族が守れて、眠る、食べるに困らないように」という目的が強いのに対して、老後の家は、家で過ごす時間が増えるので、「家の中での時間の質が重要になる」という人が多いんですね。

老後の家の金額

「老後の家が人気があるのは分かったけど、問題は金額ですよね」

はい、やはり家は安いものじゃないので金額は大事ですね。
特に老後の家の場合、定年を迎えて仕事が終わるので、若い時と同じ金銭感覚で支出を考えるわけにいきません
逆に若い頃と違い、手元の現金があるという人もいますので、その気になれば少々高い家でも買える、でも、蓄えておかないといけないという問題も出てきます。

老後の家は自分へのご褒美として、とにかく豪華に建てたいという人も中にはいますが、どちらかと言えば、別に豪華じゃなくて良いから暮らしやすく快適でコンパクトな家を建てたいという方が多いです。
快適にしたいので安すぎてもいけない。でも、残りの人生を豊かに暮らすための貯蓄は持ちたいから、高いのは良くない。なので、コンパクトにして価格を抑えながら、ちゃんと断熱などの性能がしっかりした家リビングなどの居心地が良い家を求める方が多いです。

住宅は大手ハウスメーカー、地域工務店、ローコスト系ビルダーなどで価格帯が全く違います。
価格を優先させるか、安心感を優先させるか、人によって価値観は様々ですので、よく調べて自分たちの価値観に合う家が建てられると良いですね。

また、都市部ではリバースモーゲージと言って、自分たちの死後、家を売却する代わりに、生きている間にお金を借りるという仕組みもあります。
リバースモーゲージについては、メリットデメリットもありますが、快適な老後のための家とお金のバランスを取るための方法の一つとして利用する人もいますね。

まとめ。老後が豊かになるコンパクトな平屋

老後の家、特に昨今人気のある平屋についての話でした。
実際、老後の家を建てるのは、資金面できちんとした計画を立てることが大事です。
住宅会社の人間が言うのも変な話ですが、どんなに立派な家を建てても、その中での暮らしが貧しかったら本末転倒です。
良い家を建てることは素晴らしいことです。感動、夢があります。
ただ、それ以上に大事なことはその家の中での暮らしです。

定年退職を機に収入と支出のバランスは大きく変わります。
定年を機にFP(ファイナンシャルプランナー)に相談する人も多いです。終の住処を建てる金銭的なメリットデメリットを整理して、自分たちにとって価値があるか、無理がないか、きちんと余裕資産は作れるかといったことを整理することが大事ですね。