こんにちは、松本、諏訪地域の工務店エルハウスのふくだです。
「家が欲しいとは思うけど、住宅ローンを組んで、途中で事故などで死亡してしまったら、家族にローンが残ってしまうと考えると怖いんですよ」
そういう相談を先日頂きました。
家を建てたことがある人は知っているのですが、住宅ローンを組む時には、途中で死んでしまったり、もしもの時のために団体信用生命保険、略して団信というものに入ります。ですので、残された家族にローンが残るかもしれないという心配はしなくても大丈夫なんですよ。
今回はそんな、住宅ローンが残っているのに死んでしまった時のための保険の団信などのお話です。
もしもを考えると、実は賃貸が一番危ない
最初の冒頭で今回の話のほとんどを書いてしまったのですが、住宅ローンを組むときには団信(団体信用生命保険)というものに入りますので、
「住宅ローンが残った状態でもしものことがあったらどうしよう」
という心配は必要ありません。
むしろ、実は一番危険なのは賃貸で暮らしている家族なんですね。
もちろんですが、賃貸の場合、家族の稼ぎ頭の人にもしものことがあって、死亡してしまうと、次の月からの家賃の支払いに困るようになります。
マンションを一室購入するために住宅ローンを組むという場合も、団信は入るのですが、マンションの場合、マンションの購入費用とは別に管理費を毎月払う必要があります。この管理費が意外と良いお値段します。また、管理費以外にも積立修繕費などもかかります。
(もちろん、賃貸の家賃ほどの金額ではないのですが)
そういった面で考えると、一戸建てを建てるのは、自分にもしものことがあった時に、団信で住宅ローンはすべて払ってもらえて、残された家族に住居を残せるというメリットもあるんですね。
住宅ローンの団信とは?
住宅ローンの団信とは、団体信用生命保険の略ですね。
死亡した場合などに、残りの住宅ローン残高を払ってくれる生命保険です。
後で書きますが、死亡以外にも特約で三大疾病など補償範囲を広げることも可能です。
団信は必ず入らないと住宅ローンは組めない?
フラット35以外の住宅ローンでは原則として団信への加入が必須になります。
なので、フラット35以外のほとんどの住宅ローンでは金利の中に団信の金額も込みになっている場合が多いです。
(※それに対してフラット35では団信は任意となっています)
銀行としても、もしものことがあった時に、残りのローン残高を支払ってもらえないと困りますからね。
借りる側にとっても、貸す側にとっても団信は大事なんですね。
フラット35は団信は不必要?
一般の住宅ローンでは原則として団信への加入が必須なのに、フラット35では団信は任意加入となっています。つまり、入っても入らなくても良いですよ、と。
フラット35は住宅金融支援機構という政府の出資している団体がやっている住宅ローン、つまり「国の住宅ローン」というイメージですね。
国は国民の衣食住を守らなくてはいけないので、そういう仕組みがあります。
フラット35の特徴、メリットは、
・35年間全期間固定金利
・審査基準が比較的優しい
・保証料がかからない
・団信は任意加入
ということがあります。
どうしてフラット35では団信は任意なの?
フラット35では団信が任意ですが、一見すると、
「え? 団信無しなんて怖いじゃない。なんで? 国の住宅ローンなのに」
と思う人もいますよね。
団信は生命保険の一種ですので、健康上の理由で入れない場合があります。
健康上の理由で団信に入れないと、フラット35以外の普通の住宅ローンは組むことが難しいんですね。
ですので、フラット35では、団信に入れない人、健康上、保険に入るのが不利な人でも住宅ローンが組めるように団信は任意加入となっているんですね。
団信以外の生命保険を使う?
フラット35は団信が任意ですので、団信以外の一般の生命保険を使うという方法もあります。
要は団信じゃなくても、普通の生命保険で住宅ローン残高と同じだけの保険金が下りるものに入っていれば良いわけです。
私が知っている方でも、ARUHIのスーパーフラット35に一般の生命保険を組み合わせてローンを組んだ方もいます。
(※スーパーフラットとはフラット35の一種。詳細は別の記事で書きますので、気になる方は参考にして下さい)
団信以外の生命保険を使うメリット
団信以外の生命保険を使うメリットですが、繰り上げ返済で早く返済するという可能性が高い人の場合、安くなる場合もあります。
団信じゃない生命保険を使うメリットは、自分のライフプランに合わせて自由に保証内容を選べるということでしょう。
一般的の生命保険を団信代わりに使う場合、逓減型の定期保険というタイプの保険を使うことが多いです。この保険は、死亡時にもらえる保険料が期間とともに少なくなっていくというタイプのものです。住宅ローン残高も支払うごとに減っていきますので、それに合わせた金額のものを選ぶことが一般的です。
ただし、住宅ローンを35年間フルで支払う予定の場合には、団信の方が総額で安くなることが多いです。
しかし、現実には給料って年齢とともに増えていきます。ですので、多くの方が繰り上げ返済をして、早くにローンを払い終わることで、支払う金利を減らします。
なので実際には35年じゃなく20年程度で完済するという人も中にはいます。
この場合、20年間だけ保証のある一般の定期保険に入るというのも一つの方法なんですね。
しかし、保険もいろいろな種類のものがあります。
このあたりはライフプラン、人生戦略になりますので、保険に強い専門のFP(ファイナンシャルプランナー)さんに有料でも相談してみる価値はあります。
(私の働くエルハウスでも、お客様の希望に応じてFPさんをご紹介することも多いです。社内に2級FP資格所有者もいますが、保険まで含めての広いライフプラン相談の場合には外部の専門のFPさんをご紹介しています)
団信はガンなどの特約は付けるべきか?
団信には死亡保障だけでなくガンや三大疾病などの特約を付けることもできます。
もちろん、保険料は上がります。
団信の特約を付けるべきかどうかということについては、トータルでの保険の戦略になります。
すでに今入っている保険でガンなどの保証をしっかりしているのであれば、団信にガンなどの特約を付ける必要がないという人もいます。
また、ガンなどの病気については、あくまで統計上ですが、高齢の方がかかりやすいです。団信は住宅ローン残高を補償する保険です。その頃には住宅ローンの残高も減ってきています。なので、せっかくガン特約を付けて、それなりの金額の保険料を払うのに、年をとってから大きい病気になっても、それまで払った金額の割にもらえる金額が小さいということもありえます。
特約の内容にもよりますが、団信はあくまで住宅ローンのために、ガンなどの病気については別途で考えた方が分かりやすいかもしれませんね。
特約については、ご自身が現在入っている保険と合わせて考えるのが大事です。
まとめ。もしもの時のために団信で一戸建て
「住宅ローンが残った状態で死んでしまったら、家族にローンを残してしまうんじゃないか?」
という心配をする人も多いのですが、実はその点では一戸建ては団信があるので一番安全とも言えます。
残された家族の住居を確保できますし、もしもの時には、団信でローンが終わった家と土地を売却して奥様(旦那さん)の実家に戻るという選択肢も打てます。
フラット35の場合は、団信以外の保険を使うことも可能です。
ただ、団信でも他の生命保険を使う場合でも、注意しないといけないのは保障される範囲ですね。死亡は大丈夫でも障害などは特約じゃないとカバーできないということもあります。
かといって、特約をいっぱい付けると随分、良いお値段になってしまいます。
住宅ローンを組むときは、保険など、人生全体のお金を見直すのに良いタイミングでもあります。
住宅ローンの金額もとても大事です。
「みんな家を建てる時にはこのくらいの金額は使っているから」
ではなく、自分にとって無理なく、人生が楽しく過ごせるようにお金の戦略を立てるのはとても大事ですね。
専門のFP(ファイナンシャルプランナー)さんへの相談は有料の場合もありますが、人生のお金の戦略の分岐点でもあるので、一度は相談してみるのもオススメです。住宅会社の住宅だけに強いFPさんじゃなく、保険など幅広く強いFPさんに相談すると人生全体のお金を考えやすいでしょう。