耐震等級3相当の相当ってなに?弱いの?

住宅

こんにちは、松本、諏訪地域の工務店エルハウスのふくだです。
家を買おうと思った時、耐震等級という言葉を聞いたことがある人も多いんじゃないでしょうか?
また、耐震等級3相当という言葉を聞いて、

相当ってなに? 耐震等級3ではないの?

「そもそも耐震等級って何なの?」

そう思った人も中にはいるんじゃないでしょうか?
今回はそんな耐震等級ってなに?っていうお話です。

YoutTubeの解説動画はこちら

耐震等級は3段階。耐震等級3が一番良い!

まずは耐震等級って何?というところからでしょう。

耐震等級とは3段階で決まっていて、数字が大きいほど良いです。

耐震等級1とは建築基準法で決まっていて、数百年に一度の大地震震度6強から震度7でも倒壊、崩壊しない程度、数十年に一度の震度5強の地震なら損傷しない程度という風に決まっています。
この耐震強度1については基本的に今新築される建物はどの建物でもクリアしています。
これに対して耐震強度2その1.25倍の地震力、耐震強度31.5倍の地震力に耐えられるという基準になっています。こちらは品確法という法律で基準が決まっています。

なので、耐震強度3あれば、今の日本の建築の基準では一番地震に強いという基準で建てられているということになります。

耐震等級3相当の相当ってなに?

さて、よく疑問に思われるのが、耐震等級3相当相当って何?というところですね。

耐震等級2以上の認定を受けるには、住宅性能評価機関という専門機関の認定が必要になります。
そのためには構造計算などが必要になったりと、認定を受けるためにはそれなりのお金が必要になります。これが数万円なら良いのですが、数十万円という単位でかかってきてしまうのです。

そこで出てくるのが耐震等級3相当です。

専門機関の認定を受けるにはお金がかかるけど、実際にはお金さえ出せば認定は受けられるよ、っていう状態ですね。

認定に必要なお金を節約できますので、家の金額を抑えられます

耐震等級3相当は本当に耐震等級3と同じなの?

一番気になること、疑問に思うポイントとして、

本当に耐震等級3と同じになっているの?

ということですよね。
これについては、変わった間取りさえしなければ、本当に耐震等級3だと信じて良いでしょう。

というのも、ちょっと専門的な話になりますが、耐震等級の基準を満たすためには、耐力壁、筋交いなどの柱と柱の間を強くするための構造が一定以上、適切な位置に入っていて、柱と梁などの構造を補強する金物が使われていれば良いというだけなので、そんなにお金がかかるものではないんです。
ですから、ここで嘘を付いたとしても、ほとんどコストダウンになりませんし、嘘と分かった時にはその会社は耐震偽装問題でほぼ間違いなく倒産してしまうので、嘘を付くメリットがないんです。

間取りによっては地震に対して弱くなる

ただ、変わった間取りさえしなければというのが重要です。
特に昨今はリビングを広く取りたいという要望が多いですので、一階に広いリビングを作るので、一階部分に壁や柱が少ないという間取りもあります。
こうなると、普通の間取りなら耐震等級3が出る建築部材で作っていても、正確な構造計算をしていくと、耐震等級3に必要なだけの数値が出ない場合があります。
また、数値の上では耐震等級としては問題がなくても、実際には、柱が家の片側だけ少ないという構造は力にかたより、ねじれが出来ますので地震に対しては不利になります。

ですので、構造的な意味での理想としては、リビングは狭い方が良いです。昔の家のように、キッチンとダイニング、リビング、居間と壁で分かれている方が構造的には有利です。あるいは二階リビングの方が望ましいでしょう。

でも、そういう間取りって今は少ないですよね。
現実的には、間取りってみなさん大事にします。完全に耐震強度3じゃなくても、使われている建築材料などは十分強いものを使っているので、間取りを優先するという方も多いです。

耐震等級3の認定と地震保険

耐震等級3の認定を取るメリットとしては安心もありますが、地震保険の保険料が安くなるということもあります。
その他にも長期優良住宅の認定を取るにも耐震等級2以上が必要になります。長期優良住宅についても税制の優遇などがありますね。

しかし、一般的には耐震等級3の認定を取るための費用地震保険が安くなる金額を比較すると、耐震等級3の認定を取る費用の方が高いか、変わらないかぐらいなので取らないという人も多いです。
長期優良住宅についても似たようなことが言えます。

しかし、耐震等級3の認定を取るメリットとしては、家を売る時に有利になるということがあります。売却も見越して家を建てる場合は、耐震等級や長期優良住宅を取っておくのも良いかもしれませんね。

制震、免震と耐震は違うの?

耐震とよく似た言葉として、制震、免震という言葉もありますね。
これについては、似ているのですが耐震とは無関係です。

耐震は家の構造自体の強さで決まります。がっちりと構造的に強くなっているかです。
制震は制震部材、制震ダンパーや制震テープなど、地震の揺れを吸収するようなものが家に入っているかどうかです。
免震は揺れ自体を無くすようなイメージですね。地面と家の間に免震装置を入れて、外は揺れていても、家は揺れないというようなイメージです。

よく似た言葉ですが、耐震等級が高いから制震にもなっているというわけではなく、別のものです。
制震については最初から標準装備の会社もありますし、標準では価格を抑えるために制震はなしで、希望の人だけオプションで入れられるようにしている会社もあります。
これについてはどちらが得とも言えないですが、標準ではなしで自分の予算に応じて選べる方が当初の予算をオーバーしにくいので、エルハウスでは標準では制震ダンパーなし、オプション扱いとしています。

制震についてはこちらの記事もどうぞ

耐震?免震?制震?制震ダンパーはどうしてオススメ?

まとめ。耐震等級3相当でもちゃんと地震に

耐震等級3相当の相当ってどうなの?なんか怪しい響きじゃないの?っていうお話でした。
相当でもきちんと耐震等級3が取れる建築部材で家は作られているので基本的には大丈夫です。
ただ、あまりに広いリビングなど間取りによっては地震に対して不利ということは覚えておいた方が良いですね。

耐震等級3の認定については、取得に別途費用がかかること。地震保険がいくらか安くなりますが、認定のための費用を考慮すると、そこまで得になるわけではありません。場合によってはマイナスになる場合もあります。

余談ですが、地震保険、火災保険については防火などの方が保険料を下げる効果はあります。地震保険は火災保険の特約として付けるので、火災保険本体が安くなると、地震保険も安くなるんですね。

耐震等級3の認定については、認定の費用がかかること、間取りの制限がかかる可能性があるということ、少し時間がかかるということを理解した上で、取得したい場合は住宅会社に頼めば認定を取得できますので、気になる人は住宅会社の人に相談してみると良いですね。