こんにちは長野県の住宅ライターふくだです。
長野県の冬は寒いですね。暖房器具って重要ですよね。
そんな中で最近、人気があるのが床暖房。じんわり暖かい、空気が汚れない。赤ちゃんがいる家庭でも安心。そんなわけで昨今、床暖房が非常に人気です。
さて、そんな床暖房ですが電気代も気になるところ。
他の暖房などと比較して床暖房のメリット、デメリットなどを話してみようと思います。
いきなりですが、床暖房のデメリット
さて、いきなりですが、床暖房のデメリットから考えてみましょう。
床暖房のデメリットはシンプルです。
エアコンと比較して、暖房器具としてのメリットが少ないということに尽きます。
・設置費用が高い。
・メンテナンスの費用が高くて大変。
・それなのに、普通のエアコンと比較して、別に電気代が安いわけでもない。
・エアコンみたいに冷房が使えない。
ただ、エアコンと違って良いところは、エアコンは空気を動かす=風が起きるのですが、床暖房は空気を動かさない、家の中の空気をじんわり暖めるというところが良いです。
じんわり全体を暖める、この暖め方に価値を感じる方には床暖房はとても良いですが、
特にそこにこだわりがなければ、エアコンの方がトータルの性能では優秀な点が多いです。
床暖房の電気代って安いの?
床暖房のメリットは何となくみなさんご存知でしょうから、後に回すとして、最初にみなさんが一番気になっている床暖房の電気代について考えてみましょう。
床暖房に限らず暖房器具の電気代を考える時に大事なのが『全館暖房』かどうかという考え方です。
昔の家は断熱性能が良くなかったので、部屋を温めてもしばらくするとすぐに寒くなってしまいました。
これに対して、昨今の住宅は断熱性がしっかりしています。環境問題などの兼ね合いもあって、国が主導して住宅の断熱性を向上させようとしていることもあって、20年前の住宅と比べると今の家は驚く程暖かいです。
断熱性能が上がったことで、かつてでは難しかった『全館暖房』つまり家の中全てが暖かいということができるようになりました。
全艦暖房のメリットは家中快適です。家の中での温度差による心筋梗塞などの病気「ヒートショック」の防止にもなります。
何よりも快適ですね。
ただ、いかに断熱性能が上がったとは言っても全館暖房ってどうしても電気代はかかります。
家全て暖めるわけですからね。一度暖まれば断熱性能が良いので、大丈夫なのですが。
最初暖まるまでの速さと電気代という意味では、一つの部屋を暖めるだけの方が効率は良いです。
なのでアパートから新築を建てるとなった時に「ヒートポンプ式の床暖房にすれば安くて暖かい!」と思っていたら、全館暖房を全開にしていると、意外と安くないということもあります。
アパートの一室を温めるのと、一戸建てをまるごと全て温めるじゃ、使う熱量が違うので当たり前ではありますが。
それでも、「家をまるごと暖めているのにこの電気代か」と感動出来る程度には今のヒートポンプ式の床暖房は優秀ですね。
床暖房の種類、ヒートポンプ式の電気代は安い?
床暖房にも種類があります。電気で使うものですと、大きく分けるとヒートポンプ式と電熱式の二種類ですね。
最新のものはヒートポンプ式ですね。ヒートポンプと言いますと、エアコンと同じ原理で、外の空気を圧縮して暖めて、外にある熱交換器で熱を室内に持って来て、室内にある熱交換器で暖かい空気を家の中に、冷たい空気を外に排出するという仕組みです。
そう、熱(ヒート)をポンプするからヒートポンプ式なんですね。
冷蔵庫なんかも同じ原理ですね。コンプレッサーで空気を膨張圧縮することで熱をコントロールするんですね。
これに対して電熱式は電流を電熱線なんかに流して発熱させるという、一番シンプルな方法ですね。
ホームセンターなんかで1980円とかで売っている安い電気ストーブはこれですね。
ヒートポンプ式は電気代が安いことがメリットです。電熱式は電気代が高いです。安い電気ストーブを一日中付けているとなかなかスゴイ電気代になった経験って誰しもありますよね。
なので、昨今の電気式の床暖房は基本的にはヒートポンプ式が主流です。
ただ、ヒートポンプは寒い地域だと効率が落ちてしまうのがデメリットです。外の空気が寒いので、ヒートポンプで交換出来る熱量の効率が悪いんですね。技術が進歩しているので、昨今は寒冷地でもかなり良くなっているようですが、弱点であることには変わりありません。
また、エアコンを使っていると分かると思いますが、ヒートポンプ式は暖かくなるまでの立ち上がりが悪いというのもデメリットです。
部分的にするならヒートポンプじゃない床暖房の方が
「じゃあ、ヒートポンプ式の床暖房の方が良いんじゃないの?」と思う方も多いですが、ヒートポンプ式はとにかく設置費用が高くて、大々的です。
なので、リビングだけなので、局所的に入れるのであればヒートポンプじゃないものを使う場合も多いです。
メイン暖房はエアコンで、寒い時に部屋が暖まるまで補助的に床暖房を使うという場合には、こちらの方がオススメです。
電気代か灯油、ガス代か。どれが安い?
灯油やガスなど、電気じゃない暖房もありますね。
電気式の最大のメリットは安い夜間電力を活用出来るということです。エコキュートが有名ですね。安い夜間電力でお湯を沸かして一日中使えるんですね。
ちなみにどうして電気代が夜に安いかと言うと、電気の消費の大半は工場だからですね。昼に稼働している工場が多いので、夜間は電気が余ってしまうんです。電気って、灯油などと違って貯蓄が難しいんです。それで夜間電力は安いというわけです。
ヒートポンプの進化とあわせて、夜間電力の有効活用ということで一気に普及して来ているというわけです。
これに対して灯油やガスは貯蔵が簡単です。タンクに入れといたからって勝手に減ることはありませんからね。逆を言えば夜間でも昼でも料金は同じです。
ただ、原理的なことを考えると、燃料→熱→電気→熱→保温→利用という具合でロスはあります。
それに対して灯油やガスは、燃料→熱→利用という形なので、燃料を熱として利用する場合は電気を経由させない方がエネルギー効率は良いです。
電気給湯器は、夜間電力の安さと、最新のヒートポンプ技術でエネルギー効率の悪さをカバーするという考え方です。
灯油のデメリットはとにかく灯油の補給ですね。家まで配達してもらうことも可能ですが、自分で買いに行く方が安いです。
都市ガスが通っているところでは、都市ガスは安くて便利ですね。ただ、ガスのデメリットは基本使用料がかかるので、暖房でガスを使ったら料理でIHを使うとちょっと勿体無いような感じもします。
床暖房は立ち上がりの電気代も高いし、遅い?
さて、床暖房の話の記事なのですが、筆者個人としてはヒートポンプ式の床暖房ってあまり好きじゃないんです(笑)
理由はいくつかあるのですが、まず立ち上がりが遅いです。暖かくなるまで時間がかかります。
一回冷えてしまうと、時間もかかりますし、全部暖めないといけないので電気代もかかります。
「寒いからスイッチ入れよ」
という具合でスイッチを入れても暖かくなるまでに時間がかかります。
なので、ヒートポンプ式の床暖房って冬の間中付けっぱなしで使うというのが前提にあります。
「昨今の家は断熱性能が高いから、付けっぱなしでもそんなにエネルギーは使わないよ」
という理屈の上になりたっていますが、感覚的には環境に優しくないような気がするという人もいますよね。
実際には電気代なんかを見ると、そこまで環境に悪いわけでもないのですが。
「電気は使ってなかったら消す!」という時代もありましたので、ちょっと違和感を覚える人もいるでしょう。
ヒートポンプ系の暖房器具は暖かさを保温するのには安いのですが、寒いところから温めるのは苦手なので、ストーブなどの補助暖房がある方が便利です。
あるいは、少し寒いと感じた時にちょっと部分的に床を温めたいというなら、電気式の床暖房ですね。
主暖房として床暖房を使うならヒートポンプ。
補助暖房として部分的に使うなら電気式というイメージですね。
後からの修理、交換が安いのはエアコン、ストーブ
床暖房は導入の値段も高いですし、故障の時には床を張り替えるなどのリスクも大きいです。
特にヒートポンプについては、10年後、また技術が進歩している可能性もあります。今のエアコンと20年前のエアコンをイメージすると分かりやすいですが、電気代が全く違います。
暖房器具のような家電製品はいずれ必ず故障するか、時代遅れになってしまいます。
あとのメンテナンス費用を考えておくのはとても重要です。
そういう意味では「ヒートポンプの暖房器具ってエアコンだけで良いじゃないの?」っていうのが筆者の考えです。
壁掛け式のエアコンは壊れて交換するとなっても床暖房ほど大変ではありません。
ストーブについてはもっと簡単ですね。
エアコンもヒートポンプ式ですので電気代が優秀な暖房器具です。
エアコンは空気を温めて、床暖房では水や不凍液などの液体を暖めているという違いです。
確かにエアコンは空気が乾燥するというデメリットもありますが、床暖房よりも設置のコストが安いですし、修理、交換も簡単です。
床暖房じゃなくても輻射熱が暖かくて安い暖房器具もある
「床暖房は輻射熱で暖かい」
とも言いますが、ストーブだって輻射熱で暖かいものはあります。
輻射熱と言いますと、空気を直接温めるのではなく、赤外線で離れたもの、壁や天井を温めてくれるというものです。
太陽の熱が、真空である宇宙も通って地球に届くのと同じようなイメージですね。
普通のファンヒーターなんかだと空気が汚れるというデメリットもありますが、FF式という吸排気用の煙突を壁からつなぐタイプのものなら空気も汚れません。
基本的に北海道などの極寒の地域はFF式ストーブがメイン暖房です。とにかくパワーがありますし、すぐに暖かくなります。設置コストも床暖房のように何十万円もしません。
リビングにFF式ストーブ、各部屋に普通の灯油ファンヒーターという構成が多いですね。
北海道などの超寒冷地域でFF式ストーブのある家に住んでみると、「FF式ストーブこそ最強の暖房器具だ」と思います。
本当にそのくらい暖かいんですよね。
そして、床暖房ほど高くもない。空気も汚れないです。
灯油代はいくらかかかりますが、寒冷地でヒートポンプを使うのと比較すると、すごく高いわけではありません。
(寒冷地じゃなければヒートポンプは優秀です)
暖かいという意味だけですと薪ストーブや暖炉も暖かいですね。メンテナンスなどが大変ですが。
そういった強い暖房器具と比較するとエアコンだけで、寒冷地の寒さを何とかするのは難しいと感じますね。
エアコンって空気は暖まるんですけど、床や壁が暖まらないっていうのがデメリットなんですよね。
ただ、エアコンは一度部屋が暖まると、安い電気代で暖かさをキープしてくれるので、やっぱり優秀ではあります。
エアコンは単体では弱いですが、組み合わせると本当に素晴らしいですね。
床暖房も同じですが、夏の冷房機能なんかも考えると、やっぱりエアコンって優秀です。
まとめ。床暖房のデメリットは寒冷地、立ち上がり、修理交換
床暖房についてのお話でした。後半は床暖房よりもFF式ストーブ最高っていう話になってしまいましたが。
そうは言っても、全館床暖房って確かに快適です。
電気代も高くはないですし、何よりも空気が汚れません。
でも、やっぱり筆者個人としてはFF式ストーブ押しです。FF式ストーブも空気は汚れません。床暖房と同じ金額をかけるなら、それぞれの部屋にFF式ストーブをつけることも出来なくもないですね。する人はいないでしょうけど(笑)
暖房器具は修理、交換が楽って大事です。20年後を想像してみて下さい。20年前の暖房器具を使い続けないといけないなんて微妙じゃないですか。
「交換するには床を全部はがさないといけません」なんてなると困ります。
そして、暖かくなるまでの早さ。
ただ、火傷などについて考えると、小さい子どもがいる場合は床暖房はやっぱり魅力的ですね。