長野県の工務店社長が教える!超高断熱・超高気密の住宅は建ててはいけない理由
諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です
超高断熱、超高気密の住宅は建ててはいけない!
高断熱とは、壁や床、天井、屋根面への断熱材が通常の家に比べて厚みを増した家のことを指します。
もう一つは、窓です。窓ガラスが1枚より2枚、複層ガラスに、そしてガラス面に焼きつけをしたLOW-Eガラスを使った家を指します。
さらに「超」がつくと、断熱材の厚みをさらに増し、負荷断熱、W断熱などと呼ばれます。
窓についてはガラスを3重、トリプルガラスへ。ガラスを支える枠の材質をアルミ樹脂複合からオール樹脂へ変更します。
目次
UA値で判断する高断熱・超高断熱
これら材質の違い、厚みの違いを説明しましたが、UA値という値だけ見れば、高断熱なのか超高断熱なのか判断できます。その解説は別のブログで解説しています。
G1、G2、G3や断熱等級5、6、7と呼ばれ、断熱等級7やG3が「超高断熱」を指します。
高断熱のメリットを2つ挙げてみた
高断熱にするとどんなメリットがあるのでしょうか。
室温の変化、外気温の影響を受けにくい、つまり暖房や冷房が効きやすくなり、光熱費の削減につながります。これは経済的に有利です。
一般的な住宅に比べ、光熱費が削減された分を教育費や娯楽、趣味の費用に回せます。
もう一つのメリットは、室内どこに行っても同じ室温を維持しやすいことです。
これは健康促進効果があり、ヒートショックになりにくいです。
寒暖差から血流が悪くなり、死に至ることもあります。
実際、交通事故で亡くなる方よりも、ヒートショックが原因で室内で亡くなる方の方が多いのです。
高気密の重要性
高断熱に加えて欠かせないのが高気密です。
高気密はC値で表します。
C値とは家の中の隙間の総量を数字で表したもので、数字が小さいほど気密が高いことを意味します。高気密の家は外気の流入を防ぎ、断熱効果を最大限に活かします。
C値が家に及ぶす影響
断熱性能を高めても、外気が流入する面積が大きいと高断熱の効果を活かせません。
24時間換気システムという換気システムがありますが、漏気は考慮していないため、気密が悪いと本来の換気の流れが得られません。
これにより、汚染物質が溜まりやすくなります。
換気が悪い箇所に溜まりやすいのです。
さらに、充填断熱の場合、壁内結露が起きやすくなります。
気密が悪い家は壁内に空気が流入しやすくなります。
最悪の場合、壁内でカビが発生し、腐ることもあります。
以上のことから、超高断熱・超高気密が良いことは理解していただけたと思います。
超高断熱・高気密な家は、超高額な家になります
しかし、超がつくほどの高断熱・高気密な家は、予算も超がつく超高額な家になります。
もちろん、それなりの効果が得られるので良いのですが、本当にそこまで必要なのかを考えましょう。
普通の家、最低限の断熱の家でも問題はないということです。
もちろん、超高断熱の家より光熱費はかかりますが、最初にかかる家の価格はそれほど高くありません。しかし、高断熱・高気密の家は高額であり、借入額も増えるため、金利分も増えて総額の支払いが増えます。
その増えた分以上に光熱費が削減できなければ、本末転倒です。
過去にこのバランスを計算したことがありますが、住んでからおおよそ25年から30年経過しないと、かけた費用を回収することができないのです。
マイホームを手に入れて本当に得たいものは何ですか?
家を建て、マイホームを手に入れて本当に得たいものは何でしょうか。
暖かさ、光熱費の節約、快適さですか?
そうではなく、家族の笑顔ではないでしょうか。
以前、軽井沢にあるマグ・イゾベール社の提供を受けたマルチ・コンフォートハウスを見に行ったことがあります。これこそが、超高断熱・超高気密の家です。