茅野市出身の建築家「藤森照信」が手がけた「ラコリーナ近江八幡」から学んだこと
諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です。
訪れたのは、滋賀県近江八幡ラ コリーナ。茅野市出身の建築家・藤森照信さんが手がけた施設です。
私が言うのはおこがましいですが、照信さんらしい特徴がよく出ています。特に「草屋根」がそうですね。草屋根にすることで、人工物を隠し、自然に溶け込むようにしているのが印象的です。
もう一点、私がずっと考えていることですが、屋根からの照りによる室内空間の暑さ対策にも草屋根は効果的だと思います。断熱効果も期待できますしね。ただし、草屋根には水が必要になりますので、乾燥が激しい地域では、屋根に絶えず水を流しておきたいところです。
自然の緑と建物が融合したデザイン、角を作らずに曲線状に仕上げた建物は、見た人に「建物」という印象を与えないように工夫されているのではないかと思います。
とにかく、自然に溶け込ませようとしている点が特徴だと感じます。
自然といえば、使っている材木もそのままの形を生かしていますよね。曲がった部分を削らずに、そのまま強度に変える技術は見事です。木材同士の組み合わせも、技術的には手間がかかりますが、積み木のように美しく組み合わせていることが、その魅力を引き立てている要因だと言えるでしょう。
こういう細かいところ、細部まで指示をしてなのか、指示がなくとも作り手、職人さんが決めてこうしたのかっていう点は気になりすが・・・。
設計者と造り手、どちらも気持ちが一つの方向でないと、いいものは出来ないと思います。
ラ コリーナは、地元のお菓子屋さんが和洋菓子の総合ショップを作りたいという想いから始まった場所だとか。近江の原風景を再現しようとしていることが象徴されていて、施設の中に田んぼがあるのもその理由です。
文章で伝えると不自然に思えるかもしれませんが、実際に訪れて自分の目で見れば、その意味がきっと感じられるはずです。特に印象的なのは、大きな建物がまったく目立たず、自然と調和している点です。
建物の設計だけでなく、外構や周囲の環境全体を考慮することで、ラ コリーナのような施設が生まれるのだと思います。
住宅設計というと、どうしても建物自体に焦点が当たりがちですが、最近では建屋周辺や外構計画についても一緒に考えるようになっています。
ただ、予算の制約もあり、外構までしっかりと実現するのは難しいのが現実です。まずは建物を優先する気持ち、よく分かります。
長野県原村の完成見学会 | 八ヶ岳を望む広々ワンフロアで楽しむ薪ストーブのある平屋の家
■場所:長野県原村
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