野球がもたらす数々の奇跡が感動を呼ぶ~甲子園だけが野球高校ではない (岩崎夏海著)
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野球をがんばる高校生たちの実話
夏の風物詩、甲子園の高校野球選手権大会。全国から集まる強豪校の選手たちが、泥だらけになりながらボールを追いかける姿は多くの人たちを魅了します。その主役はあくまでも球児たちですが、その晴れ舞台を支えているのは、家族や、チーム関係者、監督、コーチ、学校の応援団、大会運営者といった多くの人の力や思いだということを忘れてはなりません。
本書は、グラウンドに立つ選手たちだけではなく、試合には出なくとも、3年間を高校野球に捧げた高校生たちのストーリーが収められています。マネージャーやブラスバンド部、野球を諦めざるを得なかった者、選手を見守る家族たちなどの視点から見た甲子園の物語です。すべて日本全国で本当にあった実話で、高校野球から目を離せなくなった経験をもつ人なら、まさに必読の一冊です。
一人ひとりが選んだ道
実力がものを言う世界ですから、甲子園でベンチに入れるレギュラー選手はほんのひと握りに過ぎません。そんな夢の舞台の後ろには、個人の葛藤、野球に対する想い、家族や仲間の存在など、様々なものが渦巻いています。野球センスを持ちながらも野球を好きになれなかった者、練習中に病気が見つかって闘病せざるを得なくなった球児、負けるのが怖くて積極的になれなかった女子マネージャー、大好きな監督を追いかけて甲子園出場の切符を手放した球児……。本気で向き合っている彼らの誰ひとり、間違った選択はしていません。彼らなりの結論、彼らなりに導かれた道なのでしょう。
野球ができることの幸せ
「諦めなければ夢は叶う」というほど実際の人生は甘くないかもしれません。しかし、たとえ叶わないかもしれなくても、それを怖れず、失敗してもいいから挑戦してぶつかってみること。そのことの大切さを感じさせられます。
野球ができるということの幸せ、野球を通して生まれる絆の大切さ。球場に足を運んだことがなくても、選手として試合に出たことがなくても、野球ならではの熱い情熱に触れられる1冊です。
岩崎夏海著
『甲子園だけが高校野球ではない』
(廣済堂出版)
定価:1,000円+税