自分のアイデンティティー|幼少期に与えられたもの
こんにちは!
松本、諏訪、伊那地域の工務店エルハウスの住宅コンサルタント、
土橋千咲です。
私の宝物
私は絵を見たり描いたりするのが好きで、美術大学に進学しました。
そうは言っても結構難関なので第一希望の学部という訳にはいきませんでした。
ただその道を目指したのは完全に父親の影響です。
受験をする時には本格的な材料を買ってもらったり、東京の予備校に通わせてもらったりととんでもなくお金を使ってもらいました。
今となっては感謝しかありません。
でももっと前から実は私の絵が好きになったきっかけをもらっていました。
それは絵本です。
その絵本はまだ実家に保管してあります。
それがこれです。
世界のお話しシリーズという本のセット。
アメリカ、イギリス、ソビエト(古っ)などの各国ごとのお話が何話か入っているんですが、
その絵を描いた作家が武井武雄、いわさきちひろなどそうそうたるメンバーなんです。
こんな本はそうはないと思います。
その素晴らしさに気付いたのはだいぶ後になってからでした。
小さい時は他の本と変わらない絵本として見ていたのです。
ただ、お話しの内容と絵の世界観が強烈に記憶に刷り込まれていました。
そして高校の頃か記憶は曖昧ですが、初めて武井武雄のことを知って、
「あれ?この絵はどこかで見たことがある…?」と奥深くにしまわれていた本を引っ張り出して見た時、あの小さい頃に読んでた絵本の絵の作者だ!と気が付いたのでした。
その頃にはいろんな知識もあって、全ての作品が素晴らしい人達で作られた本だったことを知ったのです。
確か保育園を卒園する時に父親がプレゼントしてくれた絵本のセットでした。
自分で欲しがった訳ではなく、突然家に届いた時のことは記憶しています。
友達が持っていたり、保育園にあった本とは明らかに系統が違うことは幼くてもわかりました。
その時は子供らしい本ではなかったので、特に嬉しく感じてはいなかったように思います。
しかし、芸術の持つ力なのか自分が育った環境に間違いなく影響されました。
話自体は有名な話ばかりなので今でも耳にします。
西遊記とかピノキオとか人魚姫とか。
その話と絵は今でも自分の世界観やイメージと結びつきます。
先日実家に行って納戸からものを取り出す時に忘れていたその絵本セットを目にして、
読んだ思い出やそれをチョイスして与えてくれた父親の感性に浸ってしまいました。
絵本や旅行や何か作ったりしたことは何十年経っても覚えているものです。
そしてそれはずっとその子供の世界観となって価値観となって大人になってもずっと引き継がれていくんだなぁと思いました。
私の仕事は家を造るだけではない?
私は今家を造る仕事をしています。
でもそれは車のように機能やデザインだけを見て比べるものとは思っていません。
実は少し前からそのような感覚に違和感を持っていました。
その家でいろんな思い出を作って欲しいし、子供が育つ環境に良いものを迷わず買って与えてあげられる豊かな生活を送って欲しいです。
私が造りたいのはただの形ある家ではなく、豊かな時間や記憶に繋がるものなのかもしれません。