なぜ長野県茅野市の工務店エルハウスでは「工期を守る」ことを一番に守らなければならないと考えているのか
こんにちは。松本・諏訪地域の工務店エルハウスです。
「工期を守る」これは家を請け負うとき、一番に守らなければならない事だと考えています。
社長の平(ひら)は、エルハウス独立前に勤めていた会社で、建築人生において最大の失敗、夢にうなされ飛び起きてしまうほどの失敗をしでかします。その失敗とは・・・。
今もうなされる建築工事
逃げ出したい!この建築を請け負ったとき本当にそう思いました。請けた家は、美建設計の石井修先生設計の錦恵庵という建物です。
私(エルハウス社長)は石井先生を以前から知っており尊敬していました。先生の設計された家を造ってみたい。そう思う毎日でした。しかし、業界では、石井先生の設計は難しい。普通の監督では造れない。絶対請けないほうがいい。そう噂されていました。
しかし、知り合いの設計事務所の伝で請け負うチャンスが来たのです。私は何が何でもこの建築をやりたいと思い、社長に是非やらせて欲しいとお願いしました。
社長の「やってみろ!」の一言で、私は頑張って見積もりをして、ライバルを入札でけ落としました。当時一億円を超える建物です。本当に俺に出来るのか?不安で胸が破れそうになりました。それほど難工事だったのです。図面をもらった時目の前が真っ暗になりました。
この工事で私は建築人生において最大の失敗、夢にうなされ飛び起きてしまうほどの失敗をしでかします。その失敗とは・・・
地下室が地上に出てしまった!
なんと地下になければならないはずの駐車場が地上にそのまま出てしまったのです。私の測量ミスでした。気がついた時私は、心底心臓が止まりそうになりました。地下駐車場は、なんと総重量にして10トンを超えていたからです。しかも、山の中なのです!
ああ、俺は取り返しのつかない事をしてしまった。自分ではどう考えても解決策はありませんでした。
どうしようもなく、社長に状況を説明。社長はいったん怒りました。しかし、怒っても問題は解決するものではない。すぐに気持ちを切り替え、土木を担当していた兄を呼び、何とかなるか相談したのです。
兄は任せろと一言いい、すぐに解決策を提示。その準備に取りかかりました。それから大がかりな掘削などを行い、大型クレーン、重機を導入し、一週間ほどで駐車場を地下に埋めたのです。
魔法を見るようでした。
と言うのも、私は現場に行くのが怖く、逃げていたからです。そして、秀信、工事終わったから来い。逃げていても何も解決しない。早く現場に戻れ、そう言われました。私は行きたくない気持ちにむち打ち現場に戻りました。そして、地下に埋まった駐車場を見たのです。その時の安堵感、驚き、今でも鮮明に覚えています。
そして、私は思いました。逃げた自分が恥ずかしい。そして、助けてくれた社長と兄、先輩達に手を合わせました。彼らもとても忙しい中私のためにこなしてくれたのです。助けてもらったのです。
出来ない事はない。現場から逃げてはいけない。必ずやり遂げる。その気持ちを教わりました。そして、もし自分の部下や社員が失敗したら、自分が出て行き必ず解決しよう。そう誓いました。
工事は佳境を迎えます
工事は、厳寒期を迎え、さらに難しい段階に入ります。そして佳境を迎えていきました。大工が足りない。コンクリートが寒さで固まらない。水道が凍る。車がエンスト真っ暗な山道、氷点下12度。吹雪の中を3時間も歩いて山を下りる。捜索願が出る寸前でした。
しかしどんな難関があっても、最後まで逃げる事なく無事完成を迎えることが出来たのです。俺には助けてくれる人がいる。いざとなったらみんなが協力してくれる。俺一人ではない。泣き言をいっている場合ではない。どんなことをしてもやりきろう。そんな気持ちです。
職人が来てくれないので、家の玄関で待ち伏せして、ひたすらお願いし、現場に連れて行ったことも一度や二度ではありませんでした。やろうと思ったら出来ないことはない。この現場で実感できた一生の収穫でした。
どんなことが起きようと必ず工期を守る
私はこの工事を通じ、石井先生から家とは何か?現場を管理する事とはなにか?そして、社長、兄から、どんなことが起きようと必ず工期を守る。その決意を学びました。
家を造る時には、思いもよらない事が起きます。しかし、工期は絶対です。お客さまが楽しみに待っているのです。引っ越しも決まっています。完成日を一日足りと遅らせる事は出来ないのです。工期を守る。これは家を請け負うとき、一番に守らなければならない事なのです。
ちなみに、エルハウス家造り10の理念、10番目は「一〇.工期は必ず守れ、死守しろ。」なのです。
エルハウス代表取締役 平秀信(ひらひでのぶ)です。