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阪神大震災と『ゆずちゃん』

こんにちは、エルハウス福田です。

少し過ぎてしまいましたが、1月17日は阪神大震災の日でした。
当時、小学校1年生だった私は西宮市、被災地の中心に住んでいて、崩れた阪神高速の横を大阪の親族の家まで歩いて避難したことを覚えています。

とは言っても、小学校1年生の記憶ってあまり覚えてはいません。
食器が割れていたので、トイレに行くのが危ないのでベランダでおしっこしても良いと言われて嬉しかったのを覚えています。
当時はトイレにオバケがいると思っていたので、暗い時間に一人でトイレに行くのが怖かったんですね。
あとは火事で赤い空と崩れた阪神高速のわきを家族で延々と大阪まで歩いたのですが、ちょうどその時、インフルエンザにもかかっていたこともあって、記憶は朦朧としているばかりです。
インフルエンザが治ると母の実家がある鳥取の家に避難し、ダンボールいっぱいの鉛筆やノートをみんなからもらえ、近所の意地悪な悪ガキとケンカしていました。
おかげで小学校の間はほとんど文房具を買わずに勉強することが出来ました。男の子なのにキティちゃんの鉛筆とかもあって、使っていて少し恥ずかしかったりもしましたが、本当にありがとうございました。

そんなわけで、被災地の状況は大して覚えていないので、あまり阪神大震災のことも思い出さずに生きてきましたが、
建築の仕事になると地震、耐震のことを勉強することも多いので、今年は久々に阪神大震災のことなど思い出して、しんみりしました。

ゆずちゃん

ゆずちゃんは阪神大震災の時に亡くなってしまった女の子です。
その同級生の男の子の視点で描かれた絵本です。

ちょうどゆずちゃんの家は私の家からも近く、地震で潰れる前には遊びに行ったこともあるらしいのですが、年上のお姉さんでしたし、小学校1年生の記憶って本当に曖昧で実はあまり覚えていないのです。
読書感想文の本にもなったので、読書感想文も書きましたが、よく覚えていません。

インターネットで久々に調べて文を読むと、ほろりとしました。

なぜなんでしょうね。
ゆずちゃんのことは覚えていないですし、地震のことも正直、あまり覚えてはいないんです
覚えているのはベランダでおしっこした思い出。ベランダでおしっこしていると、前の家はぺしゃんこになっていました。その家の子は、地震が来た瞬間に飛び起きて家から脱出して生きられたとのことです。

小学校1年生って、本当にいろんなことが初めてじゃないですか。
大人になると、阪神大震災って壮絶だったなと思いますが、
当時の僕は、
「何かよくわからないけど、大変そうだな。家って壊れちゃうんだな。正直、よく分からないけど、大人たちが慌てている、いつもと違う、何かが大変なのだ、ベランダでおしっこしても良いくらいに大変なのだ」
と思ったのでしょうね。
ちゃんと覚えていないので、本当のところ、どう感じたのかは覚えていないですけどね。

よく分からないながらに、やっぱり怖かったんでしょうね。
今改めてゆずちゃんをあらすじだけでも読んで、ゆずちゃんが死んでしまってかわいそうということは理屈の上では感じるのですが、それ以上に家族で歩いた阪神高速のわきの道が思い出されるんですね。
ほろりと来るのは、怖いからなのか、悲しいからなのか。
最近はあまり感じることは減りましたが、自分が生き残ってしまったことが申し訳ないと大学生の時期なんかは思うこともありました。

命のこと、死生観を考えるとき、アフリカの自転車旅をよく思い出します。
28歳のとき、アフリカを自転車で旅しました。タンザニアから入って、ナミブ砂漠まで3ヶ月ほどかけて、のんびりと旅しました。

アフリカも本当に簡単に人が死んでいってしまうんですね。
マラリアもありますし、肝炎もありますし、エイズもはびこっています。
さらに厄介なのは病名もない謎の病気が突然発生する可能性もあるのがアフリカです。
さらに、みんな性格がハッピー過ぎるせいかお祭りなんかではしゃぎ過ぎて、よく人が死んじゃうって、現地で働く青年海外協力隊の人が言っていました。
とにかく死がすごく身近なんです。

特に大人になれずに子どものうちに死んでしまう人が多いんですね。
旅する僕の方なんかは大人なので、実際、そんなに危なくはないんです。
病気になれば病院に行くお金もありますし。

自転車で旅していると、国にもよりますが、上の写真のマラウィという貧乏な国では、「Give me money!」って叫びながら子どもたちが全力疾走してきます。
ものすごく笑顔で。
一日10回どころじゃない回数言われますし、大人だってギブミーマネー、老人だってギブミーマネー、もう挨拶のごとく笑顔で、
「アズング、ギブミーマネー」
です。アズングっていうのはヨーロッパ人という意味らしいですが、要はお金をもっていそうな肌の色が黒くない人=「ギブミーマネー」なのでしょう。

日本で普通に生きていると、なかなか死ぬっていうことに触れなくなってしまうので、
生きているということのありがたみを、ついつい忘れてしまうと言いますか、
当たり前のように生きてしまいがちです。
とっても良いことではあるのですが。
死ぬリスクがないって、生き物としては不自然ではあります。
「死なない」って本当にそれだけで素晴らしいことなんですけどね。

アフリカは本当に価値観が変わります。
アフリカに行った人がだいたいみんなそう言いますけど。
小さい村に行くと生のアフリカに触れられて一番面白いですが、なかなか難しいので、キリマンジャロを登るツアーやサファリに行くツアーなんかで旅行してみるのがオススメです。


阪神大震災があったおかげで、日本の建築はぐっと良くなりました。
阪神大震災以来、大きな地震が起きても、高速道路が倒壊したり、火事で空が赤く燃えるっていうことも減りました。
もちろん、今も地震が起きれば被害は出ますが、住宅の耐震化が進んだのは本当に良いことだと思います。

エルハウスの家じゃなくても、今の新築住宅ってどこも本当に地震に強くなりました。
そういう中でも、当たり前に安心して暮らせる家を、人生の他のことを犠牲にすることなく、無理なく当たり前に手に入れられるよう
安いだけじゃ駄目でしょうし、すごく性能が良い家でも値段が高くて他のことを無理しなくちゃいけないんじゃ意味がないですからね。
当たり前の家を、当たり前に手に入れられるように。
住宅コンサルタントとして、みなさまのお手伝いしていければと。
そういう仕事をしていければと、改めて思いました。

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