諏訪・松本の工務店の社長ブログ|家族物語843

  1. HOME
  2. 諏訪・松本の工務店|池原純一ブログ
  3. 能登半島地震 建築士としての立場で解説します

能登半島地震 建築士としての立場で解説します

🏘諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です 😀

現在の建築基準法の構造であれば 倒壊は・・。 人名は守れます

震災の被害状況はここにあげ切れないほどです。 輪島で有名な朝市の街は 悲惨というか
きっと戦後はこんな状況だったのかと 想像ができるほどです

今回は 建築士という観点で 建物の状況を私の見立てからの
報告です。 あくまでも、私の見立ての解説です

既に 建築物の調査は終わり 張り紙の色によって 倒壊、危険、半壊など
分けられています

 


木造住宅には 筋違という建物の変形を抑えるための木材が使われていますが、この筋違が
座屈をしています。(折れる) これは 上の階、3階建の家の重量に堪えられない、
もしくは、 筋違の位置(バランス)が悪く、一方向の揺れにしか堪えられない、
また、片筋と呼ぶ、タスキ(✖️)ではない状況、
つまり 筋違が不足していることを伺えます

写真からはわかりませんが 実際に壁の内部に手を入れ、筋違がタスキに配置されているのかを
確認しました。 片方しかない、方筋っていうことです。これでは 揺れに対して、一方向しか
支えることができません

筋違、柱、土台の緊結が ほぞ 釘締めでしかないことがわかります。 これは1981年以前の
旧耐震基準です。 現在の基準法では からなず、金物、ボルトで 土台、筋違、柱の固定を行っています

典型的ですが 3階建てとした時に 下の階、真ん中の階、最上階と外部の壁の位置があっていない
ことから 家自体のバランスが悪く押し潰されています。
もちろん 3階という重量に対して1階部分の壁が不足しているという可能性もあります。
直下率= 柱から柱へと力が伝わるようにすることで、倒壊を防ぐことも可能です。
実際に 真四角の形状の建物は3階、2階建てであっても 倒壊までには至っていません
幸いというか、狭小地のため 家を真四角にしか設計することができなかったために
倒壊は逃れています。 とはいえ、 倒壊の危険はあります。住める状況ではありません
ただ、倒壊しないことで人命は助かると考えます。

1階分を倉庫、駐車場として 空間設けているような住宅は、半壊以上の被害を受けています

 

支えている柱が細い、 基礎部分があったのかどうか?おそらく
安易な増築をされたのでしょうか、この部分は 水周りのキッチンですね。

増築をされた家だと 推測ができますが(外壁の材質が違うことから)
揺れからもげ落ちたように潰されています。 増築部分の1階部分が車庫なのか倉庫なのか
空間であったのかは不明ですが、 新しく増築をすると家全体のバランスとして成り立たないことから
倒壊しています

基礎部分も 開口部が弱いことがわかります。揺れを受けると 弱い部分から崩壊します
地窓の種類から想定すると 昭和40、50年代に作られた基礎だと推測をします。 外壁だけ
リフォームをされています

設備機器も 油断は禁物です
エコキュートも 足元へのボルトの固定しか行われていません。
本来なら、それにくわてえ 壁にL字型の金物で固定も必要です 固定をしないと
まともに倒れることがわかっています。 松本地震の時に、家の損傷はなくともエコキュートだけが
倒れてしまったという事例があります

輪島市から少し離れた 内灘町です。 海の埋め立て? から干拓地です
液状化の被害が酷いです、 道路は問題ないですが、 わずかに傾いている、ですが宅地内の隆起というか
液状化から地形が変わってしまい、とても家に入ることもできません。

ここから 数十メートル離れている高台の土地は全く問題がない状態でした。

社長 池原純一のプロフィールへ
お客様の声
イベント情報

関連諏訪・松本の工務店|池原純一ブログ