暴風と生物の少ない大地パタゴニア【福田の南米の思ひ出5】
こんにちは、エルハウス福田です。
福田の若かりし日々の自転車の思い出をつづるシリーズ、
今回は南米編その5です。
今回はパタゴニアに突入です。
パタゴニアっていうと、アウトドアブランドのパタゴニアをイメージする人が多いでしょう。
そう、あのパタゴニアのモチーフになっている大地です。
南米の中でも南の方のエリアをパタゴニアと言います。
パタゴニア(Patagonia スペイン語発音: [pataˈɣoni̯a])は、南アメリカ大陸の南緯40度付近を流れるコロラド川以南の地域の総称。アルゼンチンとチリの両国にまたがる。
Wikipediaより引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%BF%E3%82%B4%E3%83%8B%E3%82%A2
とにかく暴風の大地です。
暴風で木が抜けてころころ転がっていたりします。
暴風のあまり植物も動物もあまりいない半砂漠です。
本当に台風よりも強い風がひっきりなしに吹きます。
本当に自転車が前に進みません。
たとえ話じゃなくて、本当に、ぐいぐい押されているような。
マイケルジャクソンの傾くパフォーマンスが出来そうなくらい押されます。
↑この写真はパタゴニアの一番パタゴニア的なあたり。
この西のあたりにフィッツロイなんかの有名な山もありますね。
パタゴニアといえば羊の放牧ですが。
羊の毛を乗せたトレーラー(トラックで牽引する)もあまりの暴風でひっくり返っています。
町と町の間の距離がとにかく離れているので、野宿が増えます。
アフリカもそうですが、南半球は夕焼けが驚くほど綺麗です。オゾン層が破壊されているからなのか、理由はよく分かりませんが。
パタゴニアの夕日は
とは言え、基本は町やガソリンスタンドの脇が基本です。
こういう完全に野生のしげみ、ブッシュでキャンプするのをブッシュキャンプと言います。
ブッシュキャンプはいろいろ厄介です。
まず、うんち。
野外トイレになります。
まあ、パタゴニアくらい町がなくて人も通らなければ、野外トイレもさほど困らないんですけど。
そして、お水。
水って重いんです。
2Lの水じゃなくて、もう少し大きいボトルの水が売っていればそれを買います。
一人でずっと自転車で旅するってこんな感じです。
休憩していても誰か話す相手がいるわけでもなく。
ぼーっとしてみるわけです。
まあ、結構、良いものです。
インターネットもないですし。
まあ、良いものです。
特にこの頃はまだスマホもそんなに普及していなかったので、音楽はソニーのCDウォークマンを持っていってました。
なぜかグレングールドのゴールドベルグ変奏曲のアルバムを持っていってて。
他にもブエノスアイレスでタンゴのCDなんて買ってみたりもしたんですけど、微妙で。
テントでぼんやりとゴールドベルグ変奏曲を聞くわけですよ。
その日の日記なんか付けたりしつつ。
ただ、日記もパタゴニアの一番奥の方になってくると、町もないし、半砂漠をずっと走るばっかりで何もないので。
しかも、ピューマっていう肉食のネコ科の生き物が出現します。
出現したら死あるのみです。
ピューマ(Puma concolor)は、哺乳綱食肉目ネコ科ピューマ属に分類される食肉類。英名はcougar(クーガー)。
Wikipedia より引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E
まあ、この手の生き物は基本的に出現しないので大丈夫です。
でも、たまに村の家畜が襲われて全滅したりすることもあるようですが。
まあ、大丈夫です。
大西洋。
この当時は、この海を反対側、まさかアフリカ側から見ることがあるとは予想だにしませんでしたが。
海はいつだって広くて大きいです。
パタゴニアに突入する前のガソリンスタンドのおじさんやおばさんたち。
みんなフレンドリーでたまにお菓子をくれたりもしました。
そう、パタゴニアに突入するまではガソリンスタンドも充実していました。
パタゴニアの深いあたりにいくと、ガソリンスタンドなんかも質素なものです。
隣の町まで300キロ無人地帯とかよくある話ですから。
ガソリンスタンドなのにガソリンがないということも多いようです。
まあ、僕のマシンはガソリンいらないので問題ないのですが。
パタゴニアについては、あまり語ることがありません。
パタゴニアは僕が走った中で最も美しい大地だったというだけです。
特にペリトモレノからカラファテの間のRuta40は最高でした。
あんまりドラマもありません。
ずっと孤独。
車は1時間に1台走るかどうか。
道路は舗装されていないし。
風ばっかり吹いていて、ほとんど植物も生えていないから生き物の気配もほとんどない孤独な大地。
一回ダチョウみたいな鳥が横を走っていましたね。
緯度が高いので白夜までは言いませんが、夜遅い時間でも明るくて。
寒くはなかったけれど、暑くもなかった。
いや、いっつも風が吹いていて、暑いも寒いも、乾燥してるもよく分からなかった。
とにかく風ばっかり吹いていて何もない。
風に押されてのろのろ走って。
疲れたら路傍に腰掛けて。
暗くはならなくても夜になったら道から少し離れてテントをはって、グレングールドを聞いて眠る。
別に何があるわけでもないです。
フィッツロイやペリトモレノ氷河とか観光地はあるけれど、何もない普通の道が最高に素晴らしかったです。
ドラマといえば、1回死にかけたことと、砂漠の真ん中で革命家の日本人と友達になったくらいでしょうか。
その辺の話はまた次回にでも。
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