心の声に、耳を傾けた先に ~ アルケミスト 夢を旅した少年 (パウロ・コエーリョ著)
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アフリカの砂漠を超え、ピラミッドを目指す少年
本書は「世界で最も読まれた本ベスト10」に入るほど、国境を超えて人気を集めている、夢と勇気の物語です。主人公は羊飼いのサンチャゴという少年。彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドへと旅に出て、錬金術師の導きや、さまざまな出会いと別れによって人生の知恵を学んでいきます。
夢を語らなくなった大人たち
さて、あなたの人生の夢はなんでしょうか。幼い頃は「〇〇になりたい!」と勢いよく宣言していた人でも、大人になるとだんだん答えられなくなります。現代人は夢を語らず、むしろ夢を隠して生きている人が多いかもしれません。
夢を抱くと同時に「叶うはずがない」という気持ちが芽生えます。本書に登場するある老人が言うように、「自分の運命より、他人がどう思うかという方が、もっと大切になってしまう」からです。夢が叶わないことを誰もが恐れ、曇ってしまった心を抱えて「いつかそのうち」とつぶやきながら時を過ごしているのではないでしょうか。
心の声に耳をすませて
夢を追いつづけるサンチャゴは、旅先でボロボロになってしまいますが、それでも出会ったものすべてのおかげで夢実現へのヒントをつかんでいきます。その過程で聞こえてくるのが、「なにかを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」という心の声です。
今を生きる人々は、忙しさに埋もれてこの力強い言葉を聞くことができなくなっているのではないでしょうか。自分に素直になり、夢を追いかける喜びをもう一度味わいたい、と思わされる物語です。
パウロ・コエーリョ
『アルケミスト 夢を旅した少年」
(角川文庫)定価:560 円+税